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天之川想太(16)高二。本作の主人公?少なくとも中心人物。ヲタクでありおしゃべり。

御法川愛(16)高二。想太の恋人だったが、突然有名になり、二人は微妙な関係に。

四乃森朱里(17)高三。生徒会長。実は想太の恋を邪魔するために来た未来人。

槍ヶ岳ヒカリ(15)高一。インフルエンサーとしてフォロワー獲得に執念を燃やす。

小山内里菜(16)高二。イラスト絵師として、かなりの収入を既に得ている。

多賀康朗(17)高二。通称ガロ。想太の悪友。

「想太くん、相談があるの」

「えっと、どちらさまですか?」

「ごめんなさい、御法川です」

「え?御法川って、本人?」

「うん、どうしても想太くんに連絡取りたくて、新しく裏アカ作っちゃった」

愛から想太のところにメッセージが来たのは、マイナーだがそれなりに認知度のあるメッセージアプリからだった。

自分と連絡取るために裏アカまで作ってくれたことに、想太の胸の中に嬉しい気持ちが広がる。

だが、内容はそんなこととは裏腹に最悪のことだった。

「あのね、ここ何日か変な手紙が届いてるの」

そう言って添付されてきたイメージには紙に書かれたメッセージ、それも筆跡を誤魔化したものがいくつも写っていた。

「イツモ見守ッテルヨ」

「今日モ忙シカッタネ?次イツ時間取レル?」

「忙シクテモ返事クライシヨウネ」

「ドウシタ?ストレス溜マッテル?」

「スネルノモイイ加減ニシロヨ」

「オイ、ナンデ返事ヨコサナインダ?」

「愛ー、ドウシタンダヨ?俺タチ付キ合ッテルヨナ?仕事少シ選ベヨ」

「愛、イイ加減ニシロヨ。今日、テレビ局ノ男ト親シゲニ話シテタヨナ。枕ナンテスルナヨ。シタラ殺スカラナ」

だんだん内容がエスカレートしていくのが見て取れる。

想太は手を震わせながらスマホの画面をスクロールしていた。

「ストーカー、だよな?大丈夫か?御法川」

「うん、今のところ変なメッセージだけだから、実害はないんだけど…」

「実害あるじゃないか!御法川が怖い思いをしてるなんて!」

想太が怒りのあまり、勢いでメッセージを打ち込むと、

「フフフ、やっぱり想太くんって熱いよね。普段はクールを装ってるけど、誰よりも中身は熱いんだから…うん、よかった、やっぱり想太くんじゃなかった」

どうやら想太のことを疑っていたらしい。

それは、そうだよな…

納得するのと同時に強烈な喪失感が想太を襲う。自分が愛の彼氏ではないという事実を今やっと実感したのだ。

容疑者第一候補は確かに自分に違いない…

ストーカーの大半は元恋人なのだから。

チクッと胸に突き刺さるこの棘の痛みは、一歩違えば自分だってストーカーになり得るんだという自覚と共に、今なお1ミリも御法川愛への恋心が減っていないことを表しているのだった。

御法川のことを守りたいという想太の強い気持ちと、まだ見ぬこのストーカーの歪んだ思いは、第三者から見たら等しく相似形と言わざるを得ない。

結局それを免責するのは御法川愛の気持ち一つなのだ。

想太は動揺しながらも手がかりを得ようと愛に質問をする。

「そんなことより…手紙は、いつ届けられたんだ?」

「分からない…気がつくと、いつも鞄の中に入ってて」

「誰かにつけられてたり、付きまとわれたりしてないのか?」

「それも分からないの。移動は全部車だし、だいたいいつも事務所の誰かがついていてくれるから…お母さんもいつも側にいるし…」

口ぶりから察するに、マネージャーである母親の監視はかなり厳しいらしく、今もやっと抜け出してメッセージをしているらしい。

「そういえば想太くん、最近生徒会長さんと一緒にいることが多いんでしょ?」

「え?なんでそんなこと知ってるんだよ、まぁ、ちょっと行きがかりで生徒会に入ることになってさ」

「速見君から聞いたんだ。へー、でも面倒くさがりの想太くんが生徒会に入るなんて…やっぱり生徒会長さんが美人だから?」

お前を守るためだよ、と口をついて出そうになったが、それをこらえる。朱里に口止めされていたのもあったが、これ以上愛を怖がらせたくなかったのだ。

「速見とは話すんだ?」

「クラスのグループLINEがあるから…」

「あぁ、スクールカースト上位グループね…」

速見の顔がチラつき、思わず皮肉のような物言いになってしまう。

「そんなこと言わないの。みんな応援してくれるんだ、私のこと」

「それはそうだよ…俺だって、応援してるよ…」

「うん、ありがとう…想太くん…ごめん、お母さんに呼ばれちゃった。私行くね」

それを最後にメッセージは途切れた。

その後、想太が時間を置いて何度呼びかけても、メッセージは既読にすらならなかった。

「御法川、まだ仕事終わらないのか?」

「さっきはごめん、皮肉っぽく言ってしまって」

「御法川、応援しているよ…仕事頑張れ」

想太の想いだけが虚空に消えていくようで、想太は自分の滑稽さを思わずにはいられなかった。

でも一つだけ分かったことがある。ストーカーはもう既に御法川の近くに潜んでいるということを。

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