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天之川想太(16)高二。本作の主人公?少なくとも中心人物。ヲタクでありおしゃべり。

御法川愛(16)高二。想太の恋人だったが、突然有名になり、二人は微妙な関係に。

四乃森朱里(17)高三。生徒会長。実は想太の恋を邪魔するために来た未来人。

槍ヶ岳ヒカリ(15)高一。インフルエンサーとしてフォロワー獲得に執念を燃やす。

小山内里菜(16)高二。イラスト絵師として、かなりの収入を既に得ている。

多賀康朗(17)高二。通称ガロ。想太の悪友。

「…知らない人からのDMもすごく増えてて…」

不安げな御法川愛の続く一言に想太は罪悪感じみたものを感じる。

「最近、なんだか誰かに監視されてるような、見られてるような気がするの…」

それはそうだ。実際、生徒会メンバーで御法川愛の監視をしているのだから。

御法川、お前のことを守るためなんだよ、そう言って安心させてあげたかったが、想太は口をつぐんだ。


翌日、昼休み、想太は朱里を屋上に呼び出した。

「会長、ひどいじゃないですか!御法川の記憶消しましたね!」

「御法川さんと話したんだね…あれほど接触するなって言ったのに…でも…うん、それは…ごめん」

素直に謝られるとは思わず、拳の振り下ろし先が見つからず、想太は思わず空を見上げた。

「謝るなら、記憶戻してくださいよ」

「いや、それはできない、かな。考えてみて?今の御法川さんが想太くんと付き合ってた記憶が戻ったとして、それはかえって彼女の重荷になるんじゃないの?」

「でも、それでも2人で向き合って」

「今の想太くんが彼女にできることはなに?」

「御法川を励ましたり、応援することはできます」

「そうだね、それは嬉しいかもね…でも、想太くんはそれだけで満足できる?メッセージに返信が来なくて、ヤキモキしたり、御法川そんの声が聞きたくなったりしない?」

「そんなの、なるに決まってるじゃないですか!」

「うん、そうだよね…それから、会いたくなる…でも、会うことはできない。そんな時、想太くんは我慢できる?」

「我慢、、できます」

「本当に?」

「本当です」

真っ直ぐ朱里の眼を見つめる想太に、朱里は申し訳なさそうに、でも優しく微笑んだ。

「御法川さんは幸せだね。こんな風に好きになってもらえて…でもね、きっと今は想太くんの気持ちに応えられないことが御法川さんをきっと苦しめる…だから、告白前、付き合う前の状態にしたの。2人は好きあってる、でも付き合ってはない…きっと今はそんな状態の方がお互いにとっていいのよ」

「なんの権利が合って、人の恋愛に口出しするんだよ!」

想太が思わず激昂すると、

「うん、私にはなんの権利もない!ほんとだったら、想太くんの好きに恋愛させてあげたい!でもね、不幸になると分かってて、それは見過ごせないの!」

朱里も感情を昂らせて答える。

「不幸…か…」

「ええ、不幸、よ…きっと全てが終われば分かる日が来るの…それもきっと、そう遠くない未来に…だから、今は辛抱して、御法川さんのこと影から応援してあげてね」

朱里が優しく想太の頭を撫でると、俯いた想太の眼からポロリと涙が落ちる。

朱里はそれを見ないふりをして、しばらく頭を撫でていたのだった。

「子供じゃないですよ…」

「いいの…私の大好きな人も、よくこうして頭を撫でてくれたんだ…私、それがとっても好きだった」

少し遠い眼をした朱里の瞳も少し潤んでいるようだった。


放課後、生徒会室に集まると報告会が行われた。

まずはヒカリがテレビに御法川のSNSのダッシュボード(つまりは管理画面みたいなもの)のグラフを映す。

「直近3日間つまりは私が担当するようになってから、順調にフォロワー数、閲覧数ともに増えてまーす。フォロワー数は30万人、閲覧数はもう少しで1億に届きそう♡ただ、ここにきて、おそらく事務所の中の人だと思うんですが、以前の投稿動画を削除しちゃってて、もしかしたら今後の伸びに影響があるかも?もったいないよね、せっかく上げたのに」

「なんで動画を削除したのかな?」

朱里が首を傾げると、想太が答える。

「最初の方はちょっと素人くさい投稿が多かったからかもしれないですね。俺が手伝う前とか、結構友だちとはしゃいでるだけの踊ってみた系とかも投稿してましたから」

「あー、それはちょっと痛い系かも…でも、みのりんだったら可愛いからなんでも許されるような?」

とヒカリ。

「でも、これから売り出すイメージとそぐわないとかはあるかもしれない。多分、事務所は演技派美少女女優として売り出したいと思ってるんじゃないかな?」

と朱里が腕を組む。

「どちらにしてもフォロワーは一気に増えましたね。年齢層的には10代20代に限らず40代まで男女問わず人気みたいです」

「40代も?マジで?」

想太が目を丸くすると、ヒカリが当然とばかりに頷く。

「だって、売れたキッカケのどストライク世代じゃないっすか」

「たしかに…」

「その中に何か怪しいアカウントはあった?里菜ちゃん?」

朱里が里菜の方を振り向くと、バトンタッチで里菜がスマホの画面をテレビに映し出す。

「これが結構大変で…一応、コメント、DMに全部目を通していってるんですが、コメントだけでも一万件以上、DMも昨日だけでも千件くらいあって、ちょっと見切れないというか…ほとんどは可愛い♡とか、好き、とか他愛もない内容なんですけど…」

「なるほど…少し甘く見てたわね…」

朱里は少し考え込むと、首を何度も縦に振り、

「そうね、ここは解析アプリをかませましょう…里菜ちゃん、このアプリインストールして…それからアカウント連携してみてもらえるかしら?」

言われたとおりに里菜が操作すると、画面の中にアカウントリストが一覧表示される。

「これは?」

里菜が小首を傾げる。

「一応AIがフィルタリングしたものよ。強烈にポジティブな感情やネガティブな投稿をしたユーザーアカウントを一覧にしてるわ。まぁ、要注意リストにはなってるんだけど、ここから里菜ちゃんはそれぞれの投稿やDMを見てってストーカーになりそうかどうかモニタリングしてほしいの」

「私にできるかな…?」

「大丈夫、毎日チェックしてたら、ストーカーの論理みたいなのも分かってくると思うわ。注目すべきは急激な言動の変化と粘質的な執着ね」

「そんな論理分かりたくないような…でも、やってみます」

「ありがとう、私はそこから要注意人物に検索かけてみるわ」

言う朱里に、想太はおそるおそる

「それって非合法的なやつなんじゃ…」

と問いかけるが、

「私、この国の法律下にないし」

ととりつく島もない。

たしかにその通りではあるのだが、、

「それに、あなたたちより未来の私の方がずっとモラルもコモンセンスもあると思うのよね。少なくとも私たちの時代には男女平等なんて言葉は当たり前すぎて死語になってるくらいにはね」

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