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天之川想太(16)高二。本作の主人公?少なくとも中心人物。ヲタクでありおしゃべり。
御法川愛(16)高二。想太の恋人だったが、突然有名になり、二人は微妙な関係に。
四乃森朱里(17)高三。生徒会長。実は想太の恋を邪魔するために来た未来人。
槍ヶ岳ヒカリ(15)高一。インフルエンサーとしてフォロワー獲得に執念を燃やす。
小山内里菜(16)高二。イラスト絵師として、かなりの収入を既に得ている。
多賀康朗(17)高二。通称ガロ。想太の悪友。
「さて、話を戻してここにいるみんなには私のミッションに協力してもらいます」
四乃森朱里は3人の顔を見渡し、厳かに告げる。
「異論は認めません。なぜなら、それを果たさないとあなたたちにとって不利益な未来が確定するからです。信じるか信じないかはあなたたち次第だけど…」
四乃森朱里がチラッと想太の方を見る。想太が頷くと、
「これからこの学校で、事件が起こります。そう、御法川愛さんを巡る事件…それは回避することは難しいの…でも、最悪の事態を避けることはできるから、そのためにみんなの力を貸して欲しいの」
「一体何が起こるんですか?」
「このままだと、御法川愛さんはストーカーに付きまとわれて、殺されるわ」
四乃森朱里が告げると、一同シンと静まり返る。
想太は想像した以上の深刻な内容に震えながら、声を絞り出す。
「そんな、馬鹿な…でも、だったら…犯人は分かってるんですよね?そいつを監視していればいいってことですか?」
すると、朱里は首を振って答える。
「残念ながら、犯人は不確定なのよ…事象自体は確定的でも、誰がそれに関与することになるのかは不確定なことって多いの。今回のことも、誰がそれを実行するのかは【ゆらぎ】の中にあるの。だから、私たちはみんなで、御法川さんのことを見守りながら、誰がストーカーになって、犯行に及ぶのかを見極めなければならないの」
「なんで会長が御法川さんのことを守ろうとするんですか?」
小山内里菜が質問をすると、朱里は首を振りながら、少し寂しそうに答える。
「それは、未来の私にとって意味あることだから、としか言えないわ。でもそれは私にとっても、とても大切なことなの…」
「御法川に危険が及ぶなら、俺はなんだってやりますよ」
「私もみのりん推しだから、協力します。それに色々面白そうだし」
ヒカリは明るく答える。
「ありがと、ヒカリちゃん。あなたには引き続きSNSアカウントの運用をお願いするわ。で、小山内さん、あなたには御法川さんのフォロワーの動きを監視して欲しいの。フォロワーで怪しい言動をしている人はいないか、いたらピックアップして、架空のアカウントでフォローしてその人の呟きを記録して欲しいの。あと、DMチェックも。あ、あなたにも御法川さんのアカウントの情報教えるから」
個人情報保護法はこの際、無視なようである。
「えっと、俺は?」
「想太君は、とりあえず何もしないで。あなたに動かれると色々面倒だから。くれぐれも御法川さんに接触しないようにしてね?今は不確定要素を増やして、ストーカーを刺激したくないの」
「俺は蚊帳の外ですか?」
「そうね、ほんとだったら、この件に関わらせたくないってのが本音かな…でも、想太くん言っても聞かないだろうし…でもね、これから怪しい人物が色々出てくると思うけど、突っ走って何かしようと思わないで?もし仮にその人物の行動を変えたとしても、必ず別の誰かがストーカーとして犯行に及ぶことになるから」
「じゃあ、ほっとけって言うんですか?」
「そうね、あなたは何かあった時に動けるようにしていてくれたら助かるかな」
不満そうな想太を置いて、話は決まったようであった。
名ばかりの生徒会は初仕事として『御法川愛ストーカー対策本部』となったのだった。




