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天之川想太(16)高二。本作の主人公?少なくとも中心人物。ヲタクでありおしゃべり。

御法川愛(16)高二。想太の恋人だったが、突然有名になり、二人は微妙な関係に。

四乃森朱里(17)高三。生徒会長。実は想太の恋を邪魔するために来た未来人。

槍ヶ岳ヒカリ(15)高一。インフルエンサーとしてフォロワー獲得に執念を燃やす。

小山内里菜(16)高二。イラスト絵師として、かなりの収入を既に得ている。

多賀康朗(17)高二。通称ガロ。想太の悪友。

「ところで、生徒会にスカウトしてきて欲しい子がいるの。2年の小山内里菜という子なんだけど…」

「あ、もしかして中庭で目が合った子ですか?スケッチブック持ってた(あの巨乳の子)…」

想太が思い浮かべていると、

「正解、だけど、なんかイヤらしい感じがするなぁ…なんか性的な目で見てない?」

「いや、まさか…はは」

「まぁ、いいわ…ちょっと行ってきてくれない?どうも彼女、最近イラスト投稿サイトにもそれらしい投稿をしてるらしくって」

「それらしいって?」

「いいから行ってきて!」


想太は団体行動が苦手でぼっちな性格だったので放課後よく図書室で本を読んだり、試験勉強をしたりしていたから、小山内里菜がよく図書室で熱心にスケッチブックに何かを書き込んでいる姿を見かけていた。

「何を書いているの?」

一度聞いたことがあるが、その時彼女は恥ずかしそうにスケッチブックを閉じてしまい、一言「ごめんなさい」と去っていってしまった。

今回は二の轍を踏んではならない。


果たして彼女は窓際の中庭が見える席でスケッチブックに何かを書いていた。

時折何かを思い出すように宙を見ると、再び視線を落とし凄まじいスピードで描写をしていく。

背後から覗き込むようにして見ると、それはアニメや漫画などの設定画のように見える。

「へー、すごいなぁ」

想太が思わず声を出してしまうと、小山内里菜はビクッとして、固まってしまう。

「あ、ゴメン。俺、天之河想太。実は生徒会長から伝言預かっててさ、ちょっといいかな?」

「あ、天之河くん…」

驚いたように見開かれた瞳は、猫の目のように愛らしく吸い込まれてしまいそうだ。紅潮した頬は柔らかそうでだれでも触りたくなるに違いない。でも男子ならやはり制服の上からでも分かるほど大きくたわわな膨らみに視線は釘付けになるだろう。

「ここじゃなんだから、ちょっと廊下に…」

小声で囁くと、小山内里菜はピクンとして耳を紅潮させたが頷いてくれた。

「いきなり声かけてごめんね。実は生徒会長が小山内さんに用があるらしくて、呼んできてくれって頼まれてるんだ」

「天之河くん、この間…えっと…」

「あー、えっと、たぶん、その話、かな…」

2人がモジモジしていると、通りがかったガロが、

「いや、好き会ってるのに気持ち告げられないカップルですか!」

となんともバツの悪いツッコミを入れてくる。

「うるせー、お前は黙ってろ。小山内さん、とにかく生徒会室に行こう!」

2人は追い立てられるようにその場を去るが、後ろから追いかけるようにガロの声が…

「なんだよ、想太、お前可愛い子ばっかり…ズルいぞ…」


生徒会室では、四乃森朱里が待ちわびたと言わんばかりに腕を組んで座っていた。

「はじめまして、小山内里菜さん、いきなりだけど、あなた見たわよね?」

いきなりの尋問モードに小山内里菜は身体を小さくしてビクビクしている。

「会長、ちょっといきなり過ぎませんか?」

想太が口を挟むと、

「あー、そういう気遣いは無用よ。話とスカートは短い方がいいって言うでしょ?」

コンプラ無視の発言をしながら、

「もう一度聞くわ、小山内里奈さん、あなた中庭での出来事一部始終見たでしょ?そしてそれがあなたの創作意識を刺激して、妄想が止まらなくなってるのよね?」

小山内里奈に掴みかからんばかりに、にじり寄っている。

「会長、近い近い、そしてセクハラっぽい言い方やめましょうよ」

「想太くん、あなたさっきから五月蝿いわね、コンプラ委員か!PTAか!いい?忖度してたら人生窮屈で碌な大人になんないわよ!」

「いや、俺だってどっちかっていうと人からルール押し付けられるのも忖度も嫌いだけど、会長見てるとバランス取りたくなるっていうか…ツッコミどころ満載で」

「ツッコミも大概にしなさいよね、ツッコミばかりじゃ自分の意見ないって思われるわよ」

いつのまにか想太が怒られている…

「もう、想太くんが要らないツッコミ入れるから話が進まないじゃない」

再び小山内里奈に詰め寄って、スマホを見せる。

「このイラスト、あなたが書いたんでしょ?」

画面には有名イラストサイトに投稿された近未来ドローンのイラストが映っている。

「見たのよね、そして妄想が膨らんでこうなったのよね?」

次のイラストは、ドローンに乗った学生が、屋上から飛び降りようとしている女子学生に向かって手を伸ばしてるシーンが。

「ラ○ュタ!」

想太は思わず声を出してしまう。パロディかもしれないが、そこに書かれた絵は自分のテイストでしっかりオリジナリティがあるように見える。

「小山内さん、絵が上手いんだね…ううん、上手いだけじゃない、ちゃんと構図から意図が透けて見えるっていうか…これは、飛び降りようとしてる少女を助けようとしてるところ?」

想太が訊ねると、恥ずかしそうに小さく頷く。

それを見た生徒会長は舌打ちをしながら小声で、

「チッ…ほんと、そういうところが…スケコマシなのよね…」

苛立つように言い捨てる。

「問題は小山内さんの絵の素晴らしさではないの。小山内さんが私のドローンをこんなふうに書いて投稿して、閲覧数増えてるのが問題なの!わかる?不特定多数の人たちが未来のドローンの形を見てしまっているの。まぁ、結局人の想像するものは収束していくものだから、さほど影響は出ないんだけど、これから第三者がインスピレーション得ちゃったりしたらちょっと実用化が早まっちゃったりするかもしれないから」

「実用化が早まるのはいいことなんじゃ?」

「分かってないなぁ、想太くん。進歩が早いことがいいこととは限らないんだよ?知ってる?古代文明が滅びたのは進歩のスピードに人間がついていけなかったからなんだから」

「そうなんですか?」

小山内里菜が急に目を輝かせて話に入ってくる。どうやら漫画家志望として、そういう話は好きらしい。もちろん、想太も大好物である。

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