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57 ダルトン邸を制圧する

用心棒達は外国語を話しているのもいて、ただの用心棒ではないようだ。

「幾人かは生け捕りにしろ!」

アッシュフォードが叫ぶ。生きてさえいればいい、ということだが殺す方が簡単で、リスクも少ない。

寄せ集めの用心棒達は血の海の中に横たわって動かないが、用心棒の一群の中でも動きに統率の取れている者がいる。


カンッ!!

アルチュールが剣を振り上げ相手の剣を(はじ)き飛ばしたと思ったが、敵もそうはさせじと一歩後退してアルチュールの剣を流す。

そこを騎士が斬りかかり血が飛び散る。精鋭の騎士をもってしても容易に討ち取ることができない。


ダルトン子爵の拘束を終えた騎士達も交じり、優勢ではあるが決着に時間がかかっている。

外は日が昇り、街を照らしている。

すぐにダルトン邸の異常は、街の人々に知られることになる。それまでに制圧を終えないと人が集まって来る。


アッシュフォードが突き刺した剣で、最後の一人が倒れ込んだ。

「生かしておくには腕がたちすぎたな」

肩で息を吐きながらアッシュフォードが倒れた敵の(まぶた)をなでて目を閉ざさせる。

どこの国の騎士かはわからないが、命をかけて指令を(まっと)うした。

「後で、丁寧に(ほうむ)ってやれ」

「はい」

最後まで抵抗した3人の用心棒に扮した他国の騎士を横に寄せ、アッシュフォードを先頭にして騎士達とアルチュールは地下の扉を開けた。


中は隠し通路から潜入した部隊がすでに制圧を終えていた。

扉の中の紙幣製造の作業を見張る番人達を捕縛するのは、騎士達にとって容易であり時間がかかることもなかった。

エルフレッドを中心にして、印刷された偽造紙幣や印刷機を押収していた。


「いたぞ、こっちだ」

地下室の奥から騎士の声が聞こえ、攫われて偽造紙幣を作らされていた平民達を発見したらしい。

身体が弱っている者が多く、極悪な労働であったのが(うかが)えた。


「僕達が出発した後に、後発隊が罪人を運ぶ馬車と補給物資を持ってこちらに向かっているはずです」

アルチュールがユークリッドに到着時間の予想を伝える。

「わかった、それまでに囚われていた人達の保護と、罪人の監視、証拠品の没収と手分けしてあたろう」


学者であるユークリッドは印刷機や偽造紙幣に興味を示し、嬉々として証拠品の確認をしていた。


反対にアルチュールは、血やカビの臭いがつくのを嫌って、地下室から早々に引き上げて、ダルトン子爵邸の使用人達を尋問していた。

全員が何も知らない、ということはありえないからだ。


廊下のコンソールの壁に鏡が飾られていて、アルチュールは足を止めて自分の顔を映す。

髪は乱れ、衣服には血がとんでいる。

「ひどい格好だ。 宰相補佐官ってのは事務官なんだけどな」

そう言いながらも、初めての実戦で高揚感に包まれていた。



読んでくださり、ありがとうございました。

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