表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/56

23 ナーディアの思惑

イースデン公爵邸では、公爵が夫人と娘に婚約解消を説明していた。


母と娘は手を取り合って、慰謝料と納税免除の話になると歓声をあげている。

「私に見せびらかすように、恋人を取っ替え引っ替えして連れてくるの」

今まで言えなかった、とナーディアが(いきどお)ったあまりに涙がこぼれる。


公爵は密かに調べさせていたので報告を聞いていたが、娘が泣きながら言うと響きがちがう。

「悪かった」

公爵家の娘としての責務だと、ナーディアに押し付けたのは自分だと公爵も分かっている。

王太子への怒りのあまりナーディアは涙が出たのだが、公爵は娘が辛い思い出で泣いていると思ったらしい。


「お父様、お願いがあるのです。少しの間でいいので王都を離れていいでしょうか?

海の街でしばらく過ごしたいの」

ナーディアはチャンスとばかりに、婚約期間で傷を負った娘を演じる。

河原で砕け散った石は、長い年月で河原に埋もれたが、河の流れで海に流された破片もあるはずだと思っている。それを探しに行きたいのだ。


公爵が難色を示していると、ロザンヌが援護する。

「ナーディアと私が先に行ってますから、公爵はお仕事のきりがついたらいらして。

気分転換も必要ですわ」

「そうだな、2~3日なら仕事を調整できるだろう。領地でない地方に行くのもいいだろう」


二日後にナーディアとロザンヌが港の街に1週間の予定で行くことになった。

公爵はナーディア達が出発してから二日後に追いかけて行き、一緒に帰ってくることになった。


だが、ナーディアは港に行く前にしたいことがあった。

ダルトン子爵。

テトを()き殺した人間である。

貴族という地位で平民をいたぶるなら、その貴族という地位を奪ってやる。

貴族で無くなれば、復讐は多くの者がするだろう。

すでに手は打ってある。


王太子宛にダルトン子爵の名で献上品を送ってあるのだ。

王太子バーミリオンは剣を集めるのが趣味である。

それは、河原に通うようになって偶然見つけたものだった。

ずいぶん前に王家の宝物室から行方不明になった宝剣。

刀は錆び、宝飾類は輝きを無くしている。

だが、その柄には触れば皮膚がただれる薬を、塗ってある。

きっと王太子本人が確認に来る。

従来の王太子は優秀である。女性関係以外は。


そして、ダルトン子爵邸で手の者が隠した大量の毒を発見するだろう。

それを、どうとられるのは王太子次第だ。


読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ