101 王都の暴徒
王都の一角で火があがった。
王家への不満が爆発したのだ。
だが、竜神が選んだ新しい王への期待する人々が、暴走する人々を抑えていた。
「お嬢様、街で火があがり、一部の暴徒が暴れているようです!」
護衛の騎士が慌ただしくノックをして、部屋に声をかけてきた。
アルチュールが立ちあがり、扉を開けると騎士に状況を確認する。
「ナーディア、夫人と一緒にいた方がいい」
ナーディアに手を差し出し、公爵夫人の部屋までエスコートしようとするアルチュール。このまま騎士達に交じってイースデン公爵家を守るつもりでいるのだろう。
「アルチュール、貴方は王宮に戻って街の様子を知らせて」
ナーディアが僅かだが首を横に振って、アルチュールのエスコートを断る。
「僕はナーディアを守る為に来たんだ」
アルチュールの腕に、ナーディアは腕を絡ませて、頬にキスをした。
自分からキスをしたくせに、真っ赤になってナーディアは言う。
「いつもアルチュールが来てくれるから、今度は私が行くわ。
ここは多くの警護の騎士がいるから大丈夫。
だから、アルチュールが見た王都の様子を伝える為に王宮に戻って」
「ああ、軍の出動を申請して、必ず守るから」
アルチュールはそっとナーディアを抱きしめると、踵を返した。
アルチュールが出て行くと、ナーディアは母親の部屋に向かう。
父も兄も王宮に登城している今、母親を守るのは自分しかいないのだ。
騎士達には二人一組で屋敷の巡回を指示をする。
アルチュールは王宮に戻る前に、火の手が上がっている場所の確認をする。
抑圧された人々の暴動は、懸念していたことの一つである。王都の喧噪に紛れて、略奪をする輩もいるのだろう。
王宮で王都の火の確認はできているだろうが、主要人物達は会議中である。
まずは王都の鎮圧をする為にと、アルチュールは馬を駆りながら算段をする。
内乱は免れたが、新しい時代に向かうために膿はでるのだろう。
王宮に着くと、アルチュールは会議をしている部屋に向かい、扉を強くたたき声を荒げる。
「街に火災が発生!暴徒が暴れています!軍の出動をお願いします」
扉の外に控えていたエルフレッドが、アルチュールを通すように扉を開けると。中から司令官が飛びだしていった。司令官の後ろを、控えていた騎士達が続く。
「暴徒には手加減無用だ」
司令官の後ろ姿にユークリッドが叫ぶ。
「よく知らせてくれた」
ユークリッドの労いの言葉に、アルチュールは頭を下げる。
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