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海鼠と海牛

なんやかんやあったが、俺は無事転生を果たした。

転生、というかは謎だが何やらこれまでの記憶が流れ込んできた。

まず魔王の侵略についてだが、現在は山梨県を中心に争いが起こっているらしい。とは言ってもあまり明確な情報は掴めなかった。

それからこの体についてだが、ついこの間までこの体は違う人間の意識化にあったようだ。

どうやら俺は”山吹遥斗(やまぶきはると)”という名前の不登校児となってしまっていたようだ。

まぁ、そこら辺はどうとでもなるが俺はある一つの問題を抱えていた。

それはサティスに言われた仲間のことである。

そもそも与えられた情報は同じ転生者で二人いる、ということだけだ。

これじゃ探すもクソも無い気がする。っていうかあれがあるじゃないか!神界と連絡が取れるって渡されたあの指輪!あれを使って詳しく話を聞かなくては…。

――連絡中

「はい、サティスです。」

「なぁ、サティス。俺の他に転生している人間がいるってさっき言ったよな?その転生者たちは一体どこにいるんだ?それから身体的特徴や性格なんかも教えてもらえると助かるんだが。」

「あぁ、あなたの今の体が通っている高校に2人ともいますよ。1人は穏やかな性格で、黒い髪と青い目を持っている方です。性別は男性ですね。そして2人目は負けん気が強く、綺麗な金髪と赤い目を持っている方です。性別は女性ですね。と、だいたいこんな感じですがなにかわからなかったところはありませんか?また掛けられてもたまったもんじゃありませんからね。」

「あぁ、十分だ。」

「それではがんばってくださいね。」

ーーーーーープツッーーーーーーー

…なにやらいつもより声音が低かった気がするが気のせいだろう。

それよりも所在と身体的な特徴が分かったな。これでようやく探すことができる。しかも転生者は2人とも俺と同じ学校に通っていると言うではないか。

今日はまだ日曜日だが明日になれば皆学校にやってくるだろう。

ならばすることは1つである明日へ向けての準備だ。今の俺は爪や髪が長く、あまり手入れされていないことが目に見えて分かる。

なのでまずは爪を切り、近所の理容店にでも行くとするか。

――数分後

「あら、ハルちゃんどこか行くの?お金は足りる?」

俺が玄関から外に行こうとすると後ろから声を掛けられた。

どうやらこの体の母らしい。俺は少し喋っていくことにする。

「あぁ、母さん。少し髪を切りに行こうかと思って。」

「良いわねぇ、最近切ってなかったものね。」

そんな当たり障りのない会話の中で俺から母に1つ伝えなければならないことを伝えた。

「それから母さん、俺明日から学校行くことにするよ。あんまり母さんたちに迷惑は掛けられないからね。」

「そう、分かったわ。でも、あんまり無理しちゃだめだからね!」

「分かってるよ!っと、もう時間だから行くね」

「事故には気をつけるのよ。」

「もちろん、行ってきます!」

「行ってらっしゃい。」

そう言って俺は理髪店へ歩を進めるのであった。

――次の日

「本当に大丈夫ね??」

「大丈夫だって。」

「なら良いんだけど、何か困ったことがあったら私に言ってね。絶対なんとかするから。」

「分かったよ。行ってきます」

そう言って俺は学校に向けて進み始めた。

――20分後

…地味に遠いな。まぁそんなことよりも他の転生者探しの事だけど学年とか聞いてないからな。とはいえ、黒髪青目と金髪赤目なんだからすぐに見つかると思うがな。

…取り敢えず荷物置いてこよう。ここで突っ立ってても邪魔になるだけだしな。

――――――――――――――

ここが教室か、思ったよりも大きいんだな。人数は30人弱といったところか。

だがまぁこの程度の規模ならすぐに見つかるだろう。

クラスだって3つ程度なのだろう。

「さーてと、早速探すとしますか!」と一人言ちたら一瞬周囲がざわついた気がするがきっと気のせいだ。

取り敢えず3つのクラスをすべて回ってみることにする。と、言いたいところだがもうすぐHRの時間だから探すのは次の休み時間だな。

てなわけで休み時間に入ったわだが、早速一人見つけることができた。それは例の金髪赤目の負けん気が強い女の子のことだ。

なにやら他の生徒と口論になっているところを目撃してしまった。

別人の可能性も無いことは無いが、1つの学校にここまで特徴的なやつが揃うことなんて俺は無いと思う。

とりあえず口論が終わるのを待つことにする。

が、これがなかなか終わらない。…俺は口論かと思ってたけど実はこれって…

「ディベート??」

いや、それはない…とは言い切れないがわざわざ休み時間にするとは思えない。しかもディベートにしては議題がマニアックすぎるのだ。

今彼女たちは”ナマコの磯”と”ウミウシの浜”について口論(?)をしているのだ。それも碌な情報を持ってこずに、だ。

これをディベートと言って良いものか。ていうかもうすぐ授業始まるんだが…

大丈夫そうか?

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