表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/16

9.ギルド


 スタスタ

 

 やることは、まず、受付で新規登録。

 薬草採取の簡単なクエストを受ける。

 外に出る。


 これだけ。


 要はギルドって、日本でいう、歩合制の日雇いバイト斡旋所みたいなもんだな。オッケーオッケー完全に把握した。余裕余裕。そう自分の知ってる理解に当てはめて安心であることを自分に言い聞かせる。弱いなりの工夫である。

 


「こんにちは。ランクは何ですか?初級なら組みませんか」


 …………!?!?


 もしかしなくてもオレに話してる?ダメだ。聞こえなかった設定で無視するには距離が近い。というか、これは伝説のパーティ勧誘……!?ネトゲでは無かったのに。


 ハッ、そうか今俺は女アバター(?)だから。くそ、今のオレなかなかかわいいからな。出会い厨か?いやこの人も女だし……(混乱)

 


「あの……!初級なら組みませんか」

 

「ハッ。あ、ああ。まだアレです、登録してなくて」


「おお……これから登録なんですね。私も最近始めたぼかりで。ではまた近いうちに!(ニコッ)」


「あ、はい!」

 


 ホッコリ。笑顔が優しいおねーさん。いやー、他人と話すの久しぶりだ。話せた。リアは妹だし、女神は超越してるし、ちゃんと他人と話すのは学校ぶりか。


 さて。

 

 

「新規の登録お願いします」


「はい、新規ですね」


 

 手続き中……。


 

「登録完了しました。初級のEランクから始まります。クエストはそこの掲示板か、スマホのアプリからも受けられますよ。モンスターに気をつけて、無理なく、がんばってくださいね」


「はい、ありがとうございます」


 

 よし登録完了!


 う……さっきの人、掲示板見てる。もう登録終わったし、これ、誘わないと気まずいよね?どうする?


 だってさ、PTって知らない人と何話せばいいんだ?コミュ力無いオレは楽しい会話なんか出来ず、絶対無言になって気まずいし、連携取れなくてミスって怒られたり、PT人数が増えてきた暁にはハブられ始め早く抜ければいのにっていう無言の圧力をかけられる。しかも抜けた日以降、PTに入れたくないからの緩く無視されるという永遠の追い討ちがもれなく付きまとう……あばばばばば!


 ……ふぅ、つまりオレにメリットが無さすぎる。陽キャパティピでやっててくれ。PTでも何でも。今日は一人でスキルの検証もしたかったし。そもそも、クエストをアプリで受けられるんなら、もうここには用はな……


 くるっ

 

 ……!?さっきの人と目が合いそうに……!なるが、寸前オレはその視線を反射的にうまくかわす。間髪入れずに、いかにもスマホを見てます感を出し、一切あなたには気付きませんでした風に、歩きスマホで、このまま外に向かう……!


 スタスタ、ガチャ、バタン。


 よし。一息つく。しかし油断できない。よくあるイベントのパターンでは、ここで追いかけてくる可能性も高い。油断せず、まずは安全なところへダッシュで移動!


 …………。

 

 ふう、完璧……!どうだ前世で鍛えた対人回避スキル。フラグや強制イベントなんか全て回避してくれよう。クックック。


 …………でも、なんかちょっと罪悪感。ごめんよ、さっきの人。パティピにはまだ耐性がないんだ。オレと関わっても面白くないからごめんね。


 

 

 ――――そしてクエストを受けて薬草採集場。


 ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 横、約10メートルくらいのところに、先程の女性が作業している。そして両者挨拶もせずに、黙々と薬草を採っていた。


 ナニコレ……

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ