4.自宅警備の真髄
そわそわ。(アニー
るんるん。(リア
オレは久しぶりに外出して歩いていた。リアを盾にして。
「リア、オレの服変じゃないか?……なんか皆こっち見てる気がするんだけど(←引きこもりの思い込みテンプレ)」
「全然!おにーちゃんかわいいんだから。それに別に皆見てないからね」
「 そ、そう?うへへ」
容姿を褒められるのはうれしいもんだな。中身男だけど。
「で、でも陰キャオーラ溢れ出てないか?」
「出てるよ?でもそれは事実だから仕方ないでしょ(ニヤ)」
ガーン!
――――薬草採集場所。
隠キャ……事実……。
「さて、薬草はこのへんで採れるはずだよー」
「ハッ……お、おう」
ブチブチ。
「ふーん。雑草取りみたいだ」
「うん簡単簡単(草は草だしねー」
「よーしオレも!」
ブチブチ。
「(おにーちゃんが働いてる……!ブワッ 泣)」
……1時間後。
「ふぅ……疲れたよ~(汗)」
「うんうんがんばったね」
妹にヨシヨシされる。
「へへ……はっ、お、おいやめろ」
「(ちょっと早いけど、苦手意識になるといけないよね。モンスターが出る前に)……そろそろ、帰ろっか?」
ガサガサッ!
!!
「あれは、スライム!?(……なんか、でかい。思ってたんと違う。1mくらい?弱いのしか出ないって聞いてたけどほんとに弱いのか。やば……)」
「逃げ……」
「おにーちゃん隠れてて!」
「う、うん!」
ジャキッ!
あれはエーテルガン!
白いフォルムにトリガーが水晶。この世界では普通に流通している護身用の武器だ。さすがは我が妹!
……なんでオレ丸腰なんだっけ。
ドンッドンッ!
紫色をしたエーテルの塊である魔力弾が、スライムに命中する。たしか、大気中のエーテルをチャージしていたはず。
「おお……!すげー。リア、すごい!」
「フフン(おにーちゃんにほめられた!)」
……!分裂したスライムが襲ってくる!
「リア!」
「大丈夫!昨日もこんな感じだから!」
ドンッドンッ!
ドンッドンッ!
ガッ
スライムがタックルを仕掛けてくる。
「……痛っつ!」
ドンッドンッ!
…………。
ガッ
「もうちょっとだから!」
ドンッドンッ!
…………。
オレは、見慣れない妹の戦闘風景に、唖然としていた。大丈夫って?痛いって言ってるじゃん。そうか昨日のケガも……オレを、不安にさせたくなかったんだな。
ふと脳裏によぎる。
リアの言葉「自宅の警備はよろしくね!」
オレは、任せろ!って言ったっけ。
そう、任せろ……?
……自宅の住人を妹を守れなくて、何が、自宅警備員なんだ?
はっ、リアの背後から……!
くそーーー!(木の棒を拾う
「オレの妹にぃぃ……!」
「……っだあああああばばばば」←うまい言葉が思い付かない
ジャンプ斬り!
「おにいちゃん!?」
ボヨンッ!
どうやら、このスライムに木の棒はきかないらしい。ばかな……かの有名なRPGでは……。
ボキッ!
折れた。
折れた木の棒が跳ね返って、勢いよくオレの頭に……
ガツンッ!
「おにいちゃんーー!」