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2.順調なる自宅警備


 ――――転生から16年後(現在)


 【アニー・ストーンヘンジ  16歳】

 

 カチカチカチ、カチ(マウス音) 


 そうしてオレは、物心ついた時に転生したことを思い出して今に至る。女神との意思疎通不足だった大失態のために当初期待した能力は無く、無事、前世と同じ道(引きこもり・ニート・コミュ障)をたどっていたのだった。


 ただし、今度は女の子として……。


 ふ……女神との交渉?にもコミュ力が必要だったとはね。もう昔のことだけど。ところでこの世界では、14歳にもなると簡単な仕事クエストをこなす人もいるらしい。もちろんオレも、()()警備の仕事を受託している。今やっているのは、ネトゲのダンジョンパトロール業務……。


 カチカチ、カチ。

 

「よし」


 

 しかし、異世界でもネトゲやエロゲがあってよかった。便利なことに、魔力を使ったエーテルパソコンに、エーテルファイバー回線。仕組みは違うけど、この文明様様。無事引きこもれる〜。


 

「クッククク……ウヘヘ……ヘ」


「お()()ちゃん、入るよー」


 ガチャッ!


「ビクゥッ!! リア……! だー、だから、ノックをだな(エロゲしてる時もあるんだよー!)」


「あ、ごめんね。エロゲしてる時もあるもんねー(汗)」


 

 バレてるー!ガーン。


 

 【リア・ストーンヘンジ 14歳】妹である。

 前世事情は子供の頃に話してあり、出来れば兄と扱うように頼んである。何故かというと、オレを女と思われると、生活上、色々と耐え難き問題があったからだ。リアにとっては半信半疑だろうけど、一応の理解をしてくれてるのはありがたい。頭が良い自慢の妹だ。


 

「コホン。んで、何?ごはん?」


「んー、ちょっと話いいかな?」


「あー、ちょっと待って。今ダンジョンなんだけど……今ここPT推奨ダンジョンで、ソロで、 ソ ロ でやってるからさ。ちょっと待ってて。……ふふまあ、オレにかかればソロで余裕なんだけど?グフフ」

 

「(うわぁいつも通り自尊心足りなそう)。へー、すごいね(棒読み)。パーティ推奨なのにソロなの?」


「グハァ!……オ、オレはソロが好きなんだ……(早口)そうソロは好き。まあたしかに、ソロにも限界があってだがそれをソロで乗り越えることがカッコイイのであって、そりゃ確かにパーティでしかいけないところもあって。まあたしかに、パーティに声かけらんないのを言い訳にソロしてるところもまあ確かにあって(ブツブツ)……まあ、たしかにとりあえずクソみたいなやつだからさぁ、オレ……」ドヨーン


 

「(めんどくせー!話進まないし!)。おにいちゃん!めんどくさ!じゃなくて、もう話進めるんだけど」


「うう、本音が出てるぞ妹よ」 ガビーン

 

「実は、お金が無いの」


「え? 何その分かりやすい働くフラグ」


「今二人で住んでるでしょ?家賃は無いから楽だけど、」

 

 そう、幸いうちはおとーさまの甲斐性様様で、妹の大学入学時に、二人暮らしの部屋を買ってくれた。

 

 無職フリーターのオレはというと、じゃなくて自宅警備のオレは、ここで甘えて、じゃなくて、自宅警備の仕事をしている……。ドヨーン


 

「……で、生活費がね、親からの仕送りだけじゃちょっと足りなくて。ほら、うち、娯楽費も多いしさ、ね?(チラッ)」


 

 グサッ!あひぃいい。その視線つえええ。


 

「で、ぶっちゃけ、働くか、高額なネット環境解約(ついでに全エロゲも売る)の二択なんだけど」



 そのカッコ内のついでに凶悪なパワーワードが。


 

「えぇぇ……まじで?ぇぇぇ……ぇぇぇ」


 

 ……カキーン。オレはしばし現実逃避した。


「(石化してしまった。ごめんねおにいちゃん。) 」汗


 

 ……バリーン!


 

「そうだ!名案がある!」


「お?」

 

「家を売ろう!売った金と格安アパートならまだ戦える!」


「いや、売らねーから!ジリ貧だよそれどう考えても!」


「う……待って、オレだって既に一応働いてるんだよ!?自宅警備の仕事はもう不要なのだろうか!?」


「いや、最初からそんな仕事ないから」


 

 ガーーーーーン。


 

「うく……リアのツッコミって、ちょっと流行りの辛辣みあるよね」泣


「ぐぐ……(照)。(突っ込ませるようなこと言っといて)。……とにかくこれ、一緒にバイトやってみない?」


 

 ババーン【クエスト ランクE 薬草の採集】


 

「ついにキターーむーりむりむりむりむりむりむり(半狂乱)……うわぉぁリアー、たすけてーオレを助けられるのはリアちゃんだけぇぇ……グス」泣


「(もぅ)。しかたないな、おにいちゃんは。分かった。じゃあ私が行ってくるから」ニコッ


「!」

 

「じゃあその代わり、自宅の警備?はよろしくね!」


「……うん!任せろ!リア様ありがとうーー」泣


 

 助かった!?リア、すごいな。1人で行けるんだ。



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