11.ヨシャヨシャ
少しダメージが和らいだ。この痛々しいオレにフォローしてくれたらしい。とは言え……これは気遣いという名の嘘に違いない。優しいのだけど、それが逆に情けなくて虚しくて耐えられない。
「自己紹介が遅れました。私は、ラテ・ソコトラと申します。いわゆる、ピチピチの魔法使い見習いってやつでしょうか。差し支えなければ是非是非、あなたのお名前を伺ってもよろしいですか?」
とりあえずコミュ力高っ!
【ラテ・ソコトラ 年齢16】
ふわっとした金髪に三つ編み、帽子に鞄にロッド、優しそうだけどしっかりしてそうでメンタル強そうだ。
オレは、先程の大ダメージからまだ回復しきってないまま、まだ言い訳を考えながら、とりあえず口だけ動いてた。
「あ、オ……私は、アニーです。今日はクエストで、特技はまだとくにないっていうか、今日から練習っていうか……声かけるべきか迷ってて」
急な自己紹介うまく喋れない。一人称、オレじゃなくて私が無難だよね?これ以上何かしら疑問持たれるキャパは無い。
「アニーさん!ですね。早速お聞きしたいことが」
とりあえず今日はもー帰りたい。
「…………ツカミは大丈夫でしたでしょうか?」
「は、はい?」
「私の挨拶は、キマってましたかね?つまり」
ゴソゴソ……鞄から本を取り出してそれを見せながら言う。バーン【できる!はじめてのPT 初心者完全ガイド】
「つまり、野良PT組みませんかー!?」照
シーン………………。
「あ、私のフォローのために、なんかすみません」
「そうです!こんなもの隠しておくつもりだったんですから。まったくもって恥ずかしい限りです。とにかくPTデビューなんです。いきなりツカミをアニーさんに全部持ってかれたんです」
…………。
一度死んだ後フォローされるのも虚しいと思ったけど、なんとなくそんな気は薄れていた。本を買ってるくらいだ。皆も普段見せない裏では頑張ってるのかなと思った。
「あハハ……それは、まあ、たしかに笑」
「もー、ここまで打ち解けたんです。これはもうPTですよね?PT!PT!」キラキラ
打ち解けた……のだろうか?
「…………えっと、あまり慣れてなくて、PTって何をするんですか?」
でもオレにメリットは…………。
「そうですね。一緒に行動する最大のメリットは、モンスターが出た時に連携取りやすく生存率が上がります」
それはたしかに。完璧な正論。
例えばもし一人の時に強いモンスターが出てきたら……この人もリアのように傷付くかもしれない。もちろんオレも。連携に不安あるとは言え、時と場合によっては、迷うほどの選択肢なんかあまり無いのかもしれない。それに今のオレにはジンクスもある……。生存率は、きっと上がる。
グッ
「……分かりました。ラテさん、PTお願いします!」
「やったぁぁぁ!」ヨシャヨシャヨシャ
なんかすごいガッツポーズとってるー!




