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USBと組成(※蘇生)薬  作者: あかかかかkkk
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【プロローグ】―口に薬を突っ込んで―

プロローグです。

ここから始まります。

 悪い夢を見た。

 昔の夢を見た。

「……」

 俺は起きた。四月のある朝の事である。

「妙な夢だったな」

 今日は休日だ。朝食を食べ、着替えて出かける支度を済ませる。出かけると言っても公園ぐらいだが。

「おぃ~妹ぅぉ~お前も来るか?」

「いい加減名前で呼んでくれない?……私達、双子なんだし」

「お前は俺より一日遅く生まれたんだ。よって俺の方が年上だ」

 俺は『あさひ』、妹の方は『ゆな』という。スタイルは平凡な(自分視点)兄は小心者で、行動力に至っては人と比べてかなり劣っていた。黒髪ロングの妹は運動神経抜群だが、それのデメリットかのように体が弱い。

「別に名前で呼んでくれてもいいじゃん。言うて私10分遅く生まれただけじゃん」

 ジト目を向けながらも、出かける支度をしてくれる、妹である。

「行ってきます」

「ちょ、兄ちゃん、待ってよ」

「へ~い」

 家の前で妹が出てくるのを待ってから、公園へと赴く。

「「…………」」

 二人の間に暫くの沈黙が生まれる。

「ねぇ」

 突然立ち止まる。

「……何だ」

「——もしさ、私が本当の妹じゃなかったら、どうする?」

 何を思ったか、ふとそんなことを言う。俺は怪訝そうな、不快そうな顔をしながら答えた。

「《実妹(双子)》じゃなかったら、ってことか?……考えたこと無いな。ってかいきなりどうした?大丈夫か?」

「……そう。ただ気になっただけ」

「非日常にでも憧れてるのか?」

「いや、別にそういう訳では無いけど」

「そっかぁ……」

「こうしてると実の兄とデートする妹のように見えるよね」

「いきなりどうした《第二弾》」

 マジで心配なんだが。今日の俺の妹おかしいぞ。

「気にすんな」

「そか」

「「…………」」

 またしても二人の間に沈黙が生まれた。そうこうしている内に、公園へと辿り着いた。

「そう言えば、今日は大丈夫なのか?」

「何が?」

「体調」

「まあ、大丈夫だけど、」

「あ!二人共!こっちこっちー!」

 既に公園に着いていた、10人程のグループを作っていた友達の内の女子一人がこちらに気付き、手を振りながらこちらに向かってくる。

「あぁ、待ったか?」

「うん」

「そこは『ううん、今来たところ!』だろ」

 と、あさひ。

「あさひ!それだと『いやそっちもか!』ってツッコミが発生するぜ」

 と、駆け寄ってきた男子の一人がツッコミを入れる。

「まあ、俺らそんなに早く来たわけじゃないしな」

 と、また違う男子が言った。

「そうか」

「で?何する?今日曇ってるから、雨が降りそうになるまでしかできないけど」

 グループのリーダー的存在の子が話をし始めた。

「そうだな」

「まずは、王道のオニゴとか良くね?」

「それだと普通過ぎてつまんないんじゃない?」

「じゃあ、増やし鬼とかは?」

「賛成」

「オレも」

「それでいいと思う」

 あっという間に本日の最初の遊びが決まる。

「(俺らの出番ねぇな)」

 こっそり隣に居る妹に話しかける。

(鬼ごっこか……あんまり得意じゃないなぁ)

 肝心の妹は、神妙な面持ちで何やら考え込んでいた。

「(おい)」

(まぁ、今日は別に良いかな?)

「(お~い)」

「(あ、ごめん何?)」

 ようやく気が付いた妹に不思議なものを見る目を向け、

「(どうした?何かあったか?)」

「(いや、今日の晩御飯何かなって)」

「(お前に限ってそんなことは考えない)」

「(まあ、ね)」

「(あと、考えるなら今日の昼御飯だ)」

 シリアスな雰囲気をぶち破ろうと、そんなボケを入れる。

「(そういう問題じゃないと思うね)」

「(ハハ、とにかく、『そんなことはどうでもいい』)」

「(似てるなぁ、オイ)」

「(だろ?)」

「(うん)」

「じゃあ、まず鬼は、お前、やるか?」

 一人の女子を指名する。

「あ、いいよ」

 いつの間にそこまで決まっていたようだ。

「じゃ、やるか。十秒間で、みんな逃げろ~!」

「俺らも行くか」

「うん」

 二人で頷き、どちらも違う方へと逃げて行く。

(何やらはぐらかされたのは俺の気のせいか?……いや、でもどちらかと言うと、そっちに持って行ったのは俺か)

 十秒経ち、鬼が解放される。

 ダダダッ……ザッザッザッザッ……ジャリ、タタタタタ……

 砂利を踏み締め、陽気に走り回る子供達。まずゆなが狙われた。

 タタタッ、ザリ、ダダダダダッ

「速い、すばしっこい」

 上河も速いようだが、ゆなには敵わなかった。

「ハァ、ハァ、ハァ」

 運よく狙いを他の子に変えてくれたおかげで助かった。そろそろ息が切れてきていた。

(やっぱりキツい……)

 ゆなは内心そんなことを思っていた。

 一人目が捕まり、あっという間に二人目が捕まった。

「やっぱ、固まらない方が、いいね」

「だね」

「あのさ、ゆなが速くて、捕まり、そうに、ないんだよね」

 現在鬼の女子3人衆は、ゆなに目を付けた。

「今のうちに、捕まえた方が、いいのかな」

「うん、そう……だね」

(待って、もう、来た?)

 三人が向かってくるのを察知したゆなは、必死に逃げ回ろうとする。でも、そんな体力は残っていない。とうとう捕まってしまったのだ。

「捕まえた!」

「ハァッ……ハァッ……ハアッ……無理……」

 ゆなはそんな声を上げた。

 ドサッ

 《重い音》が響いた。

「——え?」

「どうし……えぇ⁉」

「大丈夫⁉」

「あ、あさひ!急いで!こっち!」

「どうした⁉」

「ゆなが!」

 鬼ごっこの場に突然訪れた緊迫感。他の皆もただならぬ光景を目にし、ゆなの元へと集まって来る。

「——息が浅い。——脈が速い。一分に大体180程か」

 あさひが咄嗟にゆなの呼吸を見て、脈を測り、そう言った。

「おい!大丈夫か!」

 普段、あさひが滅多に上げないような声。

「ハアッ……ハアッ……ケホッ、ケホッ、ケホッ」

 呼吸が苦しそうだ。そして激しく咳込み始める。咳込む度に、顔の色が白く、青く変わってゆく。

「すみません!そこの方!」

 若干ためらいつつ、近くの大人に指を指して応援を要請する。

「あ、はい!」

「119番通報をお願いします」

「分かりました」

「お前は親を呼んでくれ。これ、携帯だ」

「分かった」

「頼むぞ」

 そういうと、あさひはゆなの方に向き直り、

「横になるのはだめだ。とりあえずベンチだ。ベンチに運ぶぞ。手伝え!」

「わかった」

 ゆなを持ち上げ、すぐ近くにあるベンチを目指す。

「オラッ」

「うわぉ」

 すると《感嘆の声》(引き気味)が上がる。

「ん、どうした?」

「ごめん。何でもない。とりあえず運ぼう」

(手伝えって言われてるけど手伝う必要あるか?)

 あさひだけで今まさに運ばれている。特に手伝う必要もなさそうだが、念のため、背中の辺りを持ち上げて、あさひの負担を軽減した。

「降ろすぞ」

「119番通報したって!」

 こっちに向かって女子一人が叫んだ。

「おう。わかった」

 とりあえず座らせてから、背もたれに寄りかからせる。

「これでさっきよりは楽なはずだ」

「ゼー……ゼー……」

「意識はあるようだが……きついか」

「応急処置は?」

 ゆなのバッグに入っていた薬を取り出す。

「吸わせた方がいいな……吸い込めるかは分からないが……」

 薬を吸わせた。しかしそこまで変化はない。

「様子見だ。ダメだったら20分後にもう一回だな……あと5分ぐらいで来るか……?」

 救急車は平均10分程で到着する。

「ゼー……ゼー……」

「待ってろ。もう少しで来る」

 そう言ったとき、心なしかゆなが首を軽く縦に振った気がした。


 その後……


 救急車が来た。サイレンを止めてゆなを搬入し始める。

「これで安心だね」

「そうなんだが、そうとも限らない」

「え?」

 翌日。

 あさひと家族は搬送先の病院へと向かった————


 そこで『(あさひ)』は夢から醒めた。ずっと昔の話だった。

「チッ」

 舌打ちする。高一になった今、時々こんな夢を見ては毎回中途半端なところで終わる。


『桜は散ったんだよ』

 

 いつ誰が言ったかは全く覚えていない。でもこの台詞が言われたという事、そしてそれ以来妹とは二度と会っていない事だけは覚えていた。

実はこれ、書き溜めなんですよ。なので異様に早いです。はは。

皆さん。どうでした?

だいぶ粗悪品かもしれませんね。

楽しんで頂けたなら幸いです。

ちなみにまだこの時点でジャンルやキーワードに関することには一ミリも触れていません。はは。

《読者による一撃》

あっ。痛っ。

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