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異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


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 お城へは飛んで行ったので、どこから入ろうか迷った末に窓も開いていたし、ノバルトの執務室のバルコニーに着地した。


着地したとたんノバルトがバルコニーに出てきた。


そう。いつも通り結界はまだ解いていません。お城の七不思議……後の6つは追々考えるとして。


「こんにちは、トウカ。今日は飛んで来たのだね。ここへ来てくれて嬉しいよ」


入って、と促され部屋へ入ってから結界を解く。


なぜわかるのだろう? と顔に出ていたみたいでクスクスと笑われた。


それから紅茶をいれるから座ってとソファーを勧められたので座って待つ。


紅茶をいれてくれたノバルトが隣に座る。……隣。


くっついていないのに彼の体温を感じてしまうのは私が意識し過ぎなのかなぁ……


「ノバルト、ありがとう。美味しい」


ノバルトが微笑む。


「トウカも上手にお茶をいれるそうだね。母上が城のメイドにも負けないくらいだと言っていたよ」


ギクッ


「そ、そうかな? ……ありがとうございますわ」


動揺し過ぎた……ございますわってなんだ。


ノバルト……肩、震えているぞ……



紅茶を飲み終わると、王妃様の執務室へ移動するというのでまた結界を張り移動する。


執務室に着くと国王様、王妃様と皆さん揃っていた。


「トーカさん、お帰りなさい」


最近王妃様は私がお城に着くとこういって迎えてくれる。


「た ただいま……です」


そして慣れない私。嬉しいんだよ!? でも照れくさくて……


「あら、慣れるまでもう少しかかりそうねぇ……やっぱりここに住んでもらった方が」


「ただいま!」


ウフフと微笑む王妃様は何でもお見通しだ。



「今日は何かお話がありそうね、トーカさん」


ソファーを勧められ皆さんも座ったところで私は陛下

に質問をする。


「陛下、こちらの国とザイダイバ王国との今の関係はどう思われますか」


「王族同士で言うならば良好。国同士で言うならば今は微妙なところだな。近頃ザイダイバ王国が閉鎖的になっている。物騒な事件も起きてしまったみたいだしな」


エリアス国王の毒殺未遂…………


「ノヴァルトが幼い頃高熱を出し、同じタイミングで魔獣化してしまった動物達が異常な数で増えた事があった。あの時は皆対応に追われ疲れきっていた」


当時を思い出しているのか少し険しい表情……


「その時ザイダイバ王国はこの国に攻めいることもできた。東のベゼドラ王国と西のレクラス王国もだ。しかしザイダイバ王国が我々に力を貸した事で他の2国は手を引いたのだ」


陛下の表情が柔らかくなった……


「当時のザイダイバの国王エリオット様の王妃エライラが私の親戚に当たるのだけれど、国同士のお話になるとそれだけでは弱いの。きっかけがあれば自国の為と簡単に侵略……戦争になるわ」


王妃様が陛下の腕にそっと手を添える。


「けれど、ザイダイバ王国はそうしなかったのだよ。あの時はザイダイバの援軍にかなり助けられた。彼らはこの縁を大切にしてくれたのだと思う。だから何かあれば必ず我々も力になろうと私達家族は決めているのだよ」


しばらく会ってはいないが受けた恩は忘れない、と少し寂しそうに陛下は言う。



当時は魔獣たちに加えて他国からの侵略の恐れもあったのか…………ザイダイバが手を貸さなければこの国はなくなっていたかもしれない………



あのトンネルのことは…………


「山にトンネルが掘られていることはご存じですか」


「あの大きな洞窟のことだね。あの洞窟は私が王になる前から発見されていてね、掘り進めてザイダイバと繋がれば移動時間の短縮になり交流の幅も広がるだろう。だから一時期は両国で協力して掘っていたらしい」



それも陛下が国王になる前の話……だけれども両国ともトンネルの存在は知っているということか。


しかし、と陛下が続ける。


「途中でどちら側の誰が言い出したのかわからないけれどこの道は戦争に使える、と。注意喚起だったのかそういう考えで言ったのか全てが曖昧なまま両国ともこの作業は一時中止とすることとなりそのまま再開されずに今に至る」


ということはトンネル堀が再開されていることはやっぱり知られていないんだ。そうでなければジェイドがあんなに苦しむはずがない。



「トウカ……トウカ、大丈夫。我々は気付いているよ」


ノバルトがそう言い、皆さんが頷く。


「そうね、もうお返事も来なくなってしまったけれどそれまでエライラが送ってくれたお手紙と彼女達の状況、両国内での不穏な動きを考えれば……全て把握出来ているわ」


王妃様……怒っているのか少しお顔が怖いです……


「俺達も必要な情報は集めているしそれぞれの情報の擦り合わせもしているからな状況は理解できている」


ノクト、オリバー…………


「万が一怪我人がたくさん出たとしても対応できるだけの薬なんかも準備しているしね」


ノシュカト…………


「我々がトーカの力をあてにして何かを頼むことはないからね。できればトーカには安全な場所にいて欲しいのだが……きいてはもらえないかな?」 


陛下…………



なるほどね。皆さん全てわかっていると。



でもね、



「すみません。私全然把握できていないし理解できていないです。できるだけ噛み砕いて説明お願いします」



………………? 皆さんキョトンとしている……なんで?



「ブッ……おまっ! トーカ!」


ノクトがお腹を抱えて笑っている。笑いすぎ。


私、わかっているなんて一言も言っていないけれど……


だんだん顔が熱くなる……


「仕方がないなぁ」


と私の頭を撫でるノシュカト。


「トーカ可愛い」


黙ってオリバー。


陛下と王妃様は微笑ましげな眼差し……いっそ思い切り笑って欲しい…………


「トウカのことだけは読めないな」


優しく微笑みながらトドメをさすノバルト。


「こちらへおいで。説明をするから。わからないときは話を止めてもいいからね」


救ってくれるのもノバルト…………


その後は皆さんが優しく優しく教えてくれて私も「把握した」と言ったらノクトにまた爆笑された……なぜ……



そしてザイダイバへは殿下三兄弟と騎士団で行くらしい。


その他に使用人達も一緒に行くけれどこちらは最少人数にしていくみたい。

それでもなかなかの人数になる。


出発は1ヶ月程先…………ようやくちゃんと確認できた。



私もとりあえずは今できることを……明日孤児院へ行ってジェイドから話をきこうと思う。



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