71
71
ゆっくりと目を開ける。
「あれ? ここどこ? わぁ! 可愛い男の子!」
子供のベッドにしては……大人でも一人で寝るには大きいベッドの上に寝ている金髪の可愛い男の子。
「リアルな……夢の中? 何だか外国みたいだし」
よく見ると男の子は苦しそう……?
「あら? あなた熱があるの?」
額に手を当てる。
「やっぱり熱いねぇ」
この広い部屋に1人か……どうせ夢だし一緒に居てあげよう。
「大丈夫だよ。良くなるから」
男の子の手をとり、大丈夫、大丈夫、と頭を撫でる。
すると男の子は眠りにつき私もいつの間にか眠っていた。
目を覚ますと夜だった。まだ夢の中なのかまた同じ夢を見ているみたい。
男の子は変わらず辛そうだから歌を歌う。
作詞作曲・お母さん の歌。
私が熱を出して寝込んだ時なんかに歌ってくれた大好きな歌。
男の子も気に入ってくれたのかこちらを見ている。
治れー治れーとまた頭を撫でながら微笑む。
かなり体力も消耗しているだろうからちゃんと眠って欲しい。
しばらく私を見ていたけれどいつの間にか男の子は眠っていた。それを見て私も瞼が重くなりまた眠ってしまった。
また夜……何か夜から抜け出せないんですけど。
男の子は変わらず1人ベッドの上。
額に触れるとまだ熱いけれど頭を撫でていると男の子が微笑んでくれた……
それがもぉ! 可愛くてっ!!
さすが王子様! 王子様? そう思ってなぜそう思ったのかわからなかった。
まぁ王子様ついでに今夜はお話を聞かせてあげよう。
王子様と言えばやはり真実の愛のキスでしょう。
女子はこの手の話、いくつになっても好きなものです。
いつか素敵な女の子に出会ったらこのロマンチックなお話が役に立つかも。
いくつかお話をして最後にこの話しをした。
将来素敵に成長して出会いもたくさんあって大切な人も出来るだろうから早く元気にならないとね。
頭を撫でながら何となくこの子はもう大丈夫そうな気がした。
また目が覚めると今度は明るかった。夜は終わったみたいだけど部屋は同じ。
でも私……浮いている? 天井辺りから部屋を見下ろしている。
扉が開き男の子が3人入ってくる。
1人はあの男の子だ。少し大きくなっている。元気になって良かった。
どうやらあとの2人は弟みたい。みんな可愛い!
それから3人は秘密の話を始めた。私の事みたい。
最初は幽霊かと……ショック……でもそうか……部屋にいきなり知らない女性は……怖いな……しかも黒髪ロング……
その後はいろいろ誉められて女神様とか言われている……照れちゃう。いや、私の夢だし私の願望だとしたら恥ずかしい……。
子供って純粋だなぁと思っていると、熱を出していたあの子が今度会ったらプロポーズしてくれるって!
そしたらあとの2人も続いて……結婚してくれるらしい。人生で一番のモテ期………夢の中で。
(わぁい! 私、モテモテだぁ! ウフフ)
いい夢だったなぁ子供達の成長、またみれるかなぁ……
※※※※※※※※※※※※
暗転して……また暗闇。
(なぜこうも思うようにいかないのか)
だれ?
(誰も信用できない)
どうし
(全て捨ててしまおうか)
あ、え? 独り言?
(それとも全て壊して初めから作り直した方がいいのだろうか)
物騒な事言っ
(それがいいのかもしれない)
良くない良くないよきっ
(価値のあるものなどここにはないのだから)
どんどん喋るね……
さっきまでと全く違う空気に戸惑う。
聞いたことのない声。誰? 問いかけてもなんの話をしているのかわからない。怒っているのか悲しいのか諦めなのかもわからない。
ただ、淡々と話し続けている……
突然、魔獣化してしまった動物達の叫び声が響いてくる。耐えられなくて耳を塞ぐけれど容赦なく耳に頭に入ってくる。
どうして…………
立っていられなくて座り込み涙でジワリと視界が歪む。
どこからかトコトコトコと三毛猫さんがやってきた。
三毛猫さん……。
三毛猫さんに意識が向くともう何も聞こえなくなった。
森の中で初めて会った時のように振り返り振り返り進む三毛猫さん。フフフッお尻が可愛い。
三毛猫さんに付いて行くと周りがどんどん明るくなっていく。
意識が浮上する感覚に私はようやく目が覚めるのだと思い目をあける。
目を開けると目の前には……三毛猫さんのお尻があった…………




