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翌日、三毛猫さんと1階に降りて客室に入りゲートになるドアをイメージする。
出ました。思ってた通りなんだけれど……何て言うか…………普通。
ゲートとかいう特別感が全くない。そうしたかったからいいんだけど。
これであとはお城にもドアを作って試してみるだけだね。
子熊さんもここを使って連れて来られる。
そういえば今日はいつ頃お城にお邪魔するか言ってなかったな。
結界を張ってお城に行って誰かいたら話しかけてみようか。こんな事もゲートが出来ればなくなる。
お昼も食べ終わって庭を少し整えて、今は3時くらいかな。クリーンをかけて着替えをする。
さて、お城に向かってみようか。
結界を張ってフワリと浮かぶ。山と森の様子も見ながら飛んで行く。
ノシュカトがお城に帰ってからキツネさん達も山に帰って行った。時々遊びに来てくれる。嬉しい。
空からキツネさん達と熊さんにも手を振ってからお城に向かう。
教会の裏には洗濯物がはためいている。雨が続いていたからかたくさん干してある。
孤児院から少し離れた所に物置小屋がありその裏に3人の人影?
何となく気になって近づいてみる。
1人は会った事がある。孤児院の1番年上の16才の男の子だ。名前は確か……ジェイド。
面倒見が良くて小さい子達からも慕われていていいお兄ちゃんって感じのコだ。
後の2人は初めてみる顔だ。なんか貴族のお屋敷で働いていそうな格好をしているけれどここで何を?
表情の硬いジェイドが気になりさらに近づいてみる。
「約束が違うじゃないですか…………っ!」
「君は私達が満足できる結果を出せなかっただろう?」
何だか嫌な話し方だ。
「だがまだ成人までには時間がある。その間にたくさん頑張ってくれればいいんだからね」
「っ!?…………こんな……」
「ジェイド――――――!! どこ――――!? 洗濯物取り込むよ――――!!」
子供達に呼ばれてジェイドはその場から離れ、後の二人も停めてあった馬車に乗り森の方へ向かって行く。
カーティス領の人なのかな? 何でジェイドと?
気にはなったけれどこれ以上ここにいても何もわからないから先に進むことにする。
今度教会に行った時ジェイドにこっそり聞いてみよう。
教会と王都の間に広がっている畑からは雨の恵みを受けこれからぐんぐん作物が育つような生命力が感じられる。
王都も人々で賑わっている。活気があってやっぱりここはいい国なのかな。他の国を知らないけれど……そうだ、地図があったら見せてもらえるか……出来れば借りられるか聞いてみよう。旅行とかしてみたい。
お城の上空に到着。
上から見ると本当に大きなお城。お庭も広いし綺麗。
あ、あの屋根から落ちたのか……生きていて良かった。
ん? 庭の一角が何だか華やか。
あれは! 王妃様のお茶会!
お茶会に参加しているのは王妃様と同年代の方々とその娘さんといったところかな。
色とりどりのドレスが綺麗。セアラが見たら喜ぶかも。
ノシュカトが行方不明になっていた事は雨が上がり捜索隊が動き出すまでは、お城の中で箝口令が敷かれていたらしくお客様方は知らないみたい。
お茶会があるならやっぱり夜に出直した方が良さそう。
でもせっかく来たから見学させてもらおう。そしてせっかくだからメイドさんになってみよう。
ふざけているように聞こえるかもしれないけれど、様子見の続きとも言える。
実際にお城で働いている人達の声を聞くチャンスだ。
……決して興味本位ではない。
と言う訳でやって参りました備品室っぽい所に。
ちょうど良さそうなサイズのメイド服を見つけて着替えてみる。
うん。なかなかいいんじゃないかな。
あとは髪と目をできるだけ明るい茶色にしてみるとだいぶ周りと馴染みそう。
いざ、王城の巣窟へ!
(言って見たかっただけです……ごめんなさい)




