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もう遅い時間だからか熊さんはいなかった。
ちゃんと子熊さんを連れて来られるまでもう少し待ってもらおう。
ノシュカトがお城に帰ってしまい少し寂しくなった家に入る。
いつも通り三毛猫さんがお出迎えしてくれる。
「ただいま三毛猫さん」
何となく気分が沈んでいる。何故だろう。
そういえばノクトとオリバーも来てくれていたけれどほとんど話さなかったな……というか今日は陛下と王妃様と話す事が目的だったかな。
お二人とも優しそうだったなぁ。
ちゃんと私がどうしたいか聞いてくれた。
お友達になってくれると言っていた。
それに、熊さんの子供も見つかった。
どうして私は今1人でいるんだろう。
ポロポロと涙がこぼれる。
私にも家族はいるのに。
今更のホームシックだ。
ノバルトの前で泣いてスッキリしたはずなのに……
三毛猫さんが寄り添ってくれる。
キツネさん達も触っていいよと言うように、モフモフの尻尾を目の前で揺らしてくる。
………………では、遠慮なく。
キツネさん達をメチャクチャに撫で回す。可愛いよぉ可愛いよぉ。
三毛猫さんも――――! ガブッ……甘咬みされちゃった。
フフフッみんなありがとう。
それからお風呂に入って髪を乾かしてからベッドへ向かう。
今日は三毛猫さんが一緒に寝てくれるらしい。可愛い。
さてと、「会いたいときどうすればいいの問題」
解決しようじゃないか。
とはいっても私が思い付いたのは、例のあの力頼みになるんだけれど……
ゲートを作ろうかと。
お城と私の家を直接繋ぐゲートを作ってしまえば場所の特定もされることはないよね。
ポストが付いてるドア型にして、鍵を掛けておく。
ポストに先触れを出して約束の日時にドアを開くようにしておく。
出入りを自由にするとお互い落ち着かないと思うし……
どうでしょう?
ポストだけにして向こうから手紙が届いたら伺える日時のお返事を出して私が飛んで行けばいいかとも思ったけれど、万が一向こうからこちらへ来るような事があってノシュカトのようにしがみつかれたら……それはそれでいい…………いや……大変だから、ドアにしちゃった方がお互いのためかなと。
私の家の方は1階に2部屋ある客室の1室にドアを設置しようと思う。ノシュカトを運び込んだ隣の部屋だ。
きっと私が呼ばれてお城に行く事が多いだろうからどこでもいいんだけど。
ドアをピンクにするとうちでも違和感があるから諦めて、その場にあっても違和感のないドアが出るようにしておこう。
設置したらお城のドアには結界を張っておいて王家とオリバー以外には見えないようにしておこうと思う。
これで大丈夫かな?
時々思う……この力がなければ街に出て普通に生活していたのかな。
いや、そしたら熊さんを救えなかったし、ノシュカトだって助ける事が出来なかっただろうな。
何も知らずに魔獣に怯えて暮らしていたかもしれない。
そもそもこの容姿が目立ってしまうから本当に人攫いにでもあっていたかもしれない。
この世界の人達も持たない力を私が使いまくっていいのかな。便利だから使うけど。
もはやこの力無しでの生活が考えられない。
……あれ? 元の世界に戻った時大丈夫かな。
何だかんだでこの世界にも馴染んで来ているし戻れたら戻れたですぐ元の世界の感覚に戻るでしょう。
どんな風だったか忘れないように日記を付けておくのもいいかもしれない。三毛猫さんを撫でながらそんな事を思ったけれど……私、三日坊主でした。
気が向いた時だけ書くくらいの気持ちでいこう。
三毛猫さん温かい。瞼が重くなってくる。
明日ゲートが出来たら三毛猫さんも皆さんに紹介したいな……
一緒に来てくれるかなぁ………




