55 ノクト オリバー
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―――― ノクト ――――
兄上の執務室での話が終わりオリバーと共に一旦仕事に戻る。
トーカがノシュカトを助けてくれた。すぐに探しに行けなくて申し訳なかったが、生きていてくれて良かった。
トーカには感謝している。
本当に何者なのだろう。最後に会った時、彼女はこことは異なる世界からきたと言っていたが……
トーカの能力と事情については俺が一番知っているらしいが、トーカが今夜どこまでを皆に話すのかわからないからこの話は彼女に任せる事にした。
それ以外の湖で出会った事と魔獣についてだけは話しておいた。魔獣の事はおそらくトーカも知りたいことがあるだろうから話すことになるはずだ。
それにしても、いつの間にか兄上とオリバーとも知り合っていたとは。
トーカの事を思い出すと頬が緩んでしまう。まさか城にまで来ていたとは。
俺が教会へ送ったトーカ宛の手紙は読んでくれただろうか。
トーカはやはり幼い頃兄上が会ったという、あの夜の女神…………俺達の秘密の花嫁なのだろうか。
しかし兄上が彼女の話をする時幼い頃からずっと女神様か彼女と言っている。女の子でも少女でもなく。
女性の年齢を考える事は失礼な事だがトーカは一体いくつなのだろう。
彼女と話をすると忘れてしまいそうになるが、あの力はやはり神の領域のもののような気がする。
しかし話をするとトーカはかなり人間らしい。
そのギャップがまたいいのだが。
ふとオリバーを見ると彼も何だか柔らかい表情をしている。
オリバーは彼女の能力の事を知らなかったようだが、一番素の彼女を知っている気がする。
オリバーと彼の愛馬グリアの大きさを怖がらないとはトーカらしい。
おそらくオリバーもトーカに惹かれはじめているのだろう。
この先どうなるかはわからないが、まずは今夜トーカの話を聞き彼女の事を知ろう。
ようやく今夜トーカに会えるのだから。
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―――― オリバー ――――
ノヴァルト殿下の執務室を出た後も俺は混乱していた。
雨が上がりそうだったのでようやくノシュカト殿下の捜索に向かえるとノクト殿下と準備を進めようとしていたところだった。
ノヴァルト殿下の執務室に入り少し話をした後ノシュカト殿下が現れた。
そしてその後の話だ。
あれは本当にあのトーカの話なのか?
あんなに華奢な彼女が一人でノシュカト殿下を助けたというのか。
不思議な力を使うと言っていたがとても信じられない話だった。
殿下は3人ともその力を目の当たりにしているようだが、陛下と王妃様はどうだろうと様子を伺う。
驚いてはいるようだがそれ以外の思いは読みとれなかった。
今夜本人が来ると言うのだから、話が進むのはそれからなのだろう。
空を飛んだり魔獣を浄化するなど…………女神なのだろうか。
だから彼女は教会へ帰って行った……?
だがノシュカト殿下は山で彼女に保護されたはずだ。
住まいを知られないように教会へ送らせたのだろうか。
胸がチクリと痛む…………いや仕方のない事だったのだろう。
丘の上で会ったとき、確かに見たこともない猫を連れていた……しかし、ピクニックをしたり話した感じは人間のようだったが……確かに今まで出会ったことのないタイプの女性だった。
そこで彼女が俺に倒れかかってきたときの事を思い出し頬がわずかに緩んでしまう。
どちらでも構わない。俺はトーカを守ると決めたのだ。
それに今夜また彼女に会える。




