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異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


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ケガ人がでます。苦手な方はご注意下さい。


            38



 ここに住むようになってから初めて来てくれたキツネさん達。


子キツネさんは転がりながらこちらに向かってくる。

可愛いけどケガしちゃうよ?


私も急いで向かいキツネさん達に両手を差し出す。

親子みんなで鼻先を私の手に近づけ匂いを嗅いでいる。

くすぐったい。


私は勝手にこれで、初めましてのご挨拶をした気になっている。

キツネさん達を撫で回しながらやっぱり冬も来るのかなぁと思った。


ひとしきりご挨拶を終えて、落ち着きを取り戻した私の服をキツネさん達が引いたり背中を押したりしてくる。

どこかへ連れて行きたいのかな。


キツネさん達をじっと見つめるとどうやら助けを求めているようだ。

魔獣を浄化するようになってから何となくだけど動物達と気持ちを伝えあえるようになった。


魔獣化したコ達の気持ちはいつも涙が出てしまうほど強烈だけど、動物達の声は気を付けなければ聴こえないほど小さい。


キツネさん達は一緒に来て欲しいらしい。


雨の日はいつもならどこかで雨宿りをしているはずのキツネさん達がずぶ濡れで必死だ。

結界を張って風魔法で乾かしてあげると毛がフワッフワになった。


後で絶対触らせて貰おう。


キツネさん達の後をフヨフヨと浮きながらついていく。

だいぶ山を下っているけど森に行くのかな?


しかし森には行かず、森から山に数キロ入ったところでキツネさん達は止まった。


そして何だか深そうな穴の周りをウロウロしながらこちらを見ている。

子キツネさんが落ちちゃったのかな?と思い中を覗く。


暗くてよく見えないけど、穴の中には木の実や果物やムカの葉まである。


穴の周りにも結界を張って小さい火の玉をいくつか出して明るくしてからゆっくり穴の中に降りていく。



血の匂いがする。



そこには…………人間がいた。


これは落とし穴だ。


底には槍や尖らせた木が突き立てられている。


ひどいケガ。


右足に槍が刺さっていて足首も折れているようだ。


頬に触ると冷えている……泥だらけでもわかるほど顔色は悪く呼吸もしているのかわからないくらい浅い。


もうすぐ……死んでしまいそう。


右足も素人の私から見ても恐らくもう…………


一体彼は何日この状態でここにいたのだろう。


とりあえずクリーンをかけてキレイにする。


ムカの葉の液を数枚分太ももと足首にかけて、風魔法を使い槍を抜く。



上を見るとキツネさん達が心配そうな様子で彼を見つめて

いる。



 彼が助けてくれたんだね……



 これなのだ。



私は人間か動物かでいうと、圧倒的に動物の味方をする。



だけど魔獣化した動物達をみて、人間にどんなに酷い目にあわされてきたのかわかっても私が闇落ちすることはない。



こういう人間もいるとわかっているから。



この人は……今死にそうだけれど、キツネさん達を助けた事を後悔はしていない。


こういう人は動物と同じくらい好きだ。


だから私も彼を助けると決めた。



「ヒール……」



この世界で人に泣かされるのは初めてだ。


キツネさん達は上から(大丈夫? ありがとう 大丈夫?)と繰り返している。


もう大丈夫だよ。 



生きていてくれて良かった。  


彼の呼吸が深くなる。


あの家には誰も来ることも連れていくこともないと思っていたけれど、仕方がない。


彼に触れてフライで一緒に浮く。


三毛猫さんを抱っこして飛んだ時に気付いた。

私が触れて一緒に飛ぶと重さも感じなくなる。


きっとトラックとかも運べる。



キツネさん達もついてきてくれるかな……チラッ


来てくれました。


どうやって彼を連れて行こうか……お姫様抱っ……いや、肩を貸そう。


彼の腕を私の肩に回してキツネさん達がついてこられるスピードで進む。


家に入ると三毛猫さんが出迎えてくれた。


私が人間を連れて来た事に驚いた様子を見せていたけど、キツネさん達と匂いを嗅ぎ合い状況を把握したみたい。


1階にある客室で休ませることにしよう。


ベッドに寝かせる前に彼の服を脱がせる。


いや…………変な意味ではなくて……クリーンでキレイにはなったけど何かこう……キッチリした格好だからリラックス出来ないかなぁと思って……


それにケガの具合とかね……そう、初めてヒールを使った。

あんな大ケガに出会うと思ってなかったから、本当は少し不安だった。


槍の刺さっていた所はキレイにふさがっているし、折れてパンパンに腫れ上がっていた足首も治っているように見える。


あとは歩いてみてもらわないとわからない……


目を覚ますまで待つしかない。



それにしても着替えがない……男性物なんてない。


明日買いに行くとして、今夜は下着1枚で寝てもらいましょう。



三毛猫さんがじっと見つめてくる…………



目をそらした先にはこちらをじっと見つめるキツネさん達…………



…………さて! キツネさん達にもクリーンをしてあげて今夜はここに寝てもらおう。

大きめなかごにフカフカのタオルを敷き詰める。


彼にも布団をかけて扉は少しだけ開けておく。


時々様子をみにこよう。


キツネさん達にも触らせて貰おう。



ひとまず今夜はゆっくりお風呂に浸かろう……




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