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ノクトと別れ、結界を張りお家のある山へ、空から向かう。
可愛い我が家に可愛い三毛猫さん。
「ただいま――!」
「ニャ――」
家に入ると三毛猫さんのお出迎え。可愛い。ありがとう。
今日もいろいろあって疲れているけど、今夜はこのマイホームで過ごす記念すべき1日目なのでちゃんとご飯を作り、三毛猫さんとお祝いすると決めている。
そしてその後は、熱いお風呂にゆっくり浸かるのだ!
まずは三毛猫さんのご飯
白身魚を一口サイズにカットする。
かぼちゃ、にんじん、おくらは良く洗い、
みじん切りにする。
フライパンに油をひき白身魚を炒める。
魚に火が通ったら、野菜、ご飯を器に入れてかつお節をまぶして良く混ぜたら出来上がり。
三毛猫さんのご飯を冷ましている間に私のご飯を作る。
多めに作って今夜食べる分だけよそい、残りは温かいうちに盛り付けて、三毛猫さんのご飯は冷ましてから冷蔵庫…………マジック冷蔵庫に収納しようと思う。
凝ったものを作るつもりはないので、オムライスにする。
あとは野菜をたっぷり煮込んだスープとサラダで出来上がり。
街で買い物をしていて気付いたこと……やっぱりというか、この国の主食はパンのようだ。
ただ、お米も売っているしパスタもあった。
野菜も元の世界のスーパーでみるようなものはほとんどあった。
和食や中華っぽい調味料のお店もあったので、食文化は割りと元の世界と似ているのかも。
私のご飯も出来て、三毛猫さんのご飯も食べ頃になったので、二人で「いただきます」をする。
「三毛猫さん、おいしい?」
「ニャン!」
良かった。三毛猫さんにはたくさん助けてもらったし、これからはおいしいものをたくさん食べさせてあげたい。
オムライスも野菜スープもサラダも美味しかった。
でも今夜はこれで終わりではない。
「フッフッフッ、今夜はデザートもあるのだよ三毛猫さん」
「ニャ!?」 可愛い。
食後のお茶を入れて、クッキーを出す。
三毛猫さんには野菜クッキーを小さく割ってお皿に出す。
ホッとする。
屋台のご飯もおいしいけど、やっぱり自分のお家で自分好みの味付けで落ちついて食べられるご飯はおいしい。
この世界にいつまでいるのか、元の世界に帰れるのかもわからないけれど、安心して帰れる場所があるというのはかなり気持ちが楽になる。
デザートも食べてお腹いっぱい。
三毛猫さんも満足そうだ。
使った食器や鍋、テーブル全てにクリーンをかけてから、お風呂にお湯を張る。
三毛猫さんもお風呂に誘ってみたけどお断りされた。
必要ないとはわかっているけどナデナデしながらクリーンをかけると、やっぱりサッパリするのか気持ち良さそう。
「三毛猫さん、お風呂に入ってくるね」
「ニャ――ン」
やっとお湯に浸かれる……この世界に来てから初めてのお風呂……
突然発動する瞬間移動能力……忘れてはいないよ。
でも今は! 全裸で瞬間移動したとしても、結界を張れば私の姿は見えなくなるのです!
なんの縛りもなく入れるお風呂、最っ高!
街で買った石鹸は爽やかな良い香りだし、泡立ちもいい。
シャンプーリンスは高いので貴族御用達のお店でしか売っていないらしい。
だから街のみんなは石鹸で全て済ませて、オリーブオイルのような植物油を少量髪につけているみたい。
私はクリーンをかけるといつもツヤツヤサラサラ良い香りになるので、石鹸で洗った後クリーンをかける。
クリーンだけで良いんだけど、今までの習慣でね……泡立てて洗いたいのよ。
髪をまとめ上げて湯船へゆっくりと入る…………
はぁぁぁぁ――――――――・・・・・・・・きもちぃぃぃぃ
「生き返る―――――――・・・・」
さて、今日を振り返ってみようか……
教会でのお茶会、楽しかったなぁ……子供たちは可愛かったし。
ノクトからの手紙も届くみたいだし、時々お菓子を持って行こう。
しかし……第二王子様とは……あのお城に住んでいるんだよね?
ということは、お城の屋根から落ちた時、バルコニーにいた人はノクトの兄弟だったのかな?
あの王子っぽい人……
あの後騒ぎにはならなかったのかな……ノクトは何も言ってなかったけど……
まぁしばらく会うこともなさそうだし大丈夫か……な
ノクトにこの世界に来てからのほとんどの事を話してしまったけど大丈夫だったかな……
ほとんど見られていたから仕方がないけど……
でも王族かぁ……お父さんが王様でお母さんが王妃様って事でしょ……お城に戻って報告とか……私の力を知られたらどうなるんだろう?
この世界にも魔法とかないらしいし。
いや、誰にも言わないって約束してくれたし。
今は信じておこう。
ただ、この家のある場所は誰にも言うつもりはない。
私と三毛猫さんの安息の地だ。
ここに何かあった時のために、第二候補地も探しておいた方がいいかもしれない。
出来れば遠く……国外とか?…………地図が欲しい。
ここでの生活が落ち着いたら探してみようかな。
そろそろ湯船から出ないとのぼせそう。
そういえばパジャマを買っていなかったな……
暑くてすぐに服は着たくないからバスタオル1枚でリビングへいく。一人暮らしバンザイ。
コップに水を注ぎ飲み干す。
窓を開けてソファーに座ると三毛猫さんが膝の上に座る。
三毛猫さんを撫でながら今までずっと引っ掛かっていたけれど口には出さなかった事を呟いてみる。
「もしかして……三毛猫さんは私のせいでこの世界に来ちゃったの……?」
答えが帰ってくることはなく、クリクリと可愛い目で見つめられる。
(そうだよ) とも (ちがうよ) とも取れる表情……
ごめんね三毛猫さん……わからないや……ごめん……




