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異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


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16 オリバー


            16


 

――――オリバー・カーティス―――――


 

 今回は魔獣討伐隊として生まれ育ったこのカーティス領に戻ってきた。

王都からそれ程遠い領地ではないが、騎士団長という仕事柄しばらく家には帰っていない。

3つ上の兄は結婚をして跡を継いでいるので何も気にせず仕事に励める。


俺も20代前半までは結婚をしたいと思っていた。

騎士という職業に憧れを抱く女性は多いようで言い寄られている騎士達もたくさんいた。


しかし、俺は身長195cmと高い上に鍛えた身体が大きいので女性には怖がられてしまう。

初対面で気絶してしまう令嬢もいた。

そしてこちらも女性の細い腰や腕を折ってしまいそうで怖い。触れただけで壊してしまいそうで怖いのだ。


どうすることもできず、20代半ばを過ぎる頃には結婚の事は考えなくなり、仕事のためにより身体を鍛えるようになった。騎士仲間には羨ましがられるが、これでますます女性とは縁遠くなってしまった。


久し振りに両親と会えばまた色々言われてしまうかもしれないがまだ独身の第二王子もいるし、ただの帰省ではないから控えてはくれるだろう……



今回は森に大型の魔獣が生まれてしまい領民に被害が出る前に、そして魔獣を苦しみから解放してやるためにノクト殿下が討伐隊を組んだ。


これまで密猟者を厳しく取り締まってきたのでだいぶ魔獣の数は減ってはいるが、悪知恵を働かせる奴らは後を断たない。


王都から領地へ向かう途中森の中の湖近くで野営をした。

湖は相変わらず美しく澄んでいた。

翌朝早くにテントを片付け、朝食をすませた。


ノクト殿下の様子がおかしい。夜明け前に素振りをし、湖で泳いできたようだが……何かあったのかと聞いても「何もない」とどこか上の空で言うので、怪我でもしたのかと様子をみてみるがそうでもないようだ。


その後ずっと何か考え事をしているようだった。


昼頃、街に着くとまるでパレードのようにたくさんの人々が歓迎してくれた。幼い頃世話になった人達の姿もあり皆元気そうで嬉しくなる。

俺の実家……領主の館まで大通りを進んでいく。ノクト殿下はその間いつもの様子に戻っていた。


館に着いて領主である兄と兄の妻、両親がノクト殿下に挨拶をする。討伐隊の挨拶が終わり、早速広間へ案内される。

領主である兄が現状の説明をする。

地図を広げ最初に領民が魔獣を目撃した位置と魔獣の足跡を確認する。


どうやら熊が魔獣化してしまったようで、その大きさは約3mほどだという。かなり大きい、その上身体能力も上がっているはずだ。


王都からこちらへ向かう道中、小型の魔獣を数体討伐してきた。魔獣は夜の方が活発に活動するが、昼間に現れないわけではない。


討伐隊で一度森の入口付近から少し入った辺りとその周辺の様子を見に行く。おそらく魔獣化した熊の足跡と木に爪痕。かなり高い位置だ。確かに街の方に近づいて来ているようだ。

痕跡を見た限り一体だけのようだが、それでも皆が無傷で帰れるかわからない。


ふと……ノクト殿下の様子を伺うとまた何か考えているようだった。

意識をまた森へ向けようとした瞬間、ノクト殿下の呟きが聞こえた


「……この魔獣はおそらくもう居ない……」


……今、何と言った?


聞こうとした時、副団長に「日も傾いてきました。そろそろ戻りましょう」と言われ、タイミングを失ってしまった。


街へ戻り騎士団は街の宿へ向かいノクト殿下と近衛兵と俺の7名は再び館へ向かう。


騎士達には明日から始まる討伐に向けて今夜は各々自由に過ごしてもらうことにする。


ノクト殿下と近衛兵と俺は両親と兄、兄の妻と夕食を共にする予定だ。

夕食まではまだ少し時間があるので、ノクト殿下にあの言葉の意味を確認しようかと思った……

しかし今日はお疲れだろうと思い、話しはまた後ですることにした。


俺は一人愛馬のグリアに乗り館を後にした。

馬は身体の大きな俺に合わせて他の騎士の馬よりも一回り大きい。男でも怖がられる事が多い。


これから向かう場所は帰って来ると必ず行くところだ。

幼い頃からあの小高い丘から夕日と街を眺めるのが好きだった。


帰ったら夕飯だがすでに空腹だったので街中でフルーツを数種類買って持って行く。


あの丘は夜も静かで星が綺麗にみえるので、また今度ゆっくり帰省できた時は夜まで居よう。


そんなことを考えながら丘へ向かうとすでに誰かがいるようだった。


しかも女性が一人で………辺りを見回す。他には誰もいないようだが………何かに話しかけているようにもみえる。


俺に気付けば怯えてしまうだろうから少し離れた所から様子を伺う……ここは諦めて明日また来ればいいか……


しかしもうすぐ日が暮れるというのに女性一人こんなところで何をしているのだ?


騎士達が街に滞在するので、今夜は特に若い女性は街から出ることはないと思っていたが………


大型の魔獣もうろついているのだ……やはり放ってはおけないだろう。



彼女が街を見つめている……どこか悲しそうにみえる……


なるべく怖がらせないように声をかけようとするが、彼女は突然……敷物を広げ始めた………!?

皿まで出してこれからピクニックでも始める気か!?



………彼女はここで夕食を取ろうとしているようにみえる……



そして話している相手は猫だった―――――――




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