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次は白いブラウスに若草色のリボン、リボンと同じ色のスカートを着てみる。
落ち着いた色合いで着心地もいい。
セアラが色々チェックしながら騎士団の話をしてくれる。
騎士団の中でも第二王子率いる討伐隊に選ばれる騎士は文武両道の優れた者達らしい。
討伐自体は悲しいことだけれど、そんな騎士達と出逢えることなど滅多にないので街の特に年頃の女性達が浮き足立つのは仕方がないことらしい。
第二王子と近衛兵は領主の館に滞在するが、騎士団は街の高級宿に泊まるのか。
外から歓声が聞こえる。
大通りを歩いているところなのだろう。
「ここの領主の次男も騎士団長として王城で働いていて今回の討伐隊のメンバーでもあるの。だから余計に盛り上がっちゃうのかも」
なるほど。物凄く歓迎されていると思ったらそういう事情もあるのか。
「討伐隊はね、嫌な役を引き受けてくれているの。魔獣化は人間のせいだとわかっているけれど、苦しみが終わらないのよ……魔獣達の。ボロボロになっても悲しみや憎しみの中森をさ迷う。身体が強くなってしまうからとどめをさされないと死ねないのよ」
そうなるとわかっていて動物達に酷いことをする人間がいるということ………
「よしっ! こっちも似合うわね! 次はこれ!」
ラベンダー色のワンピース。
こちらもシンプルだけど首もとが丸く開いていて女性らしい。セアラの見立てはすごい。どの服もしっくりくる。
それにおそらく彼女は……最初に着ていた私の服をみてあまり高くないものを選んできてくれているのだろう。
店内をみるともっと凝ったデザインのものや素材が良さそうなものもある。
きっと私がこのお店で一番安い服を選んだとしてもサイズを見立ててくれ、試着しながらお喋りをしてくれるのだろう。
こんな気遣いのできる彼女はいい人なんだと思う。
セアラが持ってきた服はまだまだあったけど、試着した3着に決めた。最後に試着したラベンダー色のワンピースを着て帰ることにする。
1セットしかないことを思い出し、下着も3セットと靴も2足見繕ってもらって、斜め掛けできるバックも選んでもらった。
服はそれぞれ銀貨3枚
下着は上下で銀貨1枚
靴は1足銀貨2枚
斜め掛けバックは銀貨1枚と銅貨5枚
鉄貨=10円
銅貨=100円
銀貨=1000円
金貨=10000円
白金貨=100000円
こんな感じ?
銀貨10枚で金貨1枚でいいのかな?
恐る恐る金貨1枚、銀貨5枚、銅貨5枚を差し出す。
セアラはにこりと笑うと
「ありがとうございます」
それから、
「これ、良かったら使って」
と…………大きめな風呂敷のような布を3枚渡された。
それぞれの服と同じ紺色、若草色、ラベンダー色だ。
キレイな布だけど………
「?」
「これはね、広げて正面から後頭部で結んで、顔にかかっている布を後ろの結び目を隠すように上げると…」
「!!」
これは!シスターが被っているベールのようになった!
お尻半分くらいまで被る……髪が隠れる!素晴らしい!
「どんな状況でもお洒落を楽しんでね! せっかく可愛いんだから!」
……っ! 罪悪感っ! 再びっ!
「セアラ………!ありがとうございます………嬉しい…お買い物楽しかったです。また来ます」
買ったものを入れた紙袋を抱き締めてお礼を言いお店を後にする。
とても気持ち良くお買い物ができた。
この世界で初めて女性と話したのが彼女で良かった。
お洋服屋さんで思ってたより時間をかけてしまったけど、教会の孤児院にも無事バレずにワンピースを返す事ができた。
ただ返すのは気が引けたけど今は許して欲しい。
後でお菓子を差し入れに持って行こうと思う。
街をぶらぶらと歩いてみる。パレードは終わったみたいだけど人は多い。
シスターのように長めのベールを頭に被っている人はいないけれど、カーディガンを頭にターバン巻きしていたときより見られる事はなかった。
屋台がいくつも出ていて美味しそうな匂いが漂う。
安心したらお腹が空いてきた。
ご飯を買う前に雑貨屋さんでお皿やカップとカトラリーと敷物を買っておく。
お肉と野菜をパンに挟んだものは銅貨4枚、焼き魚は銅貨2枚。
一つずつ買って三毛猫さんと食べよう。
日が傾いてきたのでホクホクとした気分のまま帰路につく。
待っててね三毛猫さ―――ん!




