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異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


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 久しぶりに熱が出たなぁ。


うっすらと目を開ける。私が運ばれたのはセオドアが用意してくれたドレスの着替えやら何やらをした部屋の奥にある寝室みたい。


ドレスは……メイドさんが着替えさせてくれたと信じよう。


1日であんなに魔法を使ったのは初めてだったし、感情がなんか忙しかったから疲れが出たのかも。


ヒールは……やっぱり効かない。ちゃんと休まないと。


再び目を閉じて思い返してみる。



シュゼット様、噂では我が儘で冷酷な令嬢のような言われ方だったけれど全然違った。

やっぱり噂は噂でしかないんだなぁ。

ネコさんと一緒に住む者同士これからも仲良くしてくれると嬉しい。ココさんにも会いたいし。


あ、でもきっとエリアス陛下と結ばれたら王妃様になるから会うことはなかなか難しくなるのかも……

今回のことでかなり頑張ったシュゼット様には幸せになって欲しい。



レオン……セオドア殿下だったとは……いろいろ失礼な事をしたような気もするけれど本人は気にしてなさそうだから大丈夫だと思う……けれどあの近衛兵二人には警戒されているだろうなぁ……絶対。


セオドアは各地をフラ…………視察していたらしいけれどしばらくはこの騒動の後処理に終われるだろうな。

これからきっと忙しくなる。あの温泉でまた会うことはあるのかな……



リアザイアの皆さんにも助けられた。

陛下と王妃様は私が人を殺してしまう可能性も見えていたということか……

私の力を知っていて……恐ろしくはなかったのだろうか……

自国を守りながらも私を守る事も考えてくれた。


私の事を家族として考えてくれる……



私が泣いている時はいつもノバルトが側にいてくれている気がする。

私が「殺す」という言葉を使ってしまっても、否定的な事を言ったり無理矢理止めるような事はしないで優しく包み込んで……けれどもちゃんと止めてくれた。

側にいると安心するし不思議と落ち着く。


顔が良すぎていつもは落ち着かない気持ちになるのに……

やっぱりどこかで頼りにしているのかもしれない。

きっとたくさん困らせていると思う……甘えすぎかなぁ……



何だかんだで周りを良くみているノクト。

王子様で騎士様でハイスペックな彼は俺様気質かと思いきや周りを良くみて動いている事を私は知っている。


真っ先に駆けつけるのではなく駆けつけた人達を更に守るように周りを警戒している。

そういう役割りを真っ先に出来るのって凄いと思うしやっぱり冷静なんだと思う。



研究熱心なノシュカトは気が利くし優しい。

メイドさん達が言うには私がノシュカトに会う前は愛想もなく素直じゃなかったみたいだけれど今からは想像も出来ない。遅めの反抗期が終わったのか……


決断力もあって頼りになる。今回、リライのあめ玉をどうするかもすぐに決めてくれた。



オリバー……リライの効果が本に載っていた通り本当にあって良かった。

いつでもみんなの盾になろうとしてくれるけれどあんな姿は二度と見たくはない。


三毛猫さんも大好きな大きくて優しい手。元に戻って本当に良かったけれど……騎士様達にはケガをしてもリライがあるから、とは思って欲しくない……その辺はノシュカトが上手くやってくれると思うけれど……



ティナ様には驚かされたなぁ。

なんか主人公っぽくなかった? 能力的にももはやチートでは……敵を叩きのめしたりざまぁ的なことしたり主人公っぽいこと全部やってたような……


そうなると騎士様のケガを治すノシュカトは聖女的な立ち位置ということに…………


異世界からきた私って…………


周りの人達の能力が高すぎて私のチートが霞む……

異世界から来ただけでは主人公にはなれないのか……私がその器ではないのか……目立ちたくないからいいけどさっ


うーんうーんとうなされながら目を覚ますと部屋にはティナ様がいた。


「あら? 目が覚めたのね。うなされていたわよ、主人公がどうのって。一体どんな夢をみていたのよ」


フフフッと微笑みながら私の額に手を当てる。


「熱はあるけれどしっかりと休めば大丈夫そうね」


ティナ様……


「お別れをしに来たの、私はもう行くわ。たくさん意地悪をしてごめんね。あなたは良く頑張ったわ」


私の頭を撫でながら優しい顔でティナ様がいう。


「ティナ様……助けてくれて……ありがとうございます」


ポロポロと涙が溢れる。あの時……ティナ様が助けてくれた……もっとちゃんとお礼が言いたかった……お別れするのが寂しい……


あーあー泣かないの、と涙を拭いてくれる。


「また……会えますか?」


「そうね……また。いつの間にか側にいるかも知れないわね、貴方が気が付けば」


ティナ様は……今までもこうやって切りたくもない関係を切らなければならない事がたくさんあったのかも知れない。


私は……


「私は……絶対に気が付きます……」


そう? と微笑むティナ様……絶対に気付きたい。


「……とりあえず……次会ったらご飯を奢らせて下さい」


ブッフフフッとティナ様が吹き出す。

命を救ってもらっておいて何だけどとりあえずのお礼がこれしか思い付かなかった……


瞼が重くなる……


「わかったからもう眠りなさい。楽しかったわ、ありがとう」


そう言ってティナ様が私の頭を撫でて微笑む。



ありがとう……と言えたかわからなかったけれど、私は瞼を開けていられなくなって再び眠りについた…………



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