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ここはっ! …………全然知らない場所でした。
丘……かな? 小高い。
下の方に街が見える。
三毛猫さんもちゃんと一緒だ。良かったぁ。
よし、乾いてる。とりあえず服を着よう。
周りに人が居ないことを確認して、三毛猫さんを抱っこして真上に高めに飛ぶ!
高いところから眺めてみる。
森が見える。遥か遠くにお城みたいな建物。
………ここって!………私が行こうとしていた街だ! ラッキー!
上空に浮いたまま考える………お城から森、森から湖、湖からこの街。
瞬間移動したとしてもそんなに遠くまでは行かないのかもしれない。
そして何となくだけど、私がピンチの時に発動しているような………あと、水場とかこの街とか……私の希望に沿っているような気もする。
やっぱり少しコントロール出来るようになっているのかも。
着地してここからどうしよう……と考える。
街に行ってみたいけど、私の容姿はこの辺りでは珍しいらしい。服もどうにかしないと目立つよね……
お金もいる…………どうしよう……お財布に入っている日本円は使えないよね……
ふと見ると、三毛猫さんが鞄をフミフミしている。
何してるの?可愛いんですけど………好きっ!
三毛猫さんの可愛さにデレデレとしながらふと思う。
三毛猫さんの行動にはこれまで全て意味があった。
鞄に何かあるのかな? 三毛猫さんもチラチラこちらを見ている。これはわかってやってるのかな? 可愛すぎ。
鞄を開けて見ると私の荷物が入って…………いない!?
え!? なんで!? 湖に落としてきた!?
それにしても全部ってぇ――――…………泣いちゃいそう。
鞄に手を突っ込んで無い荷物を探す。わかっているけどこういう事しちゃうよね……
空になったペットボトルに湖の水を汲んでいたのに……
鞄から手を出すとペットボトルを………持っていた。
…………えぇ!? どういう事!?
思わず三毛猫さんを見るけど毛繕いに夢中……触りたい。
鞄に入っていたものを思い出しながら鞄に手を入れ取り出すを繰り返す。
全部ある。私の荷物。
これは……マジックバックというやつでは……いつの間に!?
すごい!! 猫型ロボのあのポケットを手に入れた気分!
私の荷物以外は入っていないのかな………
そう…………例えば、お金とか!
そう思い鞄に手を入れると…………ありました。
おそらくこの世界のお金。見たことがないコイン。
白金貨 金貨 銀貨 銅貨 鉄貨 価値がわからない。
何で……どれくらい入っているのかもわからない。
悪いことした記憶は………ない!
じ、じゃぁ朝ごはん! サンドイッチとかコーヒーとかは……
出てきませんでした……ガッカリ。
どういう事? 私の持ち物が出てくるのはわかる。
最初から入っていたし。
じゃぁお金は? 持っていなかったし。
サンドイッチやコーヒーも鞄に入れてなかったけど……
食べ物は出てこないのかと思って、お皿とお箸を思い浮かべながら鞄に手を入れて見る。
出せませんでした…………なぜだろう?
一旦座って三毛猫さんを撫でよう。
撫でながら街を見下ろす。
「私、あの街に行って大丈夫かなぁ?」
「ニャ――ン」
「三毛猫さんも一緒に行ってくれるかにゃ?」
「…………………」
「……えっ!? 一緒に来てくれないの!?」
「……ニャァ―――――――ン……………」
「なんで!? 三毛猫さん行かないなら私も行かにゃ――――――!!」
「ニャ―――――ッ!!」 バシッバシッ
………ぶたれた………肉球パンチ………イイッ!
「どうして………?三毛猫さんは街に行けないの?」
「ニャン」
「そうなの………じゃぁじゃぁ日が暮れる前にはここに戻ってくるから待っててくれる?」
「ニャン!」
ギュッと三毛猫さんを抱き締める。
少し落ち着いたところで鞄問題に戻ろうと思う。
この世界に来て出来るようになった事を思い出してみる。
1、瞬間移動
2、空を飛ぶ
3、言葉が通じる
4、マジックバック(?)
5、お金(を出す?)
う――ん。どれも突然出来たからきっかけとか心当たりがない…………………
ただ、大体どれも森の中で眠りにつく前に考えていたことのような気がする。瞬間移動以外は。
あと何を考えていたかな………
治癒とクリーンだ。
これが使えたらほぼ確定では?
では、湖で全身洗ったばかりなのでわからないかもしれないけれど、頭から爪先から服まで全て清潔でキレイになるイメージをする。
一瞬フワリと風に包まれた感覚があり、目を開けて確認してみる。
………おぉ、一段とキレイになっている。
服からは石鹸の香りがする。
髪はトリートメントしていないのにツヤツヤサラサラだ。
何だか森? お花畑? のような甘く爽やかな香りがする。
クリーン使えた。
治癒は今どこも怪我していないし、わざわざ傷つけるのも嫌だ。後にしよう。
寝る前に考えた能力が使えてる。
初日に考えたことだけなのかな?
今夜寝る前にもう一度、あったら便利な能力を考えてみよう。
その前に………そろそろ街へ行ってみようと思う。




