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異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


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 騎士団の合同演習の1日目は城内で見事な隊列を見ることができた。


この日はお城の門が解放されていて平民でも貴族でも自由に騎士団の訓練の見学ができた。


みなさんたくましくて素敵だ。


そして騎士様はすごく人気があるとわかった。


特に身体の大きなガイル様とオリバーの人気は凄まじい。

声援の中に結婚して――! という声もあった。

オリバーの良さをわかってくれる人なら頑張って欲しい。

そしてガイル様独身だったのか。


翌日からは外での訓練になりあの国境の街へ向かうらしい。

あそこにはトンネルがある……

そこで敵を迎え打ち王都に入られる前に食い止める……


たくましい騎士団を見ていると全てがうまくいくような気がしてくる。


出発をする時お見送りをする人達に混ざってコッソリオリバーに手を振るとオリバーが私に気付いてフワリと微笑み手を振り返してくれた。


すると私の周りの女性達がキャ――――ッッ!! とひときわ大きな声で叫ぶ。泣き出しそうなコもいる。


ゆっくり深呼吸して欲しい……過呼吸で倒れそうで心配。



騎士団が出発した翌日、お城ではお茶会が開かれた。


セオドアが主催らしい。こちらの動きを悟られないようにギリギリまでいつも通りの生活をすると言っていた。


けれど……私も参加するとは聞いていない。


「晩餐会でノアの姿はたくさんの貴族に見られているし参加しない方が不自然だよ」


と言われたけれど……セオドアと入場したからね……あの時たくさんのご令嬢に睨まれた……


嫌な予感しかしないからお断りしようとしたけれどシュゼット様も来るらしい。

ドレスも用意してくれるらしいし……コルセットを着けなくていいなら参加してもいいかな……

と言うとそれでいいからおいでと言われた。


私の準備はコルセットも着けないので晩餐会の時ほど時間はかからなかったけれどやっぱり別人のようになった……すごいなメイドさん。


セオドアのエスコートだけは丁重にお断りするとお茶会の会場へはさりげなく入ることが出来た。


会場は綺麗に飾り付けられていてそれだけでワクワクするのに美味しそうなお菓子がたくさんある! そして今回はコルセット無し! いろいろな種類のお菓子を少しずつたくさん食べよう! 気合いも入る。


セオドアやリアザイアの王子様方のご挨拶が終わりお茶会が始まる。

ご令嬢方は王子様方にご挨拶をと皆さんそちらへ行ってしまった。


挨拶前にお菓子食べちゃダメなのかな……


キョロキョロと周りをみると男性もたくさんいるけれどご令嬢のご挨拶が終わるのを待っているような感じ……お菓子に手を付けている人はいない……


食べたい……ダメなの?……こんなに美味しそうなのに……作ってくれた人もたくさん食べた方が喜んでくれるはず……絶対そうだよ……


お菓子をじっと見つめそんなことを考えていると手が勝手にお菓子の方へ……


「君はノアか?」


ヒッ! 


突然後ろから声をかけられて驚く。

ゆっくりと振り向くと……リュカ様……


「君はノアか」


メガネをクイッとしながら顔を近づけてきて……もう一回言った……


シィ――――ッと人差し指を唇の前で立てるけれどもなぜ? という感じで首をかしげてもう一度


「やはり君は」


はいストップ――。


マカロンっぽいお菓子をリュカ様のお口に突っ込む。


リュカ様は一瞬目を見開いて驚いていたけれど、モグモグとお口に入れられたお菓子を食べている……


すると今度は何故かリュカ様が私の口の前に同じお菓子を差し出して来る。


え? 食べてってこと? 食べたいけれど食べさせてもらうのは何か違うっていうか……周りの目もあるし……


なんて考えていると半ば無理矢理口に入れられた……モグモグモグ……美味しい……


何なんだろうこの人は……どうして私だと気が付いたのかなぁ……失礼だけどあまりちゃんと人の顔とかみてない気がするのに……


そして案の定周りの注目を集めてしまった。


「リュカ様よ。リュカ様が女性とお菓子を食べているわ」


「珍しい、リュカ様が女性と一緒とは」


「あのお菓子のやり取りには何か意味があるのか?」


「植物ではなく人間の女性にも興味があったとは」


誰だ最後に失礼な事を言ったのは。


リュカ様は全く気にしていないご様子だけれども私は注目されたくないので困る。


「(訳あって今は)ノーマ・クロエルと申します」


小声を混ぜて名乗ってみる。察して欲しい。


リュカ様は、ん? と少し考える素振りをみせたけれど……察しているのかいないのか……とりあえず話を変えよう。


確かノシュカトが植物の話ならよく話すと言っていた。


「リュカ様、リライの雫はどうすれば花の中に溜められるのでしょう?」


リュカ様はじっと私を見つめてそれからフムと顎に手を添えて


「リライの花に雫を溜める……花自体は小さなものだが、液体を溜めるのは難しいからな。リライの花が咲いたらオブラートで包んでしまうのが今のところ一番いい方法だろうか。そのまま口に含むことも出来るしな。あとは食用で使われる糊で雫が出る隙間を埋めてしまうのもいいかもしれない。どちらも数を揃えるのに時間がかかるのと、問題は保存方法だな。使うタイミングと雫が溜まるタイミングが合えばいいが、しばらく保存するとなると難しい……最近この話をノシュカトともしたな……確か彼は砂糖で包むのはどうかと言っていた。あめ玉のように……糊でとめてから砂糖で包む方が作業がしやすいかもしれない。リライの花がないから今まで考えたこともなかったが……似たような花に水を入れて試してみよう。上手くいけば…………」


…………後半はもはや独り言……そのままブツブツ言いながらどこかへ……きっと研究室へ行ってしまった……根っからの研究者なのだろう……


ノシュカトとリュカ様はちゃんとお話が出来ているみたい。

リュカ様は確かに凄い方だから研究が進みそう。



リュカ様が行ってしまった後、シュゼット様の元へ行き私はたくさんお菓子を食べた。

シュゼット様とは少し離れた所にコリンヌさんが立っていたけれどいつもと変わらない落ち着いた様子……ティナ様はキョロキョロといつもと変わらず落ち着かない様子……


シュゼット様に三毛猫さん達も食べられるお菓子を教えてもらって、お土産で持って帰えることにした。


今日は早く帰って温泉に行って三毛猫さんとココさんと一緒に食後にお菓子を食べよう。



そう決めてお茶会の後、私はゲートで山の家に帰る事にした。



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