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何とか牢屋には入れられずに済んだ…………
あの後仕事に戻らなければならなかった私にレオ……セオドア殿下が後でお茶をしようと言い、その場で別れた。
近衛兵は最後まで私を睨んでいた。
確かに少しやり過ぎたかも……反省。
まぁ私も本名は名乗っていないけれどね、名乗ったところで王族ではないのよ。異世界人だけど……
セオドア殿下を疑っていろいろ考えてしまっていた私の時間を返して欲しい。良かったレオンに言わなくて。
翌日、エイダさんと入れ替わりで休憩に入った私に王家の庭でお茶を入れてくるようにとアルマメイド長に言われた。
王家の庭とは王族のみが入れるお庭でお茶会などは絶対に開かない場所と決められている。
使用人も滅多に入れないらしい。
たまには1人や家族だけの時間も欲しいと言うことかな。
お茶のセットはレ……セオドア殿下の執事さんが持って行ってくれているらしいから私は本当にお茶をいれるだけらしい。
お庭の入り口にはあの2人の近衛兵……ハイ、睨まれました。
昨日はごめんなさい。
そのまま進んで行くと一際大きい東屋がある。
セオドア殿下はすでに来ていてその東屋にあるソファーに座って何かを読んでいる。
彼も私に気が付いてニコリと微笑む。
「来てくれたね、ノア」
「お茶をいれるように言われて参りました」
「あぁ、2人分頼むよ」
かしこまりました、と言われた通り2人分お茶をいれてテーブルへ持って行く。
「ありがとう。ノア、君も座って」
私が周りを気にすると、大丈夫、ここには誰もいないからと言われた。
セオドア殿下と向かい合い座る。
「ノア、ごめんね。騙すつもりはなかったのだけれど……」
「わかっています。仕方がなかったのですよね」
「できれば2人の時は今まで通り話してくれないかな」
「レオ……セオドア殿下がよければそうします」
「そうして欲しい。それから俺のことはここではセオドアと、2人の時は敬称もいらないよ」
そんなにすぐ切り替えられるかなぁ……
「セオドアはどうしてお城に戻ってきたの?」
案外すぐ切り替えられそう。
「ノアが俺の家に来るって聞いたから俺も帰って来ちゃった」
俺の家って…………お城ね。
「来ちゃったって……大丈夫なの?」
「あぁ。そろそろ戻ろうと思っていたからね。ちょうど良かったよ」
そうなんだ……
「ノア、こんなことに巻き込んでしまってすまない。今からでもリアザイアへ戻って安全な場所にいて欲しい」
セオドアが頭を下げて真剣な表情でそう言う。
「今さら知らない振りなんて出来ないよ。それに私、案外こういう事得意みたい」
フフフッと笑いながらいう私に、セオドアも諦めたような表情で笑い、君ならそう言うと思ったと言った。
それから両親の世話をしてくれてありがとうと言われ
「ノアが世話をしてくれるようになってから父上と母上も以前より調子が良くなっているみたいだし、兄上もあの事件以前のように元気になられていた。ノアが来てくれて良かったよ」
エヘヘと照れているとセオドアが、本当にありがとう、といつものふざけた感じではなく自然な笑顔で笑った。
確かに……女性に人気があると言うのはわかる。プラチナブロンドの髪に褐色の肌……この対照的な色合いに綺麗な顔立ち。けれど
「そういえば街で王族の姿絵をみたけれどセオドアの肌ももっと明るい感じだったと思うのだけれど」
「長いこと外に出ていろいろしていたからね。日焼けをしたみたいだ。しばらくすればその姿絵のように元に戻るさ。ノアが今の方が言いというなら外で働くよ?」
すぐからかう。はいはい、と私から聞いたのに聞き流し情報交換を始める。
こんな所をあの近衛兵2人に見られたらまた怒られそう。
セオドアはノバルトからも手紙をもらっていてこれから起こるであろう大体の事の裏取りをすることが出来たと言っていた。
現地にいる私より情報通って……よっぽど優秀なスパイか何かがいるのかな。
私からはセオドアにご両親の食事と飲み物に気を付けてもらうようにお願いした。
ベルダッド家の旦那様と奥様も食事にユキツクミ草が入れられていたようで、今のセオドアのご両親と同じ状態だった事を話した。
コリンヌさんや他の方に気付かれないように食事を変えたらお二人とも回復されて、今はコリンヌさんに気が付かれないように寝たきりの演技を続けつつ体力作りをしてもらっているというとすぐに調理係と食事を運ぶ係を信頼できるものに固定して試してみようということになった。
良かった。これでお二人の回復も早くなるはず。
それからもし他にも同じような状態の方がいたら同じようにするよう進めて欲しいと伝えた。
後はリアザイア王国ご一行がこの国に滞在中に何か動きがあるだろう。
それまでに出来るだけ情報を集めておけば打てる手も増えるかもしれない。
大体の情報交換を終えてセオドアにもう一杯お茶をいれてお城へ戻ろうとする私の手をセオドアが掴む。
またお茶に付き合ってくれる? と言うので情報交換もしなきゃいけないし……時間が合う時にねと伝えておいた。
それからセオドアは言っていた通りに先王様ご夫妻の調理師と料理をお部屋まで運ぶ人を選び直し固定で働いてもらうようにしてみると、お二人は回復のスピードを上げて一週間後には起き上がれるまで回復していた。
ここからはお二人にセオドアからもこれまでの経緯を説明してもらい、お部屋の中だけでもなるべく身体を動かすようにお願いした。
それから1週間程過ぎるとお城……と言うか王都全体がお祭り騒ぎのような雰囲気になり、リアザイア王国ご一行の到着を知ることとなった。




