表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/251

102


            102


 次の日の朝、コリンヌさんがシュゼット様のお部屋へ向かう前にココさんのお部屋に作ったゲートでシュゼット様のお部屋へ行く。


応接室を通り、寝室のドアをノックする。


「シュゼット様、ノアです」


ドアが開きシュゼット様が寝室に招き入れてくれる。


「おはよう、ノア。昨日お話していた紹介状とエリアス陛下へのお手紙です」


「おはようございます、シュゼット様。紹介状をありがとうございます。エリアス陛下へのお手紙確かにお預かりしました」


それから、私が持ってきたカゴを開けてシュゼット様に中を見て頂くと…………また泣かせてしまった。


少しの時間だけれども元気になってきたココさんに会って欲しくて連れてきた。もちろん私の足元には三毛猫さん。


ココさんが起き上がりカゴの縁に前足をのせるとシュゼット様もココさんに顔を近づける。


シュゼット様とココさんが鼻先をツンツンと合わせている…………何だこれ…………可愛すぎっ!


私も! と思い足元にいる三毛猫さんをバッとみると…………いない……


ぐるりと部屋を見渡すと三毛猫さん……窓から外をみている。


え――――――三毛猫さんものすごくネコっぽい…………

す――――――ごい遠くをみている…………


熱い視線を送ってみたけれど全然振り向いてもらえなかった…………



コリンヌさんが来てしまうのであまりゆっくりも出来なかったけれどシュゼット様とココさんが会えて良かった。


それからシュゼット様にもう一度お礼をいい寝室を出て応接室を通りココさんのお部屋のゲートでまた山の家に戻った。


ココさんの入っているカゴをベッドの上に戻して三毛猫さんにお願いします、行ってきますとナデナデしてから結界を張り空を飛んでお城へ……は向かわず、もう一度ベルダッド家へ向かう。


目的のお部屋の窓は開いていたのでそっと中へ入る。


あらかじめこのお部屋にもゲートを作り見えないように結界を張る。


自分の結界を解きベッドに寝ているお二人にクリーンとヒールをかけるとお二人とも目を覚ます。


けれどもだいぶ体力が落ちているみたいで女性の方……シュゼット様のお母様アメリア様は起き上がる事が出来なかった。

お父様のバンダラ様は何とか上半身を起こし、警戒心をあらわにしている。


「私はノアと申します」


名前を名乗りシュゼット様に書いて頂いた紹介状の封筒を見せた。


「確かに我が家の印とシュゼットの字だ。あの子は無事なのか」


私はこれまでの事をお話した。


アーロン様はおそらく嵌められて、エリアス陛下に毒を盛った容疑をかけられ追われている事、シュゼット様がこれまでお一人で戦ってこられた事をお話すると涙を流されていた。


「おそらく旦那様と奥様はユキツクミ草を長期間盛られているのでできるだけここで出される食べ物や飲み物には手を付けないで下さい」


ベッドから離れてお二人から見えないところまで行く。

マジックバッグから作っておいたお粥とリライの雫入りのお水が入った水差しを取り出す。


お盆に乗せてベッドまで運びバンダラ様に食べて頂く。

アメリア様には私が少しずつスプーンで口まで運ぶ。


しばらくは私が食事を持って来よう。お二人とも回復されたらシュゼット様におまかせしようと思う。


もしかしたら眠ったままの方が安全なのかもしれないけれど、ノシュカトが言っていた通り体力が持たないだろう。


それに今まで1人で頑張ってきたシュゼット様の側には信頼できる家族がいて欲しい。


バンダラ様とアメリア様にはほとんど起きられない演技と体力を付けるために誰もいない時はお部屋の中を歩き回ったりして身体を動かして欲しいと伝えた。


ご飯も少しずつ量も内容も変えることにしよう。


こうして薬を盛られ眠らされて動けない人が他にもいそうだ。


眠らせているコがいると言っていた。あの子達とも……


おそらくこの国の要人達の事ではないかと思う。国の頭脳とも言える彼らを眠らせ動きを鈍らせる。

万が一誰かに聞かれたとしてもすぐにはわからないようにあんな言い方をしているのだ。


と言うことは、きっと先王様と前王妃様も眠らされている可能性が高い。


その人達を彼らに気付かれないように次々に起こして行けば裏をかけるんじゃないかと思う。


お二人とも食事が終わりそれだけで疲れてしまったのか眠りについたようなのでまた来ます、と言いそっと窓から外へ出た。


今度こそお城へ向かいお城から少し離れたところで人がいない事を確認してから結界を解き歩き出す。


お城の入口に立っている門番の方に紹介状を持っていることを伝えると、まっすぐ行って右側の道を進むと使用人用の入口があると教えてくれた。


ありがとうございます、とお礼をいいお城の中へ進む。

お城の敷地が広いなぁと思いながらテクテクと歩いていると視界の端にパカパカと駆け回る馬達…………


少し寄り道するくらい……いいよね?


馬達が走り回る柵で囲われた広場へ向かう。

私が近づくとそれに気付いた馬達が近寄って来る。

どのコも逞しくて綺麗だなぁ。

手を伸ばすと他の馬よりも一回り大きな馬が顔を近づけてきた。


わぁグリアみたい……


そっと触れてみるとスリスリと顔を寄せて来る。可愛い。


「怖くはないのか?」


「全然。こんなに可愛いの……に……」



後ろに誰かいるっ!



恐る恐る振り向くと大きな……オリバーくらい身長がありそうな大きくてたくましい男性が立っていた。


「あ……の……」


びっくりした……こんなに大きいのに全然気配を感じなかった。


「ここに女性が来るなんて珍しいな。しかも見かけない顔だ」


だれ? いや、先に名乗らなければ。


「……初めまして、ノアと申します。ベルダッド公爵家より紹介状を頂き、王城で働かせて頂きたく参りました。動物が好きなもので……勝手に馬に近づいてしまい申し訳ありません」


「ノア…………ベルダッド公爵家から来たのか。俺は騎士団長のガイルだ。よろしくな」


一瞬何か考えていたような……? 気のせいかな。


「ガイル様、よろしくお願い致します」


この方が騎士団長のガイル様…………以前オリバーが話していた方だ。


「馬達も喜んでいるようだし近づくのは構わないが怪我をしないように気を付けてくれよ。できれば誰かがいる時なら安心だな」


ニカッと笑う少年のようなガイル様はたぶん年上……30代半ばくらいかな。


わかりました、気を付けます。と言いその場で別れて再び使用人用の入口へ向かう。


ノックをして出てきた方に事情を説明すると、これから忙しくなるから助かるわ! といい、少しここで待っていてねと言われて待っているとメイド長がやって来た。


「私はメイド長のアルマです」


「初めまして、アルマメイド長。私はノアと申します」


私が王妃様とシュゼット様両方の紹介状をメイド長に渡すと一瞬驚いた表情を見せた。


「貴方、リアザイア王国から来られたのですか?」


「はい。出身はあちらです。昨日まではベルダッド公爵家にお世話になっておりました。これから忙しくなると伺ったのでお手伝いしたく参りました」


「それは助かります。それにしてもこの紹介状……」


アルマメイド長はまだ封を開けていない封筒の封蝋を見ながら


「貴方、優秀なのですね。リアザイア王国の殿下がご兄弟でいらっしゃると知ってから急にメイド希望の女性が増えて…………」


アルマメイド長がため息をつく。


「人手はいくらあっても助かるのだけれど、殿下方目当てで入られては堪らないですからね。ほとんどの方はお断りさせて頂いていたのだけれど。これだけしっかりとした所で経験があって紹介状もあるのならお断りする理由はないですね」


ただ……とアルマメイド長が続ける。


「こちらの紹介状は私が開けるわけにはいかないので少しこちらで待っていて下さい」


今の時間は誰もいない使用人用の食堂へ案内され椅子をすすめられた。


アルマメイド長は紹介状を持ってどこかへ行ってしまった。


こういう待ち時間……元の世界ではスマホをみたり本を読んだりしていたなぁ。

久しぶりに思い出してしまった。


思いの外長く待たされているといろいろと思い出して考えてしまう。


最後にしていた仕事の事……飲みに行く約束をしていた友達……そういえばマンションの私の部屋は……お母さんがどうにかして解約してくれているかな……



そんなことを考えているとアルマメイド長が執事さんのようなキッチリとした格好の男性と一緒に戻ってきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ