表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移の……説明なし!  作者: サイカ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/251

101


            101


 翌日、私はコリンヌさんに呼ばれた。


ノックをしてお部屋へ入るとティナ様ともう一人、食堂でティナ様とよく一緒に食事をしているコがいた。


「ノア、こちらはセリーナです。あなたの代わりにシュゼット様付きのメイドとして入っていただきます」


やっぱり外されちゃった。


ティナ様は寂しそうなお顔を…………全然していない。

むしろ精々しているな。

突っ込みどころの多いティナ様と離れるのは私は少し寂しいかも?

私がいなくなったら誰が水回りの掃除をするのかな?



私はセリーナさんによろしくお願いします、と言いコリンヌさんにはシュゼット様にご挨拶をしてもいいか尋ねた。


「少しの時間でしたら大丈夫ですよ。平民の身でありながらお側で仕えさせていただいたのですからお礼を言うくらいはいいでしょう」


良かった。コリンヌさんとティナ様はセリーナさんにお仕事の説明をし始めたので私は失礼します、と1人でシュゼット様の元へ向かった。


コン コン コン


「どうぞ」


「失礼します」


私だとわかるとシュゼット様が微笑む。

うちのお嬢様が美しい。


「シュゼット様、時間があまり無いので……ココさんですが目を覚まして歩けるまでに回復しました。三毛猫さんと一緒にお庭の散歩も出来るようになりました」


そう言うとシュゼット様の瞳からポロポロと涙が溢れた。


「ありがとう……ノア」


一言そう言い落ち着きを取り戻したシュゼット様。

さすが王妃教育を受けていただけのことはある。


「それから私、シュゼット様付きのメイドではなくなるのでこれまでのようにお側にはいられなくなります」


「そのようね。コリンヌからそうすると聞いているわ」


ため息をつきシュゼット様が寂しそうなお顔で言う。

そんな表情をされたら離れがたくなる。


「もしシュゼット様が許可して下さるならこちらでのお仕事をお休みさせて頂いて、しばらくお城で働かせて頂こうと思うのですが……」


「許可します」


即答ですか。うちのお嬢様がかっこいい。


「貴方のことだから何か考えがあるのでしょう。紹介状を書くわ」


そして話が早い。


王妃様の紹介状もあるけれど、ザイダイバのベルダッド家からの紹介状もあれば安心してもらえるかも。


「ありがとうございます。それから私がお城へ行く前にもう一度シュゼット様の元へ参りますのでエリアス陛下へのお手紙を私に預けて頂けませんか」


ふっとシュゼット様の表情が柔らかくなる。


「わかりました。エリアス陛下へのお手紙は貴方へ預けます。それから……時々私のところへも来てくれる?」


……シュゼット様それ他の人にしたらダメなやつ……

キュンッとしてしまった……


「もちろんです……ココさんの様子をお知らせしにきますね!」


ニコリと微笑むシュゼット様……初めてお会いした頃より表情が豊かになられて……本当は親しみやすい方なのだろう。

コリンヌさんの前では変わらず無表情だけど。


さて、これでお伝えしたいことは全て伝えられたかな。


その後シュゼット様がコリンヌさんに私に休暇を与えると言ってくれたけれど、後でコリンヌさんにこの忙しくなる時にとため息をつかれ、ティナ様には私だってドレスやお買い物にもっと時間が必要なのに……生意気ねっ! と自然な流れで足を踏まれた。

地味に痛い。


一旦ベルダッド家を離れる事をレオンにも言っておかないと、と思い夜レオンが滞在している宿へ向かった。


いつもの受付のお兄さんがいるのでレオンがいるか聞いてみたら今日は戻らないらしい。

念のため書いておいたお手紙をお兄さんに預けて宿を後にする。

レオンも頑張っているみたい。


トンネルはもう少しで繋がるけれど、繋がってもすぐに戦争ということはないらしい。



「タイミングを見計らうでしょうね。これだけ時間をかけてようやく実行できるのだから。息子達がザイダイバに行く事が引き金になるわ。リアザイアは手薄になるもの。この機会を逃すはずはないわ」


王妃様が言っていた。けれど……


「それではリアザイアが危なくないですか?」


「そうね……けれどもザイダイバの戦力は増すわ。敵がこちらに動き出す前にザイダイバで対処できるのが一番いいけれど、もしできなくてもこちらでも対処出来るように手は打っておくから大丈夫よ」


聖母のような穏やかな笑顔で物騒な事を話す王妃様はきっと敵である彼らからしたら相当厄介な相手になりそう……


「私がゲートをつくれば一瞬で移動できますよ」


「ありがとう、トーカ。でもね、我々は貴方の力を戦争で使わせたくないのだよ。本当はこの事にも関わって欲しくはなかった」


陛下が真剣な表情で言う。


「戦争に少しでも参加してしまうと無傷では済まない。身体に傷が残ったり一部を失ったり、あるいは敵から奪ってしまったもの、彼らの思い……そして後悔。この先の人生で全て背負っていかなければならないのだよ」


私が手を貸したことで起こってしまったことは確かに責任を感じる。


「トーカは魔獣達を浄化するとき彼らの感情を受け止めてしまう。それだけでも大きな負担になるのにこんなことに巻き込んでしまっては君が耐えられなくなりそうで心配なのだよ」


だから、この城の一番安全な場所にいて欲しいのだけれどね。と言ってくれた。


多分何かあれば頼まれなくても私が手を貸してしまうことをわかっているのだろう。

だからできれば私に何も見えない場所にいて欲しいのだと思う。


みんな大切な人を守ろうとする。自分を犠牲にしてでも。


始まる前に戦争を防げたらいいのに。


ノバルト達がザイダイバに来るまで1ヵ月程ある。

その間に情報収集とお城で働いている人達の動向に気を付けていたら少しは役にたつかな。



明日はシュゼット様のところへ行って、エリアス陛下へのお手紙と紹介状を受け取ってからザイダイバのお城に行ってみよう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ