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「実は少し前に王宮内でブライス卿が動けない王妃様に、その、性的な悪戯をしているという噂が流れたんです」

「何ですって!? どういうことですか?」

「それがですね」


 ラーズは誰か聞いてやしないかとばかりに魔女の不気味な隠し部屋を見回した。


「実はーー」


 彼の話によれば、母の健康状態のチェックと呪術の解呪の為、守護剣であるブライス卿と同じく守護剣の一人であるアイスさんが交代制で三日に一度母のメディカルチェックをしているそうだが、メイドの一人がその際にブライス卿が母に性的な行いをするのを目撃したというのだ。


「そんなことを……」


 本当にやっているのであれば、たとえ国防の要たる守護剣であっても許されることではない。


「勿論あくまでも噂です。そもそも王妃様のメディカルチェックをメイドが覗くことはできません。なのでこの噂が流行っときもブライス卿を疑うのではなく。むしろーー」

「ブライス卿を陥れる魔女の罠だと?」

「はい。なので騎士団で噂の出どころを調べたのですが、結局は分らずじまいで」


 この場にいる全員の視線が意識を失ったゼニーヌへと向く。仮に本当にブライス卿がお母様におぞましい欲望をぶつけていたとして、それがどうしてお父様を呪殺した犯人へと繋がるのか。いくら考えても分からなかった。


 魔女お得意の嘘という可能性もありますが……。


「……お母様の次のメディカルチェックはいつですか?」

「今日です」


 考えても仕方ありませんね。


 部屋を出ようとしたら、ラーズに腕を掴まれた。


「待つんだリーナ。まさかブライス卿とことを構えるつもりなのかい?」

「噂が事実であれば。まずはその確認です」

「その前にマラート王妃に相談しよう。いくらリーナでも無策で守護剣と敵対するのは無謀だよ」


 ラーズは騎士としてではなく幼馴染として忠告してくれている。確かに彼の言うことはもっともだ。だけどーー


「私は反対よ。ゼニーヌが魔女であった以上、マラート王妃を簡単に信用するべきではないわ」

「王妃様を疑うのかい? いくらなんでも不敬だよ」

「いえ、私もフローナの考えに賛成です。従者が魔女だった以上、マラート王妃も警戒するべきでしょう」


 魔女の正体を暴くのは確かに難しい。だがあの聡明な王妃が今までずっとゼニーヌの正体に気が付かなかったなんてことありえるだろうか?


 ラーズは私達の考えに不満そうではあったけど、同じ疑問を抱いているのか反論はなかった。フローナが自身の顎に指を当てる。考え事をする時の、彼女の癖だ。


「でもブライス卿と対立する可能性があるなら確かに協力者は必要ね。普通に考えれば守護剣に協力を頼みたいところなのだけど……」

「ブライス卿が疑わしいからと言って守護剣全員を疑うなんて馬鹿げているよ。僕はアイスさんに協力を頼むべきだと思う」


 感情を読み取らせない、冷たい美貌が脳裏に浮かんだ。


「でもアイスさんはブライス卿と同じで王妃様のメディカルチェックに関わっているのでしょう? こちらの動きを察知されないためにも、私はラウさんにお願いするべきだと思うわ」


 守護剣で三指に入る剣士。確かに彼ほど頼りになる男性は今この城にはいないだろう。


「どうする、リーナ?」

「貴方が決めてちょうだい」


 アイスさんか、それともラウさんか。


「私はーー」

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