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49 裏切り者

「守護剣が!? そんなはずがないであります」

「んぁ……あ、ああ……」


 メイドが体をどれだけ揺すってもダークエルフの虚ろな瞳に正気は戻ってこない。人間の創作物を真似て快楽を誘発する様々な液体を使ったせいで、褐色の肌から垂れるモノが今も床を濡らしている。


「……やりすぎたか?」

「聞く必要あります? どう見てもやりすぎですわ」


 黒髪の女騎士は何故か股をピチリと閉じて、自分の体を抱きしめている。心なしその頬が赤い。


「どうしたんだ?」

「どうしたって、あんな卑猥なモノを見せておいてよくそんなこと聞けますわね。……ハッ!? ま、まさか私にもアレをやるつもりじゃありませんわよね?」

「? して欲しいならしてやってもいいぞ」


 魔術で作った黒い触手を動かせば、サーシャが猫と遭遇したネズミの如く飛び跳ねた。


「ヒィいいいい!! そ、そんなわけないでしょ。それ以上その穢らわしいものを近付けないでくださいな」

「なんだ、そういうことか」


 暗殺者を触手で責めてる間、興味深そうにずっと見ていたので、てっきり興味があるのかと思った。


「ほら、これでいいだろ」


 触手をしまえばダークエルフが力なく床に倒れ伏す。


「まだ質問は終わってないであります。起きろ、こら、起きろ」


 メイドがどれだけ揺すっても快楽に理性を砕かれたダークエルフはうんともすんとも言わない。体力の回復には相当時間が掛かりそうだ。


「随分焦ってるようだが、守護剣とやらが悪魔と通じてるとそんなにやばいのか?」

「当然ですわ。守護剣は爵位持ちの悪魔にも単身で対抗できる剣王国の絶対強者。裏切っている守護剣が複数だった場合、亡国の危機ですわ。いえ、それ以前に剣王国に潜む爵位持ちの悪魔をなんとかしなければ、比喩ではなく国が滅びますわ」


 ダークエルフの話では剣王国の上層部に爵位持ちの悪魔が潜んでいて、守護剣とやらを含めた何人かはすでに悪魔の誘惑によって手駒と化しているそうだ。俺に暗殺者を送ったのも、悪魔の眷属となった一人らしい。


「悪魔が一匹入り込んだだけで随分大袈裟なんだな。誰が悪魔なのか分かったんだから今らか行って倒して仕舞えばいいだろう」

「肉体という領土を持った爵位持ちの悪魔をそんな簡単に倒せたら苦労しませんわ。しませんけど…………あの、一つ聞いてもいいですの?」

「なんだよ?」

「ひょっとして爵位持ちの悪魔を倒したことあります?」

「ああ」


 サーシャが黒色の瞳を見開き、ダークエルフをなんとか起こそうと頬を張っていたメイドがその手を止めてこちらに駆け寄ってくる。


「ご主人様、お願いであります。剣王国に巣食う悪魔を退治して欲しいであります」

「……まぁ、別に倒してやってもいいんだが」


 国の一大事に関わればソロで冒険者をやるのに支障をきたしそうで、正直めんどい。ただリーナ達にも関わりのあることなので無視もしにくい。


 さて、どうするか。


「あ~……そういえば、なんて言ったっけ? 俺に刺客を送り込んだ奴。リーナ達と仲がいい奴なんだろ?」


 俺の質問に剣王国の元将軍であるメイドは忌々しそうに隻眼を細めた。


「ラーズ。ローズマリー様の幼馴染にして、忌むべき人類の裏切り者であります」

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