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24 金縛り

「リーナ様。お逃げください!」


 廊下に飛び出すとまず目に入ったのが、壊れたドアと廊下の壁を背に尻餅をついているラーズだった。彼の手には異常事態を告げるかのように抜き身の剣が握られており、その頰や腕からは血が流れていた。


 まさか刺客がラーズ達の部屋に潜んでいた? 


 状況的に考えるとそれが一番可能性が高い気がする。


「フローナはラーズの治療を、ピピナは二人の護衛をお願いします」

「分かったわ」

「了解」


 ドアを無くした部屋の入り口から中を覗き込む。人の気配はあるけれど、ここから見えるところには誰もいない。


「リ、リーナ様、危険です」

「こらこら。怪我人は大人しくしてなきゃダメだぞ」

「ほら、傷を見せて」

「ラーズ、中には何人いるのですか?」

「え? あ、それが、中にいるのはーー」


「やめてください!!」


 部屋の中から聞こえてきたのは切羽詰まった女性の声。どうやら悠長に話している時間はないようだ。


 私はラーズ達の部屋に飛び込んだ。


 剣は……狭いですね。ナイフにしますか。


 小さな刀身を手に廊下を進み、外からは見えなかった部屋の中を視界に収める。そこでは床に倒れ伏したゼニーヌに凶相の男が今まさに斬りかかるところだった。


 彼は護衛の? いえ、そんなことを考えている場合ではありませんね。


「武器を捨てなさい」


 忠告と同時に剣を持った男性を横合いから蹴り飛ばす。魔力を纏った私の脚力は成人男性を容易く壁際まで吹き飛ばした。


「リ、リーナ様!?」

「これは一体どういうことですか?」


 部屋の中を素早く確認。刺客とゼニーヌの他には床に倒れている男性が一人。うつ伏せで顔が見えないのでハッキリとしたことは分からないが、四人いた護衛の一人だと思う。


「ゼニーヌさん、彼の治療を」

「そ、それが体が動かなくて」

「呪術。貴方寝てましたね?」

「す、すみません。でも、あの、護衛は交代制でまずは私がその、あの、きゅ、休憩を」

「いえ、別に怒っているわけでは……」


 ゼニーヌが寝ていたベッドに呪術の触媒が仕掛けられているはずなのだがーー


 蹴り飛ばした男がもう起き上がってきた。触媒を探している場合ではない。


 私は悪いと思いつつもゼニーヌの襟首を掴んだ。


「え? あの、リーナ様?」

「すみません。ちょっと出ていてください」

「ひゃあああ!?」

「へっ? わわっ! ……ふぅ。あっぶないな~」


 動けないゼニーヌを投げるのは少しばかし躊躇があったが、ピピナがうまい具合に受け止めてくれたようだ。後の問題はーー


「一応聞いておきますが話を……する気はなさそうですね」


 男が問答無用で襲いかかってきた。

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