暁の疑問
今度は中国が宇宙ステーションCSSを開発しているらしい。
「お父さん」
「お、どうした?あきら」
暁は正太郎のところへ行った。
「CSSって、チャイナスペースステーションの略?」
「なにが?」
「ISSが国際宇宙ステーションだからインターナショナルスペースステーションかなって?」
「さあ?」
「ISSの軌道とCSSの軌道はぶつからないの?ぶつかったら落っこちてくるの?」
「いや、ぶつかりそうになったら軌道を変えるんじゃないかな」
なんだか生返事です。
「ねえ、お父さん〜」
「すまん、あきら。寝させてくれ!三日徹夜して休むとこなんだ」
真昼間です。
「ねえ、お父さん〜」
ゆさゆさ。正太郎はなかなか寝せてもらえません。
「ISSとCSSがぶつかりそうになったらどっちが避けるの?国際問題にならないかなあ」
「うるせー、寝せろ!」
ぎゃあぎゃあ。
「あっ、こらあきら!お父さんの邪魔しちゃだめ!」
亜紅が気づいて止めに来た。
「ねえ、お母さん!お父さんならなんでも知ってるんでしょ?」
「過剰な期待」
解説君が傍から言いました。
ISSは赤道面に対して51.6度の軌道傾斜角で、CSSは41.5度。一見ぶつかりそうにないが、地軸が傾いているため、軌道は刻一刻と変化する。重力と推進力?が釣り合うおよそ400キロの高さで漂っているデブリ(宇宙ゴミ)とぶつかったりするし、絶対ぶつからないとはいえないと思うのですが……。ただしISSは運用期間が過ぎたら分解して処理されるかもしれませんし、やはり杞憂かもしれません。