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謎の老人

「お主、珍しい力を持っておるのお」


ソウがフィエルテ魔法騎士学校の門の前にいる時、そんな風に声をかけてくる謎の老人がいた。そして、その老人はソウを見て、珍しい力を持っていると言ったのだ。ソウは、その言葉に体が反応してしまう。なぜなら、まさに今、ソウには図書館でも記述がないようなギフトを持っているからだ。珍しい力という言葉に心当たりがありすぎた。


「なぜ見ただけでそう思う?」


ソウは、冷静を装い、理由を尋ねた。


「そんな明からさまに漏れ出してたら、簡単に分かるワイ。まあ、ワシだからなんじゃが。」


最後の方は、ささやき程度の声でソウには聞こえなかった。しかし、謎の老人にはソウから漏れ出している何かが見えているということらしい。


「そうか、きっと本当なんだろうな、その言葉にはめちゃめちゃ心当たりがあるしな。」


「まあ、お主は全然ダメそうだがな。」


謎の老人は少し笑いながら、そう言い、立ち去ろうとする。


「ちょっと待ってくれ、頼む。今俺はこのギフトをもらったはいいが、全く使いこなせていない。いや、それどころか使い方もわからない。どんなギフトなのかも。たぶん、一度だけ魔法を使えたんだけどな。それもまぐれだ。」


「ほう、一度発動できたと?」


「ああ、一度だけだが確かに使えた。しかし、その後気も失ってしまったりして、記憶も曖昧なんだ。」


「まあワシも今は特にやることもないし、一度発動したということで、少しなら話を聞いてやってもいいぞ。」


「本当?ありがとう!」


「じゃあ、まずワシを家まで運んでってくれ。」


「え、、。」


「ほれ、早くせんかい、話をしたいんだろ。」


「う、うん、わかった」


今、ソウは非常に不思議な状況に陥っている。フィエルテ魔法騎士学校を見にきたら、そこで出会った老人を家までおんぶしているのだ。まあ、ただその老人は普通の老人ではないらしく、気魔法について知っていそうなのだ。それならおんぶしない訳はない。


「ふう、疲れたのう、やっと着いたか。」


「おんぶされてただけだろ、ていうかここが家か?」


「ああそうじゃ」


見ると、王都にある家の中でも相当大きい部類であることは間違いない家が目の前にあった。


「もしかして、すごい人だったりするのか?」


「そんなことはない、ただの研究オタクだ。まあ10年くらい前まで、フィエルテ魔法騎士学校で研究していたがな」


「おい、めっちゃすごいじゃんか。俺はその学校に入りたいんだ。」


「ふふ、大体予想はしておったよ。10歳くらいのギフトもらいたての子が門の前で眺めていて、しかも10日後は入学試験だ。」


「そう言われると、そうか」


「まあ、入れ。」


そう言われ、謎の老人、ではなく元フィエルテ魔法騎士学校の研究者の家に入った。


「まあ、座ってくれ。簡単にワシの自己紹介でもするか。ワシは、名をグロムと言ってのお、さっきも少し言ったが、ワシは10年くらい前までフィエルテ魔法騎士学校の研究者だった。しかしそう大そうなものではなく、学校の研究者の中のあぶれ者みたいなもので、特殊魔法研究をしておった。特に無属性魔法とかのやつをな。だから、お主の珍しい気魔法も分かったのじゃ。」


「なるほど、そういう訳だったのか。俺の名はソウ。2.3ヶ月前にギフトで気魔法をもらった。俺は剣士志望だし、剣術系の才能はないから、いくら努力してもやっぱ上級剣士や他の良いギフト持ちに勝つにも限界があると感じているんだ。10日後の入学試験もあるし。俺はLegend級冒険者に絶対なるという野望がある。だから、そのためにも気魔法というのを教えて欲しいんだ。ダメかな、グロム。」


「Legend級か、なかなか面白い目標じゃな。まあ、ワシは知識しか教えることが出来んから、やるのは自分だ。それでも良ければ教えよう。ワシとしても気魔法を見られるのだから対価は要らんぞ。10歳児だしな。」


「まあ、まず気魔法についてと言いたいとこだが、昼飯の時間だ。ご飯食べながら話するとしよう。」


そう言ってグロムは、キッチンの方へ向かって行った




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