不遇魔法を極めたらサキュバスハーレムを築いていた件
熟練の冒険者に求められる資質とは何か?
努力? カリスマ? 運?
────今回焦点が当てられるのは効率化である。
ローコスト、ハイリターン。少しの魔力で大きなダメージを期待できる特技、魔法こそがこのファンタジー世界では最も重要だ。数多の冒険家が経験値や金を稼ぐために、効率的な稼ぎ方を模索し強くなろうとしている。
多種多様の種族が存在する冒険家共通の目標は、世界の中心に聳え立つ建造物、真理の塔の頂上にたどり着くこと。未だ誰も制覇していないこの塔の頂上にたどり着けば、世界を支配できるとか、永遠の命を得るとか、不透明だが確実な逸話が残っている。
世界説明はこれくらいして、ある男の話をしよう。アレスという少年はある魔法を研究していた。相手の生命や精神力を奪い自分のものにするドレインという魔法である。
攻撃と回復が同時にできる。それだけ聞けば強そうだが、この魔法は効率が悪い。ダメージ目的なら他の魔法、回復目的なら他の魔法である。つまり他の下位互換。
アレスが極めたのはさっき述べた効率化とは逆の発想。相手にドレインを使わせれば、良いのではないか? ドレインエリア。
これは、サキュバス達と紡ぐ吸収ファンタジーである。