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赫銀伝記-炎氷の天狐-  作者: IOPOQ
魔女の目覚め
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2 魔女に仕える者達


ジルさまに1126回目の使い魔を送った。

いや、送ることに成功した。


僕の主である銀陽の魔女さまはそれはそれはお強い方でー。

過去の大戦で敵陣に、嚇々たる銀の魔力を纏った化け物なんて言われてたりもしたらしいー。


可愛くないねー?僕はジルさまにそんなの似合わないなーって思うけど。


ジルさまは100年ぐらい前に大きな魔法を使ってそれきり、自室のある塔に結界を張って眠ってしまった。


あの時はジルさまのことが心配でならなかったけれど、半月程経って塔の窓から舞い落ちる銀の花弁を見て、ジルさまの魔力を感じることが出来て、すごーく安心した。


その日から僕はジルさまの様子を見に行こうと何度も塔に近付いたけれど、結界が僕を入れてくれなかった。

悲しかったなあー。


隠密が得意な影人の執事、プロムも術を使って入ろうと試みていたが、失敗に終わったようだった。


だから僕らはアルカナの管理のためにひこひこ働いてー、ううう、ジルさま。

お目覚めになられたら覚悟してて下さいよー。











そうして気が付けば主が眠ったのはもう100年も前のことになっていた。

僕はこの100年間、ジルさまに使い魔を送り続けた。


「あら、ドルキス。またジル様に使い魔を?」


突然、転移であいつらが現れた。


ジルさまが僕より前に拾ったダークエルフの女。

その後ろにサキュバスのメイドが付いている。

エルフ特有の精霊術でこの城と周辺を守護しつつ、眠ってしまったジルさまに思念を送っているらしい。

サキュバスのーメイドのーあいつ、ケラーは、思念を送る時にレピダを補佐しているんだと。


この女共、能力は高いくせにやたらギラギラしていて、僕はあまり好きじゃあない。

可愛いものが多い僕の部屋には似合わない奴らだ。

ジルさまはあんなに可愛いのにー。


「うんー。」

「ふふ、早くお目覚めにならないかしらねえ。私寂しくなっちゃったわ。」


レピダは口をとがらせながらくねくねしている。


「なに、僕に用なら早くしてー。」


いつも通り冷たい表情で言う。


「早くしろって何よ!んもう、折角ジル様の思念の鍵が緩くなったって教えに来たのに。」

「え!ほんとう!」


僕は思わず翼を出してしまった。


「はい、ドルキス様。レピダ様の術に私の夢術を乗せてお呼びかけたところ《もう少しだけ》とのことで…。」

「おーサキュバス凄い。流石ケラーだねー。」


嬉しくて翼が仕舞えない。


「えーちょっと、私は???」

「…うーん。」

「何よそれ!もういいわよ、私はベラトーラを呼んでくるからジル様のことは頼んだわよ!」


そう言って部屋から出ていくレピダ。


「ふふ、ドルキス様はもう少し素直になられたらよろしいのにね。」

「どういう意味それー。」


ケラーが楽しそうな顔をしていた。


僕は嫌いだよあいつ。

そんなに嫌でもないけどー。






2日後、ジルさまは目を覚ました。











ふうー。

ドルキスは職務を終え自室に戻った。

なんとも可愛らしいモノが溢れた自室で白の天使は息を吐く。


やっと、やっとだ。

また元のようにジルさまが戻ってきてくれて…ああ、何だか少し泣きそうだ。


お仕事を嫌がるジルさま…。

うん、何とかしよう。


窓を開け、夜の森を眺める。

ここは美しいところだが、今日は特別美しいなー。

星空が銀色に輝いている。

ジルさまの暖かい魔力に似てるなー。

この心が満たされる感じ…


『すまないが、城門に集まってくれ。』


脳内に声が響いた。

これジルさまじゃんー!


ドルキスは純白の翼を広げ、勢いよく窓から飛び出した。











ー城門、エントランスにて






銀の輝きが夜空を舞う中、主が降りてきた。


「皆遅くにすまない。魔力で酔わなかったか?」


そう配下を気にかけるジルは腕にクリーム色の毛皮を抱えていた。


「いいえジル様、いつもの様に暖かくて気持ちが良くて…じゃなくて、その腕のものは…?」


レピダが覗き込む。

長い耳がぴこぴこ動いている。

興味津々のようだ。


「ああ、さっき森で拾った。私が育てる。」


ジルの背後には執事のプロムがついていた。

こちらに深く礼をする。


「ジルさま…?それを…、育てる…?そのもふもふ?ええ…?」


ドルキスは困ってしまった。

可愛らしいクリームの毛皮がジルさまの腕の中ですうすうと寝息を立てている。

どうやら少し怪我をしているようだ。


「ジル様、こちらで傷の手当を致しましょう。」

「ああ、ケラーか。すまないな、起きてきて早々こんなこと。」

「と、とんでもございません。さあ、こちらへ。」


ぽかんとしている大公の二人。

ジルはレピダとドルキスを交互に見つめて、子供のような笑みを浮かべて言った。






「まあそういう事だ。」


拙い文章で申し訳ねえ、、、

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