真田三光との出会い
20XX年3月 東京都内某所
薄暗い高架下を歩きながら後ろからついてくる気配について私は考えてみる。間違いない、ストーカーだ。しかもしつこい。どうしようか。やはり、警察に相談したほうが良いのだろうか。とりあえず今は、ストーカーから逃げることを考えよう。
その半月後
私は、ある所の前にいる。意を決してその中に入ってみた。
「いらっしゃい。」
その部屋の奥にいた男性が言った。
「あのっ」
「見た目から推理すると10代後半、つまり大学生。この真田探偵事務所に来たところを見ると、ストーカーにでも困っているのかな?」
私はその人が私が相談しに来たことはお見通しだよ、とでもいうように言ったことに驚いた。
「はい、そうです。でも、なんで・・・」
「なんでかは教えられないね。それは、企業秘密だからさ。」
「は、はぁ。」
「それよりそこに座って、ぼくにそのストーカーについて教えてくれないかい?」
私は、その言葉でここに来た理由を思い出した。
数分後
「なるほど。つまり君、緑川鏡子はそのしつこいストーカーについて困っているということか。」
「そうなんです、真田さん」
私はその男性、真田三光所長に対して答えた。
「長門君、梟木君たちが適任だね。」
「ナガト?キョウボク?」
「うん。君たち出てきてよ。」
そう、真田さんが言った途端、1人の男性が現れた。長身で緑がかった髪色をしている。
「お呼びですか、真田所長。」
「あれ、長門君は?あっ、こちらは梟木御一君だよ。」
「隠し部屋でゲームやってるか新しいウイルスを作ってるんじゃないんですか?」
私は、ウイルスを作るのって犯罪じゃないのかなと思いながら私は、二人の話を聞いていた。
その時、いきなり違う人の声が聞こえ、その姿を現した。
「そりゃないっすよ、三光さん。俺はこの娘のために、YOSHITUNEの用意をしていたんすよ。」
「真田さん、この人誰ですか?あとヨシツネってなんですか?」
私は、気になったことを聞いてみた。
「ふむ、彼から自分で説明してもらったほうが早いだろうな。」
「初めまして。長門佐武郎っす。YOSHITUNEは俺の作った便利なウイルスっすよ。あるケータイに近づいたケータイに対してどんどんうつっていくんす。ただ、うつった後は半径50m以内にいないと消えてしまうんす。だから、ストーカーを見つけることができるんす。」
「でも犯罪じゃ・・・」
「犯罪?サツには許可取ってるんで大丈夫っすよ。まぁ、ばれなきゃ犯罪じゃないんですけどね。」 私は、長門さんのその言葉に引いてしまった・・・。
数日後
私は、大学で友人とともに講義を受けていた。今も、ストーカーの視線を感じている。隣に座っている真智子と神代には、ストーカーについて話してある。
「ねぇ、鏡子。あなた探偵に相談したんでしょ?ストーカーは捕まったの?」
真智子がそう聞いてきた。あの後、YOSHITUNEを入れてもらったし、梟木さんに今も見守ってもらっている。今朝、今日の放課後に事務所に来てくださいとメールが来たのでそのことを伝えると、
「そこほんとに大丈夫なの?なんか役に立たなくない?」
真智子がそう言ってきた。
「そうじゃないよ。一番安全で安い方法なのがこれなんだって。」
「そうなんだ~。」
「こらーーーーーーーー!!!そこ、しゃべるんじゃない!!!」
まじめで有名な、馬路教授に怒られてしまった。これはマジやばい…。




