表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異本昔話  作者: うどん
1/2

KAGUYA

書き

世界最古の逆ハーヒロイン。

それが私。プリンセスKAGUYAよっ。

名門中の名門の男性達全てに決定打を出させないようにしつつ、

隠しキャラである、皇帝を出現させるやいなや、

更に隠しルートに進み、

誰か一人の者になることなく、

皆に想われながら月へと去るというTRUEエンディングを選んだ初代愛され系ヒロイン。


そんな彼女が転生者であることを知る者はいない。







はい、突然ですけど私かぐやは転生者なんです。

竹を伐っては細々と生きているおじいさんが、年甲斐もなくおばあさんの親戚筋の若い女を孕ませた上に、どちらにも似ていない美少女(わたし)が産まれたから、

それを隠す目的5割、神秘的なキャラクター設定で男を騙す目的5割で、竹から産まれたことになりました。

そんな人間いるわけ無いのにね。


それと、7歳まではおばあさんに見つからないようにこっそり育てられたもので、

其処を誤魔化すために、急成長したことにもなりました。


まっ、勿論全部嘘、なんですけど。



普通に考えればどう考えても嘘だと判るんですけど、男ってバカですね。

簡単に騙されてくれるんです。

田舎者のおじいさんやおばあさんが考えた、貴族的なミステリアスな女性(笑)というナンセンスの塊のような教えが、

月面的顔面を持つ美少女である私(凸凹ニキビ面という意味では決して無い。)と重なって化学変化を起こした結果、

私の美少女っぽさと相まって、逆にマッチしているという具合になったせいでしょう。


身も蓋もない言い方をしてしまえば見た目が良ければ何でも好意的に見てくれると言うことですね。

男ってホント馬鹿。(但し、イケメンは除く。)


現代人であった私がふざけてやったヨガのようなエアロビクスの様なほにゃほにゃ踊りや、沖縄民謡風味のスローラップが、逆にこの時代の人にはセンス良く映ったのかも知れませんね。

私が月生まれ(という設定)の美少女でなければ、キ○ガイ扱い必至でしょうけども。


それと、この時代の貧相な栄養で育ったにも関わらず、以前の通りに育った異国情緒漂う(実は思いっきり国産ですが…)ボディラインとか、殆ど筍しか食べさせてもらえなかったにも関わらずニキビもでない肌だとか、この国の人には素敵に映ったのでしょう。


私が飛び抜けて美人というよりかは、

この時代の人々がちょっと残念な容姿が多いという気がします。

どうも、この時代までは見た目は異性を惹き付ける要素では無かったため、

美人の子孫が少なかったのかも知れませんね。

あくまでも私の予測です。


後二千年もすれば、恋愛至上主義な国になり、見合いがなくなり、不利な容姿に対し淘汰が進んで美人が増えてくる筈だとは思いますが…。


現代の美人の感覚は現代人によって作られた美のイメージであり、

古代に於ける美人とは文化による感性が違うために別物だと思っていました。


好きでもないけれど、相手の親が力のあるお金持ちなので、栄養状態が過剰に富んだ(婉曲な表現)女性が好みだと嘯く男性には思わず可哀想だと思ってしまいます。

…同情も愛情もあげませんが。


確かに、ぽっちゃりロリ体型が好まれる文化がある事についてはその通りですが、

生物的に異性に訴えかける本能的な基準もまたあるのだと思っています。

対称が取れているかだとか、そういう免疫機能的な話です。



女性に限らずモブキャラの男性も残念な容姿が多いですね。

恐らくはバランスの悪い栄養状態もあるのかも知れませんね。近所の豪族は割りと私好みのイケメンで昔から辺りでは有名ですが、

一番、周囲の男達と違うのは肌の艶だと思います。

もしかすると他のモブ勢も、栄養をつければイケ度数がグッと変わるのかもしれません。


…筍しか食べてない私がそういうことを言うとイヤミになるのかもしれません。


筍大好物(なよたけ)のかぐや姫と近所どころか全国規模で有名な美少女ですからね、私は。



最初は近所の金持ちに宛がおうと考えていたおじいさんですが、

もっと凄い相手にも売れる事に気が付いてからは、地元の金持ちごときに私をやるのが惜しくなったようでした。

賠償金を請求したらもっと貰えそうだったので更に要求する発想と同じですね。


だって、地元の金持ちどころか、

若くして家柄で大臣になれるような人や、果ては王子までもが私をくれと昼も夜もストーカー…げふんげふん。

もとい、強姦魔…げふんげふん。

もとい、愛を囁いたり、臭くてこっぱすがしい手紙やミュージカルをやってくれるので、

そんな彼らに高く売りたいのでしょう。

ですがーーーー、




彼らは皆、『アレ』なイケメンばかりなのです。

貴公子ならぬ奇行子なのですよ、はぁ。


まず最初に強姦魔…もとい、体育会系の王子は矢文を送ってくるのです。


「なあ、かぐや!!

俺と交尾しようっ!! 交尾!!

薄だって穂を付けて、鹿だって夜鳴きしているというのに、

俺の想いは風や声に乗せて君に届いてはいないのか?(いや、そんな筈はない。)」

強姦未遂だとか、射殺未遂だとかしてくる人と結婚したいと思うほど私はドMではありません。

DVに怯える結婚生活などゴメンです。



夜中に覗きに来る、ベテランストーカーの学者肌の王子は、

「かぐや、君はまるで月のようだ。

君を見続けていられるなら太陽などいらない。

いずれ来る夜明けに怯え、

永遠に夜の中で君を見続けていられ無いことを僕は悲しくて食事も喉を通らない。

葉の夜露はきっと私の涙で出来ているのだろう。」

なんて言う。

栄養が足りてないのなら太陽にでも焼かれてビタミン合成してきて下さい。


お金持ちなのが自慢の大臣は、

貧乏人をバカにしまくっている上に、自分は実は言うほどお金持ちじゃなくて…そして…、いえ、コイツは別格の屑なので後で改めて言うことにするわね。


俺サマ系大臣は、

「女は黙って男をたてれるかが大事なんだよッ!! わかるかッ!?

浦島太郎だって、原作は海(異国)の嫁より、故郷の親の方が大事だからこそ嫁を捨てて故郷に帰る話なんだぞ。女より男とその親の方が偉いんだ。

だから、結婚したら俺と俺の親に従え。」

なんて言っている只のモラハラ糞儒教野郎でして…、(この時代に儒教なんてこの国に伝わっていたのかどうかは解りませんが。)といいますか、向こうの大陸から自分に都合がいい部分だけを持ってくる男に録なのはいません。


占いが得意だという大臣は、

「僕と結婚すれば大吉に、

他の奴を選べば大凶になるでしょう。

さあ、結婚しましょう。

さもないと…地獄に堕ちるよ。」

なんて、胡散臭いにも程があるので問題外です。

見た目がイケメンでも中身が細○じゃあ残念どころかマイナスに振り切れちゃう。


正直、イケメンだけど録な奴いないわね。

それともこの時代ではこれで普通なのかしら?

それにしても総合的には、人間性が酷いけれど、イケメン&金持ち貴族補正でプラスになるという微妙さ。

それでも、それだけで満足しちゃう女子には天国かもね。まるでファンタジーなお伽噺みたいで…。




イケメンでお金持ちの貴族達に言い寄られる生活って何かのゲームみたいね…………………? アレ?


と、その大臣やら王子やらのイケメン貴公子達と自分の関係を見て気が付きました。





ーーーーうわっ、

これって乙女ゲーじゃない?

…おそらく。


でも、でもね?

これでもかというほどに中身に価値のない攻略対象達。

とりあえず、客寄せ用に見た目だけ絵描きさんに募集して何とか整えて、

キャラクター設定は素人が考えました的な、…いえ、素人以下の人が作ったような感じね。

奇をてらって失敗した感じがスゴいの。

それとも定番以外をしらなくて、それを薄っぺらく準備した上に、下手の横好きというか、メシマズアレンジャーよろしく改悪したという感じ。

基本的な、俺様、その親友、のんびり癒し系先輩、教師、不良、風紀委員長、ワンコ的な後輩を揃えとけばいいか的な?

テキトーに作った携帯アプリみたいな薄っぺらさなのよね。

そしてその上に下手なキャラ付けをやってしまった。

魑魅魍魎渦向く携帯アプリの競争だったら生き残れてないわね。


もし、彼等をキャラクターエディットした人達を敢えて評するなら、

薄いし、不味い食事みたいな拷問をありがとう。

それに加えて下衆の極みの様なお貴族を攻略対象にしてくれて感謝しますわ。

と伝えたい。



何であんな男達5+1になったのかしら?

思わず、「私、男運悪すぎ…」って毎日呟いてる位なのよ。

何か足りないどころか何も足りていないわね。

せめて幸せがキープできればいいのにね。

私が婦警なら全員逮捕しちゃうレベルね。


特にお金持ちの男は酷かったわね。

私に求婚するために、俺サマ系の大臣が海に落とした玉を回収しようとして、

現地の海女とそういう仲になり、

孕ませた上で認知の条件に玉の回収を命じて、

命と引き換えに回収させた後は、認知もしなかったという屑オブ屑。

結婚どころかデートもしたくはないわね。

息子さんには父親を反面教師にして欲しいものね。


そんな屑どもをかわし続けていたら、

ついには皇帝が出てきました。


……あり得なくないですか?

いい年したオジサンが、自分の息子達の求婚相手に手を出そうだなんて正気の沙汰ではないですよって。


二人の王子だけでなく、

お金持ちの貴族迄その皇帝の落とし種という噂なんだから、録でもなさがありありとわかるわよね。

攻略キャラの大半の共通の父親なんて、地表に剥き出している地雷案件よ。

踏むバカにはなりたくないわ。


彼等の屑っぷりは父親譲りだったと良くわかるわね。

あの父親にしてあの息子あり、よね。



そんな男達からのアピールをかわし続ける生活には疲れたのよ。

だから私は一大決心をしたわ。





屑男達から、近所のイケメンと一緒に逃避行。

幸せの青い鳥は近くにあったのね。



その後、風の噂を聞くに、

おじいさんが皇帝達への言い訳のために私が月に帰った事にしたようだけれど、

私にはもう関係の無いお話ね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ