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 ども、読者の皆様こんばんわ。


 前回、船長との戦闘で見事勝利した主人公。更に何か変わったアイテムを入手しましたね。今回は何を手にするのでしょうか?


 では本編をどぞ。

「おお!!これ良く見るとミスリル製じゃねぇーか!!しかも超高級品質で軽量化の魔術まで掛かってやがる。宝石にも魔力が込められているな……後で調べてみろ、出来るだろう?」


 興奮気味に喋る船長。


「分かった。それにしてもミスリル!?あのファンタジー物質か?」


「おう、“こっちの世界”では実在するぞ。」


 “こっちの世界”ね………。


「………あんたも元“地球人”かよ。まあ薄々感じていたが。」


「まあな。ちなみに俺が移転させられたのは社会人になってからだ。確か200×年だったな。もうそれから体感だと2900年は経っているはずだ。もっともこの空間にいる時間の方が長いがな。」


「マジかよ?!今年は20△△年だったからつまり……」


「送られる時間にブランクが有るってことだな。それで、地球の様子を教えてくれよ。」


「そうか、何から聞きたい?」


 それから少しだけ地球の、日本の話をした。株やっているので世情には割と詳しいので説明しやすかった。


「そうかそうか、あそこのマンション改装されたのか。」


「まあな。」


 しかも何の偶然か、結構近所に住んでいた事が分かった。そして何と、勤め先が皇居だった様だ。本人は只の国家公務員だと言っていたが、絶対エリートだ。後、船長の日本人としての名前は………


「そう言えば改めて、俺は永谷悟郎。見た目は亡霊だから60代だが中身3000年多分越えているだろうな。短い付き合いかも知れないが、まあ宜しく頼む。」


「随分長生き?だな…。俺は鬼灯遥。今年16歳になった。こちらこそ、宜しく。で、亡霊のまま契約出来ないのか?」


 これはちょっと気になる。短時間しか一緒にいないが結構気に入ったので、それに衰えがあってもあの剣術の腕。戦力になる。


「ああそれはちょっと無理なんだなぁ、これが。俺がここに残っている理由は一重にこの船が心配だから。


 この船は、まあちょっと試練の関係上名前は言えないが、もっと前から亡霊船やっているんだよ。船自体が“妖魔”の類で気に入った相手と仲間のみを乗せる気難しい奴でよう。俺も正面に乗れる様に成るまで苦労したよ。


 最初は乗ろうとするとわざと転覆したりしていたからなぁ。しかも賢いし、雑食だからな……。」


 遠い目をしながら懐かしそうに目を細める永谷さん。


「でも俺は何度もこいつに助けられた。“思考する”船だから機転が効くし、それに……まあ後はこの船に聞いてくれよ。


 そうそう、話していなかったがこいつは陸・空・海何処でも進める特別製だ。何でも、ドワーフの鍛冶屋とエルフの魔術技師が珍しく意気投合して勢いで作った浪漫船に魂が宿ったとか言われていたな。2人共転生者だったらしい。」


「妖精族、しかも転生者特製か…。」


「で、更に収納・意思疎通スキルも持っている優れものだ。まあ幾つかヒントは出したし、後は歌通りに探せるよな?」


「まあ頑張ってみるよ。」


「そうしてくれ。」


 そう言うと、船長は消えた。さて、俺も次に行こうか。


………………………………(移動中と言う名の迷子)…………


 次に俺が向かった先は船首だ。歌の通りであれば、ここに何かが有るはず。鴉が有るって言っていたけど……船の名前は“鴉”が入るってことか?


 まあいい、確かに洞になっていて中に何か有りそうだしな。“虎穴に入らずんば虎児を得ず”だし、入って見るか。


 命綱無しで船首の太い柱にしがみ付いて頭だけを洞の入り口に入れた状態なので、非常に怖かった。だけど、一応収穫はあった。


「まさかマジで鴉がいるとは……」


「こっちも歌通りの試練とは言え、あんな無謀な事をするとは思っていなかったぞ。」


 話して来るのは鴉……ではなく、“レイヴン”と言う名の鴉型の妖魔。どうやらこの亡霊船のコアになっているようだ。


「で、一応正解何だろう?」


「まあな、だから“俺は”認めてやるよ。」


 で、船の名前は制作者が元日本人だったためか、はたまた趣味の為か………“八咫烏”だった。


「…聞きたい事が有ったんだがいいか?」


「何だ?」


「何故英語の、しかも如何にも中世的な歌?」


 そう、これはずっと疑問に思っていた事だ。別に同郷の人間に引き継いでもらいたい場合だとしても、それなら日本語でいいじゃん。


「それね〜……永谷曰く、“Load of the Wings”位余裕で読めないレベルの奴はこの船の船長になる資格が無いとかほざいていた。」


 マジかよ……それってあれだろう?無茶苦茶分厚い洋書で小人が主人公の、映画にもなって俺も見たよ。超有名なアレか……でもあのレベルを味わいながら読める日本人って………そんなにいるはずが無いから。


「いや、普通は読めないし。」


「やっぱりそうだよな。頭中覗かせてもらった時に俺もそう思ったよ。いや〜俺が特別馬鹿って訳じゃないんだな〜良かった〜!」


 俺も死にたく無かったら必死で読んだ覚えが有るな……あの時は師匠を恨んだけど、結果として助かりはしたな…感謝はしないけど。


 後、サラッと今“頭を覗く”とか言わなかったか?


「なあ、頭の中覗くって……」


 説明が長いので概略すると、どうやら定期的に船の持ち主についてはデータを取るみたいだ。一種の健康診断的なものだって本人は主張しているが、プライバシー無いのな……まあそれも仕方が無い事かも知れないが。何故なら………


「お前の存在自体が“航海記”だったとは……」


 そう、実はさっきから聞きたかった事は“航海記”の引き継ぎについて。どうやらこの船の所有者はそれを代々継承する様なので。


「普通に考えればあんな場所に冊子とか置いたら汚れて直ぐ駄目に成るだろう?俺ならそうはならねぇな。それに“船首の洞”何て場所にわざわざ入ろうと思わん。大体船首って言うのは船の一番先頭に有る訳だから壊れ易い、だからこそ敵は気付かない。」


 そう、こいつがこの船の“コア”部分。


「まあな。でも随分と大胆、と言うより無謀だな。大砲とか撃たれたり、流氷に当たったりして壊れたらどうなるんだよ?」


「ん?それなら特に心配はないぞ、だってコアが無事なら船の修繕は直ぐ終わるし、それに、普段から俺が船全体に結界張っているし?」


「………成る程ね。それなら納得だな。」


 つか、“コア”が無事なら復活って………スライムかよ。


「それにしても永谷船長の話と違って何かこう……割とフランクだな。」


「ああ、それに関してはアイツが全面的に悪いから。聞いてくれよ!あいつと始めてあった時に………」


 話が長いので省略。ただ、故人の悪口は極力言いたく無いが、永谷さんのクルーでは無くて本当に良かったとこの時ばかりは思った。計画性のけの字も無い人の元で働くのは本当にマジで大変そうだ。


「……と言う訳だ。とまあ、ちょっと長話し過ぎたな。俺からの試練はこれで一応終わりだ。ああちなみに船の外見上のデザインは契約後お前の記憶を元にまた構成し直すから、希望が有るなら後で教えろよ。中身は変わらないんだけどな。それと、船を使わない時はコア、つまり俺が倉庫代わりになるので心配ご無用だから。便利だろう?」


 ドヤ顔はうざったいが、その件はかなり助かる。


「確かに。ダンジョンとか狭い所ではこれだけの大きさだと邪魔になるし、その機能は有り難い。」


「そうだろ?そうだろ!さて、俺今機嫌が滅茶苦茶いいから、次の試練についてヒントをやるよ。歌の該当部分は“月明かりに照らされた星の辿る複数有る運命の終着点”の所。これが俺なりの直訳だ。ここから色々想像してみろ。ちなみに地球でも命に関わる結構重要な職業があったらしいな。」


 お、分かったかも。


「成る程……分かった。有り難い。」


「へへっ!!じゃあ頑張って説得しろよ!また後で。」


 さてと、亡霊2人の居場所を探しますかね。それが本日最後のクエストらしいし。


次回


「そう言えば、船旅に必須のモノって何だろう?」


 ……………(考え中)…………


「そうか!救命ボートと数日間の食…」 「「遭難する事前提?!」」


*主人公は多分遭難しません、今の所。

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