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それでいいのか異世界転移?!(仮)  作者: 小型漂流者D
第2章 北の大陸(珍道中開始)
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6 クロエとの約束④管理人達のモニター観戦⑵

 読者の皆様どうもこんばんわ。やっと戦闘シーン書けましたよ!…キリがいいので今日は少し短めです。


 それでは本編をどぞ!

 しんと静まり返ったモニター室。皆息を呑んでいた。


 モニター越しの人型魔物2体。互いに牽制し合い、静かに構えを取っている。


 一方は全身黒色のレザーアーマを纏っている中世ヨーロッパの黒騎士を思わせる男。……黒いオーラを放つ巨大な銀色の西洋剣を軽々と持ち上げ、鎧を纏っているのに身軽そうに構えている所から“熟練”である事は明白。


 上段の構え……非常に攻撃的な構えを取っていた。


 そしてもう一方は紺色の道着を羽織った見習いに見えなくない若者……ただ、帯の色は黒色で、その隙の一切無い研ぎ澄まされた出で立ちから“達人”だと分かる。


 刀は抜いておらず、”無手”の構えを取っていた。


 きっとこの情景を見ても、”事情”を知らなければどちらが“挑戦者”なのか分からないだろう。


 そして、試合を行うのは“古代ローマ”を模した、厳格かつ重厚な雰囲気を放つ闘技場。


 —無機質なコンクリートの灰色

 ——誰も存在しないがらんとした観客席。

 ———時折“建物内部”に見える牢屋の様な“鉄格子”。


 それらが更に緊張感を高めている………ああ何と心地の良い緊張感。


 そして、一瞬……瞬きしたかしないかの瞬間。


 ヒュン


 鳴り響く風切り音。


 いつの間にか全身黒尽くめの男が西洋剣を振り下ろし、反対側に移動していた。一方、紺色の道着を着た反対側にいた方は腕から血を流していた。


 ここで、黒騎士が憤った様子で問う。


「……何故避けない?」


 神妙な様子で答える若者。


「約束だからな…見事な一撃だった。だが、この程度か?」


 直後、若者の姿がブレ……次の瞬間…


 ドカン…ガガガガガ………


 反対側の壁に黒騎士が埋まっていた。


 驚いた事に、紺色の達人は刀を”一切”抜かず、素手でその攻撃を繰り出した様だ。その証拠に黒騎士に鎧に若者の血が付いていた…攻撃の際に着いたのだろう。


 そして、元に位置に姿を現す。その間、僅か15秒。


「…遅い。」


 そして、黒騎士の方向へそんな挑発的な言葉を述べた。


「ッ……まだ、だ。」


 黒騎士は血反吐を吐き出し、満身創痍と言った状態で壁から抜けた。壁は彼が抜けたと同時に、何事も無かったが如く修復された。


「来い。」


「………。」


 再び西洋剣を俊足で力強く振るう騎士…我々では速過ぎて一瞬しか見えない。だが若者はそれ以上に速く、姿形が見えない。


 ……双方とも疾風の如く攻撃の間を駆け抜ける………そしてカウンターが決まり、吹き飛ばされる黒騎士。


「……人間形態が駄目なら“獣”形態で来い!!本気を出さんか!!!」



 一喝する若者。それに反応する様に、黒騎士の姿は変わって行った。


 全身濡れた様な漆黒で、所々黒く光沢の有る“鱗”に覆われた巨大な馬の姿……………それはクロエ本来の姿だった。


「……グルルル…ギャオオオォォォォ!!!」


 —白く研ぎ澄まされ、鮫の如き鋭い牙

 ——鋭い眼光を放つ、引き込まれそうになる程美しい漆黒の瞳

 ———これから狩りを行う獰猛な“肉食獣”そのもの雄叫びを上げて


 そんな”ケルピー”として戦うクロエは……強かった。


 スピードは先程の5・6倍は有ると言っても過言ではないだろう。


 頑丈な黒い蹄や風圧と雫で生じた銃弾によって、闘技場の床や壁に修復の追い着かない程の“痕”が残った。


 そして、その“全て”を軽々避けた鬼灯遥…………その後ろ姿に畏怖を纏った目で見る俺達“管理人”……あの姿には、流石に冷や汗が出た。


 これで、“候補者”と言う肩書きまで持っているのだから、末恐ろしい限りだ。


 そして遥が抜刀した瞬間……………決着がついた。


「筋はいい……もっと上を目指せ。鍛え直してやる、付いてこい。」


「ああ、”今回”は完敗だ。次は負けない。宜しく頼む。」


 ……………勝者:鬼灯遥。


 モニター室は暫くしんと静まり帰った。皆先程までの試合に感動、いや、衝撃を行けて、動けなかったのだ。呼吸の音も僅かに聞こえる程度であった。


 だが、次の瞬間……………張りつめた空気を緩ませる様な情けない声を出して、”クロエの賭券を買った連中”は全員突っ伏した。


「給料〜……」


 ………どうやら給料全部賭けたらしい…馬鹿だなぁ〜…


 一方、フランクはホクホク顔で賭け金を巻き上げて行った……一瞬悪い笑みを浮かべている様に見えたのは、きっと気のせいではないはず。


 ………しかし、こいつが“鬼灯遥”か。とんでもない野郎だ。


 俺は清々しい気分のまま、職場に戻った。


 次回も宜しく御願い致します。

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