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それでいいのか異世界転移?!(仮)  作者: 小型漂流者D
第2章 北の大陸(珍道中開始)
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4 クロエとの約束②クロエの過去

 読者の皆様どうもこんばんわ。……すいません、戦闘は次回になります。ですが、これから”行く場所”を明確化するためには必要な話しだったので…だから後悔も反省もしていません(キリッ


 それでは本編をどぞ!

…………………(クロエ)……………………


 遥の“異空間”に入ると、そこはいつもの“鬼灯邸”の玄関では無かった。


 ………これは“闘技場”か?


「…………(唖然)。」


 灰色の継ぎ目の無い不思議な“石”を使って作られた円形の建造物は、今まで見たどの建物よりも頑丈でいて巨大だった。


 ……これが“異世界”である“地球”に大量に有ると言われる建物だろうか?


「どうだ(ニヤリ)?」


 遥は俺の反応に満足した様に頷いた……コイツも大概だ。


………………………………………


 俺が初めて異世界の存在を知ったのは、俺同様“光の教会”に捕まった雌の人間の話しからだった。


「ねえ、何か暇だから話そう?」


「………。」


 当時の俺は、俺の済んでいた湖を破壊した上で俺を“害獣”として捕らえ、ここに幽閉した“人間共”を恨んでいた。だから当然この“人間”も気に喰わなかった。


 だが、彼女はめげずに毎日俺に話し掛けた。


「ねえねえ、今までどんな所で生活していたの?」


「ねえ、ここから出られたら何をしたい?」


「ねえ…」


 毎日話し掛けられ、多分2年が立つ頃には俺も返事をする様になっていた……今思えば只悪態を付いていただけだが。


 そして、ある時………その日も“聖女・聖人”を名乗る者達の“実験”と言う名の拷問に付き合わされ、2人とも疲弊した状態で牢獄に戻された。


「ねえ……私達、ここで死んじゃうのかな?」


 珍しく弱気な彼女。俺自身も疲弊していた事も有り、いつもの様に嫌味の1つも言わず


「………さあな?」


と返していた。すると、辛そうに


「……私達何でこんな目に遭っているんだろうね?何も悪い事はしていないの……」


と、泣きそうな面をしながら言った。


「…人間が愚かだからだろう?」


 それだけは即答出来る。


「………“人間”にもいい悪いは有るよ?でも確かにこの“世界”の人間は、何だかちょっと違うね……」


 ………不可解な事を言ったので、俺は突っ込んだ。


「……世界?」


「うん……私はね、この世界とは違う所から来たの。」


 …彼女はいつもと違って真剣な表情をして、語り出した。


 曰く、彼女の世界では俺の様な“幻獣”と呼ばれる存在は“架空”となっていて、存在自体しないらしい。


 曰く、魔法・魔術が存在せず、代わりに“カラクリ”等を応用して生活しているらしい。


 曰く、かつて世界を揺るがしかねない大規模な戦争が起こり、現在も“冷戦”と言う形で続いているらしい。だから表面上は平和だと。


 他にも色々な話しをしていたが……どれも信じられない内容ばかりだった。


 そして彼女は“先住民”と呼ばれる存在の祖先で……現在も彼女の集落は迫害されていたと言う…それも、かつてその大地を“侵略・強奪”し、今では我が物顔で威張り腐っている連中が。


 憂いた顔でこんな事を言っていた。


「でも私達は彼らを恨まない。我々が“弱かった”から搾取されたの。…本来なら滅んで行く存在だったのに、何故かしぶとく現在まで残っていただけ。でもね、それでも我々は“誇り”が有るんだ。」


 気高く清い性格の少女は彼女の部族特有の“考え方”を俺に話した。それは笑顔で、優しげな表情で。


 ……不覚にも、俺が“好いて”しまう程の奇麗な笑みで。


 彼女は決して“美人”とは言えない。


 —赤銅色の肌

 ——小さいが高くない鼻

 ———黒色で短いが艶のある髪

 ————黒色で一重だが意志の籠った目


 ……見た目的には黒龍のシヴァに少し似ているか?


 だが見た目ではなく、内面が美しい少女。そんな彼女に惚れた日からは、拷問の酷さを差し引いても“大事な日々”となった。


 疲れていても、互いに語り合う日々。寄り添い、時には肌を重ねて(“初めて”貰いました)……だが、そんな日々もある日唐突に終わりを告げた。


 ある日を境に、彼女は同じ牢獄には戻らなくなったのだった。


 俺は最初、彼女が逃げられたんだと思った。だって、その方がいい。ここは彼女の様な“優しい”存在がいていい所ではない。


 ……そしてある時話し声が聞こえた。


「なあ、あののっぺり少女幾らで売れた?」


「…超買い叩かれたに決まっているだろう?何せ、あんな“見た目”だったからな。」


「機嫌悪いから、チーフに言うなよ。」


 それを聞いた俺は……怒りに任せて今まで期を見て逃げるためだけに溜めていた“力”を解放した。


 その結果、研究所は壊滅。俺は処分される事になり、その年の“生贄”として本部に売られた。


 そして……


…………………………………………


「……と言う事が有った。」


「…早く言えよ。」


 何故か殴られた。


「別に“北”へ行く事自体はいいから、先にそいつを探そう。“教え”の内容が俺の所と酷似している部分も有るから多分探し出せると思うが……無理だったら多分出来るヤツが仲間にいるだろうから。」


 その言葉を聞いて、俺は脱力した……そうか。彼女にまた遭えるのか。


「ただ、生きているかどうかは……」


「それなら分かる……“彼女”は俺の番だから。」


 そう、彼女とは何度も肌を重ねた…マーキングの意味合いも込めて。そして俺達“ケルピー族”特有の印を入れ、彼女を“性的”な意味合いで害す事が出来ない様にした。


 だから彼女が何処かで無事に過ごしている事は知っている……未だに俺同様、再び“相見える”事を望んでいる事も。


 一度この世界から消えた訳だが、再びこの土地に降り立つと”安心した”と言う感覚が伝わって来た……心配を掛けているな。


 きっと今頃沢山泣いて、目を腫らせているかも知れない。…出来る事なら直ぐそばに行ってやりたいが………


「……そうか、それは何と言うか………」


 複雑な表情をする遥……確かに“番”から長期間離されると精神的な苦痛が文字通り襲うからそれを気にしているのか?


「お前が気にするな。それより今は…俺を“臣下”にするんだろう?」


 それに、この痛みは相手が生きている証拠。だから寧ろ俺に取っては有り難いんだ。


 まずはこいつの”本当の実力”を見極めよう…彼女と一緒に使えるに値するかどうかを。


 そして、俺達は“闘技場”へ入った。


 次回も宜しく御願い致します。

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