1 食い道楽なスタート
読者の皆様どうもこんばんわ。昨日はすいませんでした…プロットは出来ているのですが、第2章どうやってスタートさせようか迷って……結構難産でした。
それでは本編をどぞ!
無事夜明け前の静かな時間。まだ魔大陸全体が寝静まった時間に、船を出した。
昨晩議論した結果、空の旅で北へ向かう事になった。ちなみに船の形はこの世界で一般的なもの……にしたかった。だが、黒鴉が駄々を捏ねた結局………何故か銀色で“円盤”の形をした“未確認物体”と呼ばれるアレになった。
そして、内装も俺の記憶を頼りに……何故か“帝○ホテル”と、“星空リゾート”の何店舗かを組み合わせた様な造りになっていた。
……まあ確かに何度か仕事でその辺りの間取りを頭に入れていたが…まさか“こんな所”でそんな無駄知識が使われるとは…
……………つか、マジで何故にこうなった?
いや、まあいいんだけどね?皆何だかんだ喜んでいるから。だけどさ…何て言うの、豪華すぎるんだよ!!
何で全部屋“インペリアルスイート”レベル何だよ!!!
本人に聞いたら何て言われたと思う?
「サービスだ。まあ遠慮するな!」
ドヤ顔サムズアップでそんな事言われてもね……うざいだけ何ですけど………
俺の部屋だけは内装を和室にしてもらった……だけど、結局高級感溢れていた事は言うまでも無い。ここまで来ると、本当に落ち着かない。
…貧乏性で悪かったな!でも小市民何だから仕様がないだろう?
(*小市民だと思っているのは本人だけです。)
さて、気を取り直して“空の旅”を楽しむとするか。つか、
「空からか?旅出来るぞ。」
って言われた時は結構楽しみだったんだよな。実質初めてみたいなものだし。
……いつも“飛行機”に乗っている時は気絶させられていたからな〜…(遠い目)。
でも今日は生憎の天気…夜が明けてから見渡すと、空は一面“白色”。何だかな………そう思っていたら
「船出には最高の天候だな…“雨雲”だらけだが、“雷雨”が無い。」
と黒鴉の分身が呟いた。
……まあ確かに現在この船は“雲”の上を進んでいるからな。
「……理屈は分かるが、何となく“曇り空”って“幸先よくない”って俺の出身国では取られるんだが………」
そうなんだよなぁ〜…この辺りが“ここ”と“地球”の違いか?すると、銀髪美女がこちらを振り向いた。
「遥殿、“郷に入れば郷に従え”でなかったのでは?」
若干呆れた目をしているのは…きっと気のせいだ。
「…まあそれはそうだが……何となく、な。」
うん、これは本当に何となくそう感じたと言うだけの話し。ほら……“暗雲が立ち上る”とか、雲関連で悪い諺も結構有るだろう?
「おいおい、そんな事くよくよ気にしないで魚釣ろうぜ!今日はこの様子だと大量だな、ガハハ!!」
ずっと黙って何かに注目していると思っていたら、急に騒ぎ出したドグラス。つか、今何て言った?
「魚いっぱいいるの?」
目を輝かせながら尋ねるシエル。
「おう!!あの“灰色の塊”は“空鰹”の群れだ!!!焼いても煮ても、薫製にしても美味い、最高の食材だ。」
同じく目を輝かせ…いや、全然違う。獲物を狙う野生の肉食獣の様に目を“ぎらつかせ”ながら、ドグラスは語った。
そして俺もその“灰色の集団”へ目を向けた…目のピントを調節してみたところ、確かに1つ1つが“魚”で出来ているようだった。しかも何だか……雲の中を泳いでいる。
「……それにしても何と言うか…不思議な光景だな。」
「そうか?」
見渡す限り真っ白な雲……そのはずなのに………
「………何で“魚”が空にいるんだよ?」
「俺に聞かれてもなぁ?
……“雲”に魚が泳いでいるのは“普通”だろう?」
いやいや、どうやって“気体”の水中を移動しているし?!それに、“入道雲”みたいな分厚いヤツは内部に“氷”を作っている時も有るって言うから。それに………
「なあピータ、確か動物についてお前詳しかったよな?」
ダンベル持ってずっと筋トレしている変態《兎》。
「おう、俺の筋肉に聞けば何でも分かるぞ!!」
「…筋肉は今いいとして、その何だっけ…“空鰹”でいいのか、そいつらって雨で“雲”が無くなったらどうなるんだ?」
「ああ、そいつらの事か………
確か、普通の“鰹”に戻るはずだ。」
………………………
「……は?!何だよ、それ!!特別種とかじゃないのかよ?!」
…何と無く今灰色の集団から………
「何、期待していたの?“特別種”だって?」
「ねえ今どんな気持ち?」
「ねえ、ねえ。“珍種”だと思った生物が実は“何処にでも居る”種族だったって分かって、今どんな気持ち?」
「ねえ!ねえってば!!」
……そんな神経を逆撫でする様な声が聞こえた様な気がした………と思ったら俺の背後から“グラン”が囁いていた事が分かった。
「………グラン、次の大陸で小遣い減額。プラス、武器庫の出入り1ヶ月禁止。」
「勘弁して下さい。ゴメンナサイモウシマセン調子ニノリマシタ」
……見事なスライディング土下座を決める骨。
「……小遣い減額に、1週間の武器庫出入り禁止。」
「ノオォォォォ……」
この世の終わりと言わんばかりの顔をしながら(骨だけに…ムンクの叫びっぽいな)、崩れ落ちる骨。その様子に爆笑する兎とリスと熊。
………ちなみに蜥蜴と馬は、相変わらず目を離すと“決闘騒ぎ”を起こすので、現在反省中である。
……さて、“鰹”がいるならグランに“叩き”でも作ってもらうか。
………………………………………………
“空鰹”の叩きの丼は最高でした。
「……マジで美味いな。」
身が引き締まって居るため食感がプリプリだが、それだけではない。口に入れた瞬間魚独特な油が舌の上で溶け出し、何度か噛むと、身ごと消えて無くなる……体温で“溶ける”のだ。
更にこの油には全然癖が無い上、ドグラスの加えた貝割れと幾つかの香草(シソみたいな香り)等が爽やかな風味を出していた。
……魔大陸で散歩した時“何となく”採取しておいて正解だった。後、何種類かの薬草を提供してくれたリサラに感謝だ。
そして現在、俺以外のクルー達はと言うと……
『…………。』
ガツガツガツガツ……
大体皆、無言で食べていた。…何だか毛蟹を食べる人達みたいだな。その真剣度が何だか怖い…きっと今中断させつヤツがいたら、袋だたきに遭うな。
喜べ骨。今気絶してここにいないから、そんな目に遭わずに済んだぞ。
ちなみに唯一俺以外冷静でいたのは”料理長”であるドグラスであった。
料理人らしく、皆の様子を見て満足げに目を細めて頷く。
俺は先程の兎の話しが信じられず、質問していた。
「なあドグラス、本当にコイツら“同種”か?どう考えても“鰹”とは思えない味わいだったが?」
「まあ当然そう思うよな?だが、確かに空鰹は“種族的”には鰹と同じだ。しかし、“飲食業会”での認識は全然違う。料理人の間で“鮮度の高い”空鰹を調理するのは非常に名誉な事だと言われている……“空の旅”に対応出来る様な“船”が無いと“漁”自体が不可能だからな…そして、その“身”の引き締まり具合は海の“鰹”とは別物だ。
“乱気流”を生き抜いて、その上で暫く海以上に厳しい“空”に留まる訳だからな。その上“空”に居る“羽虫の大群”等を独り占めだから栄養満点だ。」
ウンウンと1人納得した様に頷く。そして再びこちらに視線を向けた。
「……船長は確かアレだろう?長期に渡って“鮮度”を保った状態で保存が可能だったよな?今度“鰹”と食べ比べてみろ。つか、俺に“比べさせて”くれ。」
真剣に頼んで来る我が船の料理長……血の滴る包丁を抱えたままだが。
「おう。その時も“美味く”調理してくれ。」
……ぶっちゃけ俺が作るより美味しかった。流石は“プロ”の資格を持っているだけ有る。今度、亀肉を使って何か作ってもらおう。
こうしてまあ、俺達の旅は幕を開けた。
……あ、”見破る”使えば1発だったな……………
次回も宜しく御願い致します。




