34 シエルと魔女と③
ども、読者の皆様こんばんわ。シエルちゃんと魔女の関係は多分これで終了。…長かったですが、やっと次回の次くらいに冒険に出れそうです。
それでは本編をどぞ!
「…い……きろ…。」
ん、何?
「おい……だ…じょ……か?し……り…ろ!」
「遥……めん、多……の…いで………」
「気…す…な、何…わ………事だ。そ……り……」
……私は重い瞼を開いた。すると、そこには心配そうな顔をした“龍神2人”がいた。
……………ああ、やっぱり夢ではないのね。
私はまた、孤独に……
「……んな顔、するなよ。」
「ごめん、ボクのせいだよね?理由は分からないけどボクの事は嫌い何だよね?一緒に居たくないくらいに……」
困った表情を浮かべた遥に、今にも泣き出しそうな顔で必死に笑顔を作っているシエルちゃん……え?どう言う事?
「わ、私そんな事……」
すると、言葉を遮る様に遥が話し始めた。
「……事情は大体分かっているから一応説明するけど、俺とシエルの関係は、お前と俺の関係をただ“来世”やその次にまで引っ張った形になっただけだから。」
……え?
「別にシエルはリサラを出し抜こうとか、画策していた訳ではなくてだな……こいつはアレだ。只単に焦っただけだよ、俺達の“関係”に。」
?!
「ごめんなさい…ヒック……ボク…エック……遥と一緒に…ヒック…ずっと…いたいから……でも……ウェッグ…リサちゃん…ヒック…みたいに……つよく…無い…から…だから……捨てられ………エッグ…思っ…ヒック…不安で………。」
………何?遥に好かれて悦に浸って余裕こえていた訳ではなかったの?!……じゃあ私のした事って………
「ハァ〜……まあだから、責めるのは“2人同時”に好いている俺だけにしておいてくれ。完全に悪いのは俺だから。シエルは悪くないから………本当に最低なのは二股掛けている俺だから。」
そう言って何度も抱き締められた…2人に。
そっか……これなら別にいいじゃん。私にはもう“家族”はいないのだし、皆で“家族”になればいいかも。
うん、この娘も……少し私より立場が上って言うのはむっとするけど………でも、そっか。
あの初めて遭った時も、私の事を“値踏み”して余裕だと思って接してきた訳ではなかったのか。…はは、そう言えば最近“人間”になったのなら、そんな醜い“感情”も持ち合わせているはずも無いしね。
ああ馬鹿だな、私は。
それならまあ、“納得”はするよ。
だって、私みたいに“汚れた”人間社会に生きていなければ、そりゃあそんな“清らか”な心を持つ事も出来るよね。そんな“彼女”だから遥が完全に惚れたのかな?
うん、勝ち様が無いね……だって最初から“勝負”にもならなかったんだから。
ならそうだな……私が支えよう。多分今後世界を旅して回るなら、シエルちゃんや遥みたいな“世間知らず”では切り抜けない場面が沢山有るでしょうからね………2人ともそう言う事は知らなくていいし。
そうね、大体私は“魔女”。古くから薬品と魔法に秀でて、愛する人を決めるとその人に死が2人を別けるまでずっと尽す。そんな“存在”だった。
でもそんな大事な事を忘れて、契約直後なのにこれだけ“愛している”相手に迷惑と心配を掛けるなんて……何やっているんだろう。
………本当に耄碌していたのね、私。
「2人とも、ごめんなさい。それとシエルちゃんと少し話したいからちょっとだけ2人にしてくれないかしら。」
「……いいよ。ただ、頼むからコイツは責めないでくれ。」
…信用ないのね……前科があるから仕方が無いけど。
「あら、女同士で話さないといけない事も有るのよ?紳士なら、そう言うデリカシーを持たないと、その内シエルちゃんに逃げられるわよ?」
「ほぇ?」
遥は苦笑いを浮かべた後、黙って頷いてから出て行った。
そして寝室に残された私達は話し始め……いえ、“私”が彼女へ一方的に話し始めた。
「シエルちゃん、別に私は貴方の事を嫌っていないわよ?ただそうね……遥に唯一“愛されて”いる事に嫉妬しているだけ。だってね…明らかに私との扱いが違うんだもの。」
「え?」
「“え”じゃないわよ!!ハァ〜……無自覚って怖い…だからね、私は貴方に遭った時に容姿も含めて何だか色々“負けた”感じがして、悔しかったの!!!…もう、これで満足?」
「え?でも……私はいろいろできない事がおおいよ?」
困惑した顔をするシエルちゃん。
「いままでちゃんとあるけなかったし、しゃべるのもときどきおかしくなるし。いまもしゃべりかた、変でしょう?」
………まあスムーズではないわね。
「がんばっているけど、りょうりもまだ出来ないし、魔法や魔術もつかえないし、えっとこういうのって……そうだ!“ないないづくし”だった……ジショにのっていたの!」
そして何だか泣き出す寸前の笑顔を浮かべるシエルちゃん。
「だから、ボクは遥にいつ捨てられてもおかしくないの。ボクは、きっと遥いないとすぐ死んじゃうと思う。だってリサちゃんのいうとおり“弱”くて“つかえない”から。」
………そう言えばそんな事を言ったわね……………ああ、何だか私って……嫉妬して迷惑かけた挙げ句こんな酷い事を…
「逆にいっしょに戦かったり役にたったりできるリサちゃんがうらやましいよ。」
「……なら、お互いに羨ましいのね?」
……そう言った後、互いに笑い出した。
本当に下らない事に目くじら立てていたのね、私は。そりゃあ“彼女”と“私”では、全然“違う”のだから、仕様がないじゃない?
うん、何だか一気に吹っ切れてしまった。
それにね…遥にこんな私を“受け入れて貰っている”立場だった事を忘れていた。うん、こんな“厄介事”しか生まない私の様な存在を抱えてしまっているのだから、力になってサポートするのは当然よね?
きっと私はどうかしていたのよ。
さてと……
「罵詈雑言については謝るね、あれは只の嫉妬だったから。だけど、一応言っておくけれど、遥の好意を独り占めするのは許さないから。」
「うん、遥はすてきな存在だから、色々なものから好かれると思っていたからそれは分かっているよ?遥からも“こんな俺でいいのか”って言われたし。でも、それを“いいよ”ってそもそも言ったのは、私だから。
ただね、忘れられたくないだけなの。」
……本当に心が純粋な娘ね。何だか私まで浄化されそうになる……ああ、その笑顔、眩しい!
「だから、これからもきっと増える…ううん、じつは遥の“従魔”にいる人達は大体皆遥を好いているから、もういっぱいいるよ?」
………え?!
「だからリサラちゃんも独り占めはメッなの!」
え〜!!?!!?!そんなにいるの?!
「……仕様がないかな。」
「そう、あきら…め?がかんじん?なの!」
……きっと意味分かっていないわね。まあいいや。
その後も私を励ますつもり?で色々言っていたけど…何だか心が洗われた気がした。うん、だって500年以上孤独だったからね。だから“愛情”を求めていたのかも。
でも遥、そんなに既に居るのなら先に言ってよね!!…後で軽く痺れ粉を調合して盛ってやるか……シエルちゃんの分も倍増させて……フフフ…こんないい娘に“我慢”させているのだから、きっちり報いを受けてもらわないとね。
「さて、行こっか?」
「うん。改めて、これから宜しくね!」
「こちらこそ。」
次回は遥の”従魔”が登場すると思います。宜しく御願い致します。




