32 シエルと魔女と①
…読者の皆様6日に間に合わず、非常に申し訳御座いません。
さて今回は、特に後半少し胸くそ悪いかも知れないです。…と言うか、ハーレム描写って難しいです………でも、絶対”争い”は有ると思うんですよね…
それでは本編をどぞ!
今回はちゃんと体力をセーブ出来た……前回みたいな無様な真似(気絶落ち)は男としてのプライドが………
そして、シエルと改めて契約を結んだ。
本当は子供を作る時にしたかったのだが…これからは避妊具が必要になるな。
さて、俺との“契約”影響で幾つかシエルに変わった事が有った。
まず1つ目は、“人型”の時に俺同様背中に“銀龍”の紋様がある事。
これは、俺の眷属として契約を結んだ相手に必ず出る入れ墨であり、契約による俺との繋がりが強ければ強い程龍の姿が鮮明になる。
ゆえに、シエルの龍は俺のヤツと殆ど大差無い。ただ、シエルの背中には何故か“鬼灯”の家紋が一緒に入っていた。
………何となく“俺のだ”と主張しているみたいで小恥ずかしい様な、嬉しい様な。
次に、シエルの種族へ“龍”が追加された事。
眷属になるだけだったら“種族追加”と言う現象は起こらないが、俺の“半身”扱いである“番”として契約したシエルは、俺と対等であるために“世界”がそう書き加えたらしい。
…うん、俺もよく分からない。でも何となくCKMの領域の話だと思う。
まあでもその影響か、シエルも龍神としての能力を幾つか得た他、俺同様龍化機能も加わった様だ……当分変化出来ないらしいが。
最後に見た目へ顕著に出た影響。…虹の光を放つ白金色の神秘的な髪が、虹の光を放つ銀髪へと変わった事。そして、元々透明に近い白金色だった瞳も銀色へと変化した。
ん?変化が分からない?銀と白金が同じ?全然違う。白金は本当に白に近い色合で、銀色は少し金属色が濃い感じだ、と言えば分かり易いか?
まあでも、どんなに些細でもこの“変化”が有るって事で、誰が何を言おうが“俺の嫁”だって分かるからいい。
うん、これで大丈夫だ。
「お前スライム半龍神になったな。」
「うん。これで遥とお揃いなの!」
………可愛い。
ああでも……幸せだな。こうして直に肌を寄せ合って抱き締めていると、シエルの“存在”が俺へと完全に近付いた事が分かる。
まあ、元々シエルは俺に近かった様だが。
さて、少しだけこのまま寝るか。お休み。
…………………(リシアーヌ)…………………………
………ああ最低だ。
何で私は“あんな事”を言ってしまったんだろう。分かっていたのに。遥には既に“最愛”の存在が居るって。
大体、強引に色仕掛けして契約したのは“私”なのに……
私達“魔女”は魔法の他にも“薬剤”と“占術”に長けている。これは、先祖代々受け継いで来た長年の“知恵”と“努力”の恩恵。だから、当然“媚薬”や“毒薬”の作成も簡単に出来る。
……当然、“龍種”に効く“媚薬”も手元にある。
まあ後は想像出来るだろう。
実は、遥が部屋に来た時私はこっそり“媚薬”を空中散布した。そして、“滋養”と“媚薬”と言った効能の有るお茶を出そうとしたが、本人の持って来た“茶”によって阻止された。
そしてその後会話していたら効果を遺憾なく発揮して……私は他の“魔女達”と同様、望んだモノを手に入れる事が出来た。
本当に“好かれている”と思い、舞い上がっていた。
………だけど、私は“現実”を直視してしまった。
“シエル”と名乗る美女……いえ、性格的には美少女かしら?彼女を見た時“これは負けた”と思ってしまった。
見た目的には然程差異は無いと思う。だけどね、“雰囲気”が違い過ぎる。
彼女は私と違って“従魔契約”と言う、ノンリスクの代わりに繋がりの浅い“伴侶契約”に比べて薄っぺらな契約しか結んでいない。それなのに……
彼女は私を見かけると、笑顔で近付いて来た。
「あ、どうもこんにちは。ボクはシエル、遥の嫁です。」
そして、彼女の発言は私にとって衝撃だった……既に嫁がいたの?思わず聞いて見ると…
「うん。本人から言われた。」
そう言いながら、物凄く照れていた。…その姿に無性に腹が立ち、私は……気付いたら意地悪い事を言っていた。
詳しくは記さないが、相当罵詈雑言吐いたと思う。
だけど、終始彼女は困った様な泣きそうな顔で笑っていた。そして彼女の“人間”にしては可笑しな“魔力”の波動と“仕草”に突っ込みを入れると…
「ああ、ボク本当はスライムなの。遥と契約してから色々有って、今の姿になったの。これでずっと遥と一緒にいられるの!」
明るい鈴の様な声で、目を輝かせながらそう言ったシエルに……私はまた酷い事を言っていた。
「へぇ〜スライムね……あの下等種族の?私達からしたら実験動物よ?」
これは事実。“スライム”の特徴は“捕獲し易い”“保存し易い”事に有り、薬剤の危険性を測る様な実験には初期に必ず使われている。
「え……」
彼女は今度こそ笑顔を無くし、眉を下げた。その様子を見ながら私は更に続けた。
「ハルカ…彼はあの“龍神”と呼ばれる上位種族よ?本当に自分が“対等”だと思っているの?」
そしてそのまま色々言った後、止めに
「だから“従魔契約”しか結んでもらえないのね。お気の毒に。」
と言っていた。
彼女は完全に泣き出しそうな顔でぐっとこらえ、私へ
「でも、私は遥の言葉は信じているよ?だって遥だもん。」
と絞り出して、それから走って何処かへ行った。
………ああ最低。
私はただ、あのスライム、いや、あの娘に只“嫉妬”しただけ。遥に愛されているって分かったから余計にね。
私も確かに“好かれて”はいるけど、行為の最中も、一度も“愛している”って言われなかった。だけど、彼女は何度も囁いてもらっているって…その上“魂の波動”が互いに分かるって……
“魂の波長が合うものは、運命の相手”
なら、私は勝負にもならないじゃない!500年も、ずっと、辛かったけど、独りで生きて来たのよ?
そしてやっと辿り着いた相手だって言うのに……私では駄目なの?
そんな風に、私は“存在”を“否定”された様に感じてしまった。
そう思った瞬間どす黒い感情が一気に湧き出して、酷い事を言っていた。彼女は一切悪く無いって分かっていながらね。
ああ、謝らないと。…そう思っていたら、後ろから
「嬢ちゃん、気持ちは分からんでも無いが言い過ぎだよ。」
そう声がした。振り返ると……変態兎が居た。
「シエルは、確かに今は“弱い”が、決して“下等種族”では無い。寧ろ我々よりもずっと“上等種族”だ。」
まだ冷静さを取り戻していなかった私は
「……どう言う事?それと別に言い過ぎでは…」
と返そうとしたが、その前に……
「そうよ!アンタは確かに“人”の種族に含まれるけど、はっきり言ってデータの上では“人”も“魔物”も変わらないのよ?それをあんないい子を罵倒する何て……最低」
甲高く、きつい声がそんな事を言った。すると、今度は骨が出て来て
「おい、あんまり言い過ぎんな。それよりもだ、お前魔女なんだろう?“分からない”のか?」
「…何が?」
「彼女の“存在感”をちゃんと感じなかったのかって聞いているんだよ。俺達とそう変わりなかっただろう?」
「……それがどうしたっていうの?」
……ええ、本当は分かっていますとも。“一目”見た時からね。
更に彼女が説明してくれた“人化”の方法。それを聞いた時にピンと来たよ。…彼女が“変異種”だって事にね。
まさか、“スライム”に性別が出来るとはね…ただの粘性動物だと思っていたのに。
だけど、彼女が更なる“高見”に登るって言う事は分からない。
どう言う事なの?
………それから暫く後、私は理解する事になる。彼女には始めから“何もかも”敵わない事に。
次回も宜しく御願い致します。




