27 孤高な魔女①
ども、読者の皆様こんばんわ。今回は”従魔”では無いけど”契約”する予定の人が登場します。ハーレム要員です!
それでは本編をどぞ!
「さて、俺達をずっと監視していた奴、そこに居るだろう?……出て来たらどうだ。」
「……あら、やっぱりばれていたのね☆」
木陰から這い出て来た黒い物体から声が聞こえた。そして、俺達の側に近寄って来た。……声の高さから、若い女性か?
良く見ると“物体”では無く、ぶかぶかなローブを纏った人だった。全身が隠れている訳ではなく、足下の辺りが擦り切れている。その為隙間からちらりと白い足が覗かれた。
「………何者だ?」
すると、ローブからクスリと笑い声が聞こえた。
「さあね……強いて言うなら、そうねぇ〜…貴方達“人間”の言う所の“許されざる存在”かしら。まあでも貴方は“人の理”から外れているみたいだけど。」
……監視していたんだから知っているだろう?白々しい。
「私の正体は…もう少し様子を見てから教えようかしら。」
「…そうかよ。」
別に良いけどな。だが俺の“連れ”、特にグランは反対した。そして、俺にしきりに“外に出せ”と要求して来た。
「……仕様がないな…グラン。」
「よっ、と。娑婆の空気は美味いぜ!」
本当にふざけた骨だな……別にあそこは“牢獄”では無いんだか…まあいいか、後で締めれば。
でも、何となくむかついたので背後から1発入れてやったら
「痛って〜!!何しやがる!!!」
と涙目(誰得?!)で騒いだ。まあ自業自得だし(存在そのものが)、当然スルーしてから本題に入った。
「おい、それよりお前から見てどうだ?」
するとグランはいきなり真剣モードに突入……いつ見ても切替早いよな……………そして納得した様子でこう言った。
「………ああやっぱり、お前……………魔女だろう?」
「………………」
黒ローブは明らかに動揺した様子を見せた。
「しかし、やっぱり生き残っていたんだな……もう既に全滅したって聞いたが。」
「知らない!違う。」
すると、黒ローブは怒鳴り声をあげると同時に我々の前から消えた。
……全員で骨に視線を向けた。
「え、な、何だよ?俺のせいか?俺が全部悪いのか?あぁ?別に何も悪い事してないだろう?何が悪かったんだよ!!」
いや、まあそれはそうだが………
『何となく?』 ←全員。
「……理不尽だ〜!!!ウオォォォォン!!!!!」
骨は号泣しながら森の方向へ…ってそっち行ったら…
「ギャアアアァァァ…(ドッコーン)……死ンンン……………」
まあ案の定大木の根元に顔面衝突し、沈んだ。……どんまい。
……………………(???)……………………
……………想定外ね。まさか“ここに”まで、私達の“素性”を知る者が居ただ何て。
やっと、やっと“人生”をリセット出来ると思ったのに。あの人と龍神と“ナニカ”全てを同時に持っている”存在”。彼だったら私の事情も軽々“背負える”と、近寄って実際に見て確信した。
………やっと私の“伴侶”を見つけられたと思った。なのに……………
“一人前の魔女”は、自分の“生涯の伴侶”となる異性と契約を交わして初めてなれるものである。それは“人”の時も有れば、人外の存在である事も多い。
そう、例えば“魔獣”や“具現化した呪いそのもの”だって事も。
そして、契約すると長い方の“寿命”へ合わせて生きる事になる。だから、“魔女”の寿命はバラバラ。“人間達”の作った“魔女の生き血は長寿の妙薬”って言う話は全くのガセ。
…そのせいで、どれ程の同胞が亡くなった事か。
そしてコレが重要だが、“契約”するまでの差詰め“魔女見習い”と呼べる存在は“契約”するまでは“魔法”の威力が低い。だが同時に“全盛期”の姿形・知能で居られる。
まあね、契約する相手にとって“見られる”姿の方が良いだろうし?
そんな理由から、今も私は“25歳”で時間が止まっている。それも500年以上。
生まれて直ぐ、我々の部族は運命を“占い”で見てもらう風習が有った。そこで私の運命は“遅い契約”か“死”のどちらかと提示されていたそうだ。
そして契約者は人間の肉体に“黒髪黒目”で背に龍を背負い、脇腹に炎を纏い、額に華が咲き誇っている“存在”だと出ていた。
水晶越しでは所々ぼやけているから”同胞”の可能性も捨てきれなかったけど、占いに出ていた”彼”だって何処か確信は有った。
だからこそ、実は嬉しかったのだ。“監視”している事を見抜かれて。…非常に驚いたけどね。
だが………きっと彼が“事情”を知れば…契約は難しいだろう。
“契約”は強引に行った場合、双方とも確実に死ぬ。この契約は対等なもので有り、互いに納得・合意した仲で無ければ出来ないものなのだ。正に“諸刃の剣”だ。
だから私はとっととばれる前に誘惑でもして“契約”してしまいたかった。
ならば素顔を晒せばいいって?それは………今の私には出来ない。
呪われているのだ。
“光の教団”の“祓師”と呼ばれる猟犬共に捕まった時、右頬に焼印を押された……“異端”と言う文字をね。
そして、コレを見た相手が“光の教団関係者”でなかった場合、その人物の顔にも焼印が…“教会の敵”と言うレッテルが張られる。
一目瞭然だ。
そして1つだけそれを避ける方法……契約を先にしてしまう事だ。
契約をすると、我々“魔女”が幼少期施された“封印”が解ける。その際に外傷や呪いは全てリセットされるのだ。ゆえに重傷者を時々救う目的で、“従魔”が主人と勝手に契約を交わした例も少なく無い。
……この素顔を晒す事は不可能。そして、そんな相手誰が信用するものか。
だからどさくさに紛れて契約を結んでしまいたかったのだ。
ああでも仕様がない。このまま後数年もすれば、流石に“寿命”も尽きるだろう。
契約をしなかった場合の寿命は大体500年。その間に契約出来なければ……大地へ“魔素”として還る。つまり、永久に消滅する。
正直な所、私が今も存在出来ている事自体奇跡だ。
そして感じるのだ。このチャンスを逃せば私は確実に消えると。
まあでもこれもまた運命か。仕方が無い。
ああ情けない、涙が出て来た。これから独りで”消えて”無くなるんだ…誰からも認知される事無く、惜しまれたり記憶される事も無く。
でも、ちょっと怖いな。
溜め息を一つ吐き、涙を拭いた。
そして、現住居である巨大杉の洞へ入ろうとした正にその瞬間だった。背後から肩の辺りに温かい感触がして振り返ると……
「よ。ここに住んでいるのか?」
………鋭く研ぎ澄まされた“カタナ”を連想させる様な黒色の瞳が、間近で私を射抜いた。
次回も宜しく御願い致します。




