26 蜥蜴侍②
ども、皆様こんばんわ。今回は蜥蜴君との決着と…多分この島最後の従魔が出ます。もう少しでやっと旅に出れそうです。
それでは本編をどぞ!
………………………(???)………………
キーン、キーン、カキーン
刀と刀のぶつかる音が辺りに響き渡る……ここは戦場。
その光景を水晶越しに見ながら、私は遠い昔の戦争を思い出していた。
そう、“あの戦争”で私、いや、私達は全て失った。
それはまだ、“魔女”が自由だった頃の話。
それはまだ、“魔法”が一般的で“魔術”が確立されていなかった時代。
そしてそれはまだ、“人種差別”が無かった時代。
いつからだっただろうか、私達“魔女”“魔法使い”と呼ばれる存在が異端認定をされたのは。それからあっという間に投獄され、次々と皆亡くなった。
奴等は我らを“野蛮・蛮族”と呼んで取り締った。だが、正直行いはあちらの方がよっぽど鬼畜外道だろう。
彼らの処刑方法も痛みを伴い、見た目が派手なものばかりだった。明らかに我らの“命”は所詮彼らにとって見れば、只の“娯楽”だったのだろうと冷静になってみれば分かる。
公衆の面前で火あぶりの刑に処された者。足に鉄製の重しを付けたまま、海に捨てられた者。新薬開発や拷問器具等の実験に使われた者。そして、猛獣の“餌”として“見せ物”に使われた者。
……数えきれない程の同胞が殺された。
そして若く美しい者達は……言葉にする事も憚られる様な目に遭って死んで行った。
私は……私はある意味運が良かった。
捕まって奴隷にされた時、こっそりと“魔法の要素”を封印したため利用価値を見出されず、“魔大陸”に送られた。
送られてから500年。
今、この瞬間。水晶越しに居るあの若人に、私は魅入られている。
アレは純粋な“人”では無い。だが、動きや視線、そして剣気が、素人である私でも分かる………あれは“天才”何かではなく、えらく困難な修業を乗り越えて、“努力”で得たもの。
恐らく前まで人だったのだろう……もしや“実験台”か?
だとしたら……同類かも知れない。
そんな事を呑気に考えていると、あちらの若人が真っ直ぐ此方を見て来た……監視がばれている?!
……そんなはずは…だが………
まあいい。どんな奴か気になるし、行って見るか…それの同胞ならば…或いは……………
……………………(end)………………
一瞬誰かの視線を感じた。…恐らく監視されているな。
まあいい。
「スシャァァ〜(其方、まだ本気を出して居らんのではなかろうか?)」
少し息の上がった様子の蜥蜴人が言った。その間も攻撃は止まない。
「まあね、まずは小手調べだろう?」
中段から1発入れようとするが…弾かれた。
「シャア(……そうだな。だが、そろそろ決着を付けたい所だ。)」
「…その方が妥当だね。」
そう、実は俺の“村雨”の切れ味に参ったのか、蜥蜴人の使っていた刀が折れかかっていた。
……ま、まあ、“アレだけ”打ち合えばそうなるよな…それにどうやらちゃんと“焼入れ”をしていなさそうだし。
見た所、素人ではないがそれ程腕のいい職人が作った物では無い様子だったのだ。恐らく制作者は“刀”専門では無いのではなかろうか。
まあいい。決着だ。
「スゥ〜(ならこの一撃で勝負致す)!」
「そう来なくちゃ!」
彼は右上段、俺は……柳の構え。いざ勝負なり!!
キーン………スゥー…コトッ
「シャア(拙者の負けだ。斬るなり焼くなり好きにせよ!)」
実に清々しい顔でそう言ったが……そうだな。
「なら、俺の弟子にならないか?勿論契約してもらうが。正直“自己流”だと限界があるだろうし、もうその得物は……」
若干悲しそうな顔で、刀を見詰める蜥蜴人。
「…まあ少し考えておいてくれ。」
「シャア〜シャア…(…拙者は未熟者なれば、貴殿の様な高名と見受けられる武士に弟子入り等烏滸がましいのでは…願ったり叶ったりだが……)」
真剣に悩む武士(笑)
「そうだな……まず言っておくと、確かに俺は“武士”では有るが、そこまで有名と言う訳ではない。それと、俺の技術だって俺以上に優れているものは存在している。大事な事は互いに高め合って行く事だろう?」
…うん。実は打ち合っていて、コイツスゲーって思えたんだわ。つか、結構気に入ったから是非クルーとして欲しい所だ。
「まあ、ゆっくり考えろ。それより……」
最近次から次へと何か来るな……呪われているのか?
まあいい。来るものは拒まず、去る者も追わず。ただ、向かって来た敵ならば、たたき落とすまでだ!
次回も宜しく御願い致します。




