13 遥と黒い骨③
ども、読者の皆様こんばんわ。今回で骨と契約します。
それでは本編をどぞ!
向かって来た魔獣の内、何匹か気骨の有る奴等以外は全員殺った。ちなみに生き残った奴等は脱走した。まあ去る者は追わない主義なので別に良い。出来れば他の奴等に“俺の視界に入って来るな”と伝えて欲しい所だ。
そしてその様子を見ていた骨は……何か震えていた。
「どうした?」
「アッイエ。何デモナイデス。ハイ」
しかも片言。別に恐れる必要も無いが……
「だからどうした?」
すると、俺の身体へ指を差した。だから俺も自分の身体に視線を落とすと……返り血で真っ赤に染まっていた。
「…ああ、仕様がないか。」
そう言えばこっちに来てからはずっとシエルに汚れを“食べて”貰っていたからな…これからはちゃんと自分で処理しないと。こんな汚いモノを彼女の身体に入れる訳には行かないからな。
まあ今はともかく、これだけの血の匂いだ。他の連中が寄って来るとも分からんし、一旦“解体”→“保存”してから契約結ばないと。
そんな分けで一旦“首塚”へ異動した。ここで“馬鹿共”の首を埋葬。ああちなみにゾンビ連中は“火葬”した時跡形も無くなったので、慰霊碑を後日そこに建てた事をここで記しておく。
「さて、まずは俺の事を少しだけ話しておくか。契約する上で“雇い主”が“雇用対象”の信頼を得る事は大事だろう?」
「ああ俺も丁度色々聞きたかった所だ。お前は一体何者だ?」
骨は真剣に聞いて来た。表情の見えないその顔からも、空虚で暗い眼窩からも、威圧を感じる程の真剣さだ。
「俺の正体は、簡単に言うと半龍神半人間。」
暫く間があったと思ったら……
「は?!」
と骨が言った。俺はそのまま
「ちなみに俺は純粋な“普人族”では無く、ハイエルフと狐人の血筋を持っている。まあだから、君達“普人族”からしたら差別対象だろうな。これでも一応は半分“龍の神”だけどね。」
と苦笑しながら言った。すると骨は何か納得した様に
「ああだからか。」
と言った。俺は骨を睨むと、低い声で話を始めた。
「あ、実は俺には“観察眼”と言う固有能力が有るんだよ、生まれつき。今は“眼球自体”失われているけど“能力自体”は残っているからさっきの旦那の戦闘を見させてもらっていた時に色々な違和感を覚えたんだよ。何せ見た目は普通の“普人族”なのにそれに見合った動きをしていない。更に“普人族”が絶対に入れられない類の入れ墨をしている。その型でその色の入れ墨を入れた最後、炎の型なら全身に炎が回って焼死するし、龍神なら心臓を直接喰われる。そんで、額の“それ”からは本物の華が人体を栄養の糧にして咲き誇る、まあその頃には人体は干涸びているが。」
?!俺の“見破る”の劣化版か?
…そう言う能力が有る事は知っていたが、以後用心するに限るな。特にこの“魔大陸”から“人間の居る大陸”へ行った時に敵に自分の個人情報が漏洩する可能性が有ると言う事だからな。
ある意味“こちら”に移転して良かったかも知れない。…良く無いけど。
「つまり俺が“まとも”な人間では無いと分かっていた、と言う事か?」
「まあ事情は言いたく無ければ別に聞かない。つか、俺自信も実はホビット族のクウォーターだから逆に差別される方だったし。」
あっけらかんと信じられない事を暴露する約身長185cmの骨。信じられなかったので思わず口を半開きにしていた。
「……お前が?」
「な、何だよ。身長は親父がデカかったからそっちから遺伝したんだよ。悪いか?エルフ野郎。」
……エルフの特徴今は無いけどな。出そうと思えば幾らでも出せるけど。
「まあそんな分けで、一応大魔導師と言うか魔導技師をしていたが、“純血普人族”の連中は面白く無かったんだろうな。全然努力せずにただ“純血”っていう事情だけで、持て囃されて浮かれていた低能連中だったからな。本当に迷惑だよ、“光の教会”は。大体俺や俺の両親も奴等のせいで嫌な目に有ってばっかりだったからな。」
シンミリと話す骨。色々苦労したんだな。
「ああちなみに両親は辛うじて“ドミニジア帝国”と言う名前の“実力主義国家”の国に亡命して今ではかなり高い地位に居るから心配は無い。俺だけは、研究の為に差別の多かった“ドラミア王国”に残ったんだけどな。まあそれがこの様だ。笑いたければ笑え。」
「笑う訳無いだろう?それで、両親にはちゃんと遭いたいか?」
すると少し驚いた顔をしてから若干寂し気に答える骨。
「……別に。ただ元気にやっているかどうか見たいとは思うけどな。まあそんな事より俺が何を研究していたか気にならないか?」
「…なるが、取り敢えず契約が先だな。俺は一応最低限自分の種族の件は明かしたが、お前はそれでもいいか?」
「ああ、ただ“龍の神”が実在していた事の方が驚きだ。今度“龍神”としての姿を見たいものだ。一生に見られるかどうか微妙だからな。ただな……お前は“銀色”何だよな?」
怪訝な顔で尋ねる骨。
「それがどうかしたか?」
「ああ、それについてだが。“光の教会”には注意しておいた方が良いだろうな。何せ、奴等は“銀龍”と“白龍”を背負うものを見つけ次第確保→勧誘する様にと“教義”に有るらしいからな。まあ情報屋の友人に以前教えてもらったんだが。」
……厄介な。
「わかった、肝に銘じておく。」
「まあでもまだ“金竜”や“紅龍”よりは大分マシだな。その二つは迫害の対象だから。」
「理由は?」
「大予言者“フランシウス・G・ベルナルド”著作の“終末予言録”の一説に“金竜”はこの大地へ金の槍を、“紅龍”は業火を降らせるって言う内容が有るらしい。ちなみにこの一説を調べたその友人は“名前ごと”世界から消された。“そんなヤツがいた”って記憶が俺に残っていた理由は、ヤツと接触していた時のメモらしきモノを大量に持っていたからだ…防御結界に入れたまま。」
「…相当やばい連中なんだな、“光の教会”は。」
「ああ。関わらないに越した事は無い。」
それにしても何だかな……俺の従魔には“光の教会”から迫害を受けた連中ばっかりだな。その内レジスタンス的な何かになりそうな気がする。
まさかフラグになったりしないよね?……これ以上奴等が被害を出していない事を祈っておこう、主に自分に。
さて、契約するか。…そう言えば。
「なあ、超今更感が有るが、お前の名前は?」
「ああ?!俺もお前の名前知らないや。」
おいおいおい。俺も人?の事は言えないが、お前、仮にも“雇い主”の名前知らない間に“雇用してもらおう”と思っていたのか?!
「……俺は鬼灯遥。普通に名の“遥”と呼んでくれば良い。」
「………俺はグランドール・ガイヤン・G・クロシウス。一応“G・クロシウス一族”と言う技術屋の家系として名が通っているが……まあ知らないよな。友人からは“グラン”と呼ばれている。よろしく。」
その後“従魔契約”を交わし、無事俺は“魔術教師”兼“技術屋”を雇う事が出来た。
次回も宜しく御願いします。




