12 遥と黒い骨②
ども、読者の皆様こんばんわ。さて、今回も前回に引き続き”骨”の従魔の話です。
それでは本編をどぞ!
「シエル、連れて来た。」
そう言うや否や、シエルは俺に抱付いて来た。
「遥〜遅いよ〜!」
むくれている顔が可愛かったので、にやけてしまった。すると、更に“プンスカ”と言う擬態音が似合いそうな顔をして……急所に触って来た。
「悪い、悪かったって、ちょ、そこは……」
「悪い子にはお仕置きなのね、メッ!」
「ちょ、やめ……」
やばい、ここでそんな場所をそんな手つきで触れられると……
「ゴホン。ちょっといいか、そこのえっと……」
……忘れていた。
「おい、今絶対俺の事忘れていただろう?」
…仕様がないだろう?シエルが可愛いんだから。」
「か、可愛い/////」
すると、呆れた顔をしながら骨は
「声に出ている。」
と言った。少し恥ずかしいが、だが俺の嫁が可愛いのは当たり前だ………まだ一緒に過ごしたのは数日だけだが。
「さ、さて。まずシエル、何で人間型に?」
「あ、それはね、遥が戻って来るまでに歩き方をマスターしたいなって……それで、出来る様になったら、その、一緒に、遥の記憶に有る、えっと、デートしたいなって…遥?」
やばい。気付いたら抱付いていた。
「可愛い、シエル。だけど駄目だ。お仕置きだ。」
ああもうずっとシエルと繋がっていたい。どれだけ俺を煽れば気が済む!悪いのは全部シエルだ。
「はる…ムグ。」
ああ好きだよ。デートも沢山しよう。ずっと一緒だよ。
「んん〜……ハフゥン…」
「……ゴホン。」
あ、やべ、また忘れていた。
「爆発してしまえ、此畜生〜!!!俺なんか、俺なんか……」
そして骨、再び号泣。…本当に表情豊かな骸骨だな……表情変わらないのに。
……………………………………………
「(カクカクシカジカ)…と言う訳で、拾った。」
事のあらましをかい摘んで話すと(話の長い骨は殴って撃沈させた)、シエルは号泣していた。
「遥、仲間にしよう!グスン、大変だったね?グスン。」
すると、骨は嬉しそうな仕草をした。
「嬢ちゃんは本当に優しいな。こんなヤツには勿体無いくらい(ボソッ)」
次いでに何か余計な事を言いやがったので、ちょっとお灸を据えてやるか。
「こんなヤツってどんなヤツだよ?」
「何でも無いです。本当に御免なさい悪かったです調子に乗りました。だからその物騒な炎と冷笑を仕舞って下さい。御願いします。まだ死にたく無いです。」
「……シエルに手出ししたらコロス(ボソッ」
「ヒッ……そ、そんな事考えてね〜よ。」
どうだか……
「そうだ、遥。姿戻って良い?」
そう言えばそうだったな。シエル“外”なのに人型のままだった。危ない、危ない。
「いいよ、と言うか戻って。」
「うん。」
そしてスライムに戻る。頭を撫でる俺。そしてその光景に絶句→指差し→……
「スライム〜?!!?!」
騒ぐ骨。驚いて転げ回る骨。……もしかしたら“普人族”の魔術師って全員こういうヤツなのか?いや、きっとコイツは例外だ。うん。そのはずだ。そうあって欲しい(切実)。
つか、これだけ騒ぐと……
「ちょっと黙っていろ、骨。」
バコン「アベシッ」グリグリグリ
骨を再び、今度は念入りに締めてから周囲の気配を伺った。そしたら案の定…
「集まってきやがった。」 「ポヨン。」
仕様がない。さっさと“生活空間”に……ここで俺は重要な事を思い出した。
生活空間は、能力を持っている者の契約者でなければ入れない。
このままだと折角助けた“骨”が死ぬ。俺とシエルは入れるが、“骨”はまだ契約していない。こんな事ならさっさと契約してしまえば……待てよ。
ここに“俺”だけ残ってシエルを空間に入れておけば万事解決じゃね?
少なくとも現時点で俺が2振りの刀を同時に抜く程のヤツのは居ない。全員小者だ。だが如何せん量が多いので、骨とシエルを庇いながらは無理だ。骨だけならば話は別だが。
俺は要人暗殺阻止を依頼されて実行した事が有るので、“人を守りながらの戦闘”は結構馴れていたりする。ましてやこの界隈にいるのは“中途半端にプライドの有る雑魚”と言う、対処し易い馬鹿ばかり。
ならば……
「シエルだけで一旦帰ってくれ。」
「プルン(やだよ〜一緒に…)」
「シエル、文句なら後で幾らでも聞く。だがな、今はコイツを守りながら戦闘しないといけない。2人同時に守る自身は今の俺には無い。」
大体、“雑魚”とは言え“魔術”を打って来るのだ。“魔術”は俺にとって未知な存在で、今までは只ひたすら“斬れば”消えてくれていたが、もし上手く行かなかったらどうなる?
もし、そんな些細な事でシエルが命を落としたら……多分俺は壊れる。
「……プルルン(後で暫く一緒にいてね。約束。)」
「分かっている。埋め合わせが絶対するから。」
そしてシエルを“生活空間”へ入れた。
……………………(骸骨A)………………………
何か物凄く失礼な呼び方をされた気がしたが、まあ気のせいだと思っておく。
俺は今、大ピンチだ。
魔獣“フラノサウロス”や“アルケノウス”等の肉食獣に“ワーアント”等の虫、色々“危険指定SS”級の奴等がいるのだ。主に俺のせいで。
だが、それは問題ではない。
俺の契約主(予定)が目の前で“カタナ”と呼ばれる武器を一薙ぎ振るったら、そいつらがまるで吹いて飛ぶ塵の如く飛んで行ったのだ。
有り得ね〜………これは現実か?
そして残った奴等も次々と首が飛んで行っている。それはもう、“スポーン”とか言う音を幻聴する程に。そしてその度にヤツの背中に描かれた“銀色の龍神の入れ墨”が咆哮している様に見えるのは……気のせいだよな?
ちなみに脇腹の”炎の入れ墨”は勢いを増して見えるし、額に有った紋様は葉→蕾に変わっている様に見える。あれらは”普人族”では絶対に見られない紋様だ。
一体何者なんだ?雇い主だから後で教えてもらえるだろうが……
俺はどうやらとんでもないヤツに拾われた様だ。…取り敢えず、絶対に、もう一度重要な事なので、絶対にヤツには逆らわない様にしよう。
さっきから戦いの様子を見ていたら分かる事。それは、コイツが生死を賭けた戦いにおいては“完璧主義”だって事だ。
首を飛ばす前に必ず心臓を止め、額を突いてから首スポーンをしている、僅か0.5秒位で。
俺には生まれつき“固有能力”が有ったので分かるが、もしそれが無ければ残像しか見えなかっただろう。
まあとにかく、絶対に敵にしては行けない危険なヤツだって事が分かった。
……性格が今の所俺を嵌めやがった“奴等”よりは格段にいいが。
とにかく、こいつは暴走させない様にシエルちゃんにはちゃんと伝えておこう。寝た子を起こしたくは無いからな。
次回も宜しく御願い致します。




