遠い惑星の子(詩)
僕は、自転車に跨っていた。
両手をグリップから離して、精一杯左右に腕を広げていた。
目を閉じた。
八月の生温かい風を感じた。
ほどなくして、僕の体は夏の焼けつくようなアスファルトの中に嵌り込んでいった。
ドロドロと地面が溶けていく。
汚れと一体になる。
どの言葉もこの確かな感触を表す言葉として合わない。
そして僕は気づく。
――ここは海なんだ。
でも膿みかもしれない。地球の膿みだ。ははは。
僕は遠い惑星の子だった。
地面の下には、錆付いた都市が顔をのぞかせているのだ。