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資料 【存在】補填:時間三元

1. 歴史

 世界の始まりから世界の終わりまで。人の身では終わりの地点から観測して初めて全体像が解るもの。

 つまり、「記録」とは時間の次元の一つである。

 時間の樹で考えるならば「枝葉の先端から根の一端までを結んだ【一本の線】」。

 人ならぬ身でもない限りは、正確な形状は保存できない。

 少なくとも実体がある状態では観測不可能な物体であるためでもある。

 が、それ以上に人の思考を通すため、「主観」がどうしても枷になる。

 歴史の保存は星の意思にでも丸投げするのが一番かもしれない。

 …と思ったが、人が蟻の歴史を記録できるか?という問題があるため非常に悩ましい。

 前知の魔でも連れてくるのが最適か。その瞬間が人の滅びになるが。


2. 岐路

 電子の進行方向から生物の判断まで、万物のありとあらゆる須臾の選択のことを指す。

 ある意味、最も有名な時間次元ではないだろうか。

 時間の樹で考えるならば「枝分かれ地点」「葉の付け根」等であるが、三次元中では最も物質から遠い概念。

 あまりにも膨大であまりにも矮小であるため、記録も干渉もどうすりゃいいのかさっぱり糸口が無い。

 単原子に付随する須臾に刻んだ電子のそれですら、刻まれた一瞬事に情報が異なっている、といえば何となく理解いただけるだろうか。

 前知の魔はつまりそれができるというコトになるのだろうが。取捨選択って大事なのだろう、多分。


2.1 並行世界

 とある岐路を違えたことにより、少し異なる未来へ到達した世界のこと。

 おそらくは第五次元の存在により容易く発生していると思われる。

 が、第四次元を移動できる存在以外が認識することはできない。

 ∵「岐路」は二つの値を取ることができない。

 また、条件が完全同一の「岐路」は歴史の存在により存在できない。

 歴史を移動できない以上、岐路には「何回目の選択か」が存在してしまう為だ。


2.2 平行世界

 恐らく時間三元では移動できない類の、所謂一般的な「異世界」。

 完全に物理法則の違う世界のことを指す。

 果たして人工精製は可能なのだろうか?

 恐らくは発生元の「泡」が異なっているということなのだろうが、その場合人類が存在を観測することはまず不可能だ。

 人外級の能力で転移するにせよ、宇宙サイズの空間三元の把握と転移、これまたビッグバン前後までの時間三元の把握と移動、転移中転移後の自身の存在の保護、どれ一つ人の身に収められるものではない。

 そもそも転移した後に生体異常で生存できないだろう、というツッコミがまずあるが。

 元素分子からして適合しない可能性が高すぎるのが「物理法則が違う」ことの最も単純で最悪の問題と言える。


3.i 速度…の前にちょっと脇道

 さて、時間最大の問題児。固有時とか称される類の存在、はやさである。

 時間樹で表そうとすると非常に難儀するが、「成長」と「枯死」、或いは「細胞活動」になるのだろうか。

 時間樹という例え方の限界点であるとも考えられなくもないが。

 なぜなら、「時間樹」は第四・五次元を観測可能な存在に陥とし込んでいる以上、「初めから完成している」、「不変の存在」でなくてはおかしいのだから。

 が、実際の世界には時間がある。現在という瞬間がある。

 一瞬前という歴史はあり、一瞬後という選択がある。

 なればこそ現在という須臾の観測(げんどうりょく)は必要だ。

 そして、その一瞬をどんなサイズで刻むかは個の自由。

 ∴私は現在という第六次元を、個人という速度(サイズ)であると定義した。


3. 観測

 さて、では速度とは何ぞや、という話に移るが。

 要するに「現在」という一瞬において、変動しうる「時間系」の単位である。

 些かファンタジーに表現するならば、この速度において世界との差が拡がるほどせっかちになり、狭まるほどのんびりする。

 極端に言えば世界と相対的に0ならば「時間は止まって」おり、世界と相対してマイナスであれば「逆行という現象」になる。

 なお、正確な対比はなされていないが、一般的に総体が小さいものほど速く、大きいものほど遅いと考えられている。



3.2 で。 

 さて、なんでこんな愉快な方向に第六次元が設置されてしまったかについてだが。

 別次元として定義するためには、「他の次元に対し垂直に刺さる軸でならなければならない」という大問題の空間三元による前提があるせいである。

 ぶっちゃけると、

 「歴史と分岐に対して垂直にぶっ刺される概念ってなんぞ?」

 という難問が立ちはだかったわけだ。

 そう、歴史(たて)分岐(よこ)である。

 つまりこの樹、ペラッペラの二次元でしかないわけで。

 そこには厚み(おく)が必要になるわけだが。

 そうして考えた時、一瞬に厚みを持たせられるとすれば、ペラペラ…というか骨組みみたいな「一人分」の樹を束ねて厚みを持たせた樹にするイメージしかわかなかった。

 ∴厚みは個における時間になり、それに名を与えるとすれば「速度」以外は有り得なかった、というわけである。


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