表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

華鶴ノ宮家と四条家 初恋

これは超金持ちよお嬢様、御曹司がたくさん登場する話です!

今回の話はその名の登場人物の幼少期です。

今はよくわからないところが多いともいますがこれからどんどん増やしていきます、

誤字脱字などあるかもしれませんがご了承ください!


六年前。華鶴ノ宮家本邸。その日、屋敷には珍しく少しだけ緊張感が漂っていた。

華鶴ノかずのみや家と四条しじょう家。古くから交流のある両家の顔合わせが行われる日だったからだ。

もっとも、緊張しているのは周囲の大人たちだけである。

「お嬢様、四条家の皆様が到着なさいましたお嬢様と同い年のご子息がいらっしゃるそうですよ」

執事がそう告げると、六歳の華鶴ノ宮菖蒲あやめは読んでいた本を閉じ、

「そう」

と落ち着いた返事を返すと服装を整える。

年齢の割に大人びていて、昔から妙に肝が据わっていた。

「お迎えに参りましょう」

「分かった」

菖蒲は素直に立ち上がった。


玄関ホール。大正時代に建てられた西洋風の建物の巨大な扉が開くと、四条家の人々が入ってきた。

一人ひとり挨拶を済ませるとその中に、一人の少年がいることに気づく。

黒髪に整った顔立ちに真っ直ぐな瞳。

そう、彼こそが四条蓮夜れんやだった。

菖蒲と同じく六歳で、幼い頃から天才と呼ばれている少年だった。

そんな二人の視線が合う。

数秒。

どちらも目を逸らさない。不思議な空気が流れた。先に口を開いたのは蓮夜だった。

「こんにちは」

穏やかな声だった。菖蒲も軽く頭を下げる。

「こんにちは」

六歳児同士とは思えないほど落ち着いた挨拶だった。

後ろの大人たちは微笑ましそうにそして少し驚いた様子で二人を見ている。

しばらくして。大人たちは応接室へいどうし。子供たちは庭園を散歩することになった。

広大な庭には四季折々の花が咲いている。

庭の端から端にかけて小川が流れており絶景を生み抱いていた。

二人は並んで歩く。菖蒲は時折庭に生えている珍しい花や薬草、木々について説明していたがとうとう話すこともなくなり

沈黙が続いていた。すると蓮夜が

「普段は何をしているの?」

と尋ねた 

「歴史書とか小説を読んで時間をつぶしてるけど。」

「面白い?」

「うん」

「どの辺が?」

「やっぱり一番は第一次世界大戦前後かなヨーロッパの国の動きとかが学べるし読んでいて面白いから。」

蓮夜は少し驚いた。自分のほかにこんな子がいるとはみじんも思っていなかったのだ。

「確かに面白そう」

「あなたは?」

「科学の本かな」

「好きなの?」

「好き」

菖蒲が少し笑う。

「科学によって世の中の謎がどんどん解き明かされていくのは本当に面白いと思うよ。」

と思わず笑顔で答えてしまったすると

「そうかも」

と菖蒲が肯定するその目は自分と同類を見つけたことの驚きと期待が混じったそんな視線だった。

二人はそのまま話し続けた。本の話。外国の話。好きな食べ物の話。

話に夢中になるうちに、二人の足は自然と庭園の奥へ向かっていた。

そして、

庭園の中央にある白い東屋へ着いた時だった。

ふと蓮夜が菖蒲を見ると黒髪が風に揺れていた。

大きな瞳に綺麗な顔立ち。そして自分に向けられる柔らかな笑顔。

さっきまでの無表情の少女だとは誰も想像できないだろうそれほどまでに生き生きとしていたのだ。

ふと蓮夜は今までに感じたこともないような温かい感覚をおぼえた。そしてこうつぶやく。

「ねえ」

「ん?」

菖蒲が少し首をかしげる

「菖蒲って可愛いね」

菖蒲の動きが止まった。

「……え?」

予想外だったのだろう。本当に。完全に予想外だったのだ。

「すごく可愛い」

蓮夜は続ける。嘘でもお世辞でもなくふとそう思い、どうしても口にしたいと思った。

すると、みるみるうちに菖蒲の頬そして耳がが赤くなり、視線が少し泳ぐ。

さっきまで平然としていたのに言葉が出てこない

「えっと……」

胸が妙に落ち着かない。

なんだろう、この感覚。蓮夜は固まった。そしてもう一度強く思った、可愛いと。

目の前の菖蒲があまりにも可愛かった。

恥ずかしそうに視線を逸らす姿。赤くなった頬。小さく戸惑う様子。

全部が目に焼き付く。

そして

「ありがとう……」

と菖蒲が小さく言った。

「え?」

「可愛いって言ってくれて」

少しだけ照れながら。それでもちゃんとお礼を言う。

その時だった。菖蒲がふわりと笑ったのだ。優しく。柔らかく。温かい笑顔だった。

蓮夜は息を呑んだ。

(僕の前で優しく笑ってくれた)

そう思った瞬間。胸の奥が熱くな。

もっとこの笑顔が見たい。もっと一緒にいたい。そう思った。


やがて帰る時間になった。玄関前。車に乗り込む前に蓮夜が振り返る。

「また会える?」

菖蒲はそっと微笑みながらひかえめに頷いた。

「うん」

その笑顔を見た瞬間。蓮夜は確信した。

**(僕、この子が好きだ)**

車が走り去った後。菖蒲は一人で空を見上げていた。

「可愛い……か」

まだ少し頬が熱い。褒められること自体は珍しくない。

それなのに。蓮夜に言われた時だけ、なぜか特別だった。理由は分からないでも。また会いたいと思った。


六歳の春。華鶴ノ宮菖蒲は四条蓮夜の初恋のひととなった。

そしてこの日から二十年後になっても、この気持ちは変わらずここにあり続けるのだった。

読んでいただき本当にありがとうございました!

これからもどうぞ宜しくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ